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FRB、インフレ抑制に向け金融引き締め加速へ?
アメリカの雇用統計は、毎月第一金曜日に発表されます。2023年10月6日に発表された9月の雇用統計は、以下の通りです。
非農業部門雇用者数:332,000人増(予想:300,000人増)
失業率:3.6%(予想:3.7%)
平均時給:3.4%上昇(予想:3.3%上昇
非農業部門雇用者数
非農業部門雇用者数は、前月比332,000人増となりました。これは、予想の300,000人増を上回る増加です。
雇用者数が増加した主な要因は、製造業、サービス業、建設業の雇用者数の増加です。製造業では、自動車製造業や電気機械製造業などの雇用者数が増加しました。サービス業では、宿泊・飲食業や小売業などの雇用者数が増加しました。建設業では、住宅建設業の雇用者数が増加しました。
失業率
失業率は、前月と変わらず3.6%となりました。これは、予想通り横ばいとなっています。
失業率が横ばいとなった主な要因は、労働力人口の増加が抑制されていることです。労働力人口は、前月比154,000人増となりましたが、これは予想の175,000人増を下回る増加です。
平均時給
平均時給は、前年同月比3.4%上昇となりました。これは、予想の3.3%上昇と一致しています。
平均時給が上昇した主な要因は、労働需給の逼迫です。労働需給の逼迫により、企業は従業員を獲得するために賃金を上げざるを得なくなっています。
今後の見通し
この結果を受けて、アメリカの経済は依然として堅調であるとの見方が広まっています。しかし、インフレ率の高止まりが続いていることから、FRB(米連邦準備制度理事会)による金融引き締めがさらに加速する可能性があるとの懸念も高まっています。
FRBは、インフレ率を2%に抑制するために、利上げを継続する姿勢を示しています。利上げがさらに加速すれば、景気後退につながるリスクも高まります。
怜音 カルロス