水道水を飲むために私が試した5つの方法
一人暮らしの浄水問題
実家を離れて一人暮らしを始める際、悩むことの一つに飲み水の問題がある。一般的な選択肢としては浄水器を蛇口に取り付けたり、2Lのミネラルウォーターを箱買いしたり、ウォーターサーバーを設置したりするなどだ。しかし、どれも費用や管理が大変だ。日々の生活の中で慣れることはあっても不便さが解消するわけでは無い。一番留意すべきは不便さに慣れてしまうことだ。
では水道水を直飲みすることの是非はどうだろうか?
しかし、実際のところ水道水を直飲みすれば明らかにカルキ臭さはあり、健康被害はないと分かってはいても精神的に来るものがある。また、自分は良くても来客の際に水道水を出すのは気が引けるものだ。
水道水を飲むために私が試した5つの方法
①煮沸
これは一般的な手法だが、トリハロメタンと呼ばれる発がん性物質が短時間の煮沸だと増加してしまうため、10分以上を目安にする必要がある。冷ます手間もかかり、また細菌の繁殖が考えられるので冷蔵庫で保管しなければならない。1日に必要な1.5L前後の水で45L冷蔵庫を圧迫することはいまいちだ。また、冷たい飲食は代謝に悪いため常温に戻すためにもまた時間がかかる。あるいは煮沸する際に使用した鍋の味がすることもよくある。
②炭
いわゆる備長炭で、最初に煮沸すれば数回はピッチャーなどに入れて不純物を吸着してくれる。しかし、いかんせん、ろ過に4〜5時間かかるのが難点だ。寝る前に準備したり、飲みたい時にすぐ飲めないことは不便である。保管に関しては煮沸同様だ。
③レモン水
よく金魚やメダカの飼育水として、カルキ抜きする際に利用される手法だ。化学反応、いわゆる中和で水にしてしまうのだが、メリットは何といっても飲みたい時に飲みたい分だけ常温で即作れるところだ。化学反応は一瞬で済むため簡便である。必要なのはビタミンCなのでレモンなどの原液などを数滴垂らせば良い。ウォーターチェッカー(残留塩素測定試薬)での反応も確認済みだ。が、多少なりとも味がついてしまうので毎日飲むものとしてはきつく、レモンなどの酸はいわゆる酸蝕歯(さんしょくし)として歯を溶かし、黄ばみ、欠け、知覚過敏を引き起こすためしばらくして取りやめた。
④浄水ポット
次に採用したのが浄水器で、有名どころのブリタ製を使用。フィルターの交換が4週間に一度で手入れも頻繁には必要ない。水圧でろ過されていくので数分ほど時間はかかるが比較的すぐに飲むことができる。一人暮らしにはちょうど良く、水道水を注ぐのは1日に2、3回で済む。私は清潔感や注ぎ口のデザインでカラフェ型のものを選んだ。少量ずつ作ることもできるので必ずしも冷蔵庫に保管する必要はない。ただ、シンクの深さとの兼ね合いで水道水を注ぐ際は少し気を払う。
⑤浄水ボトル
最後に、現時点で使用しているのが同じくブリタ製の浄水ボトルだ。携帯用の水筒であるため外出する際も利用でき、また室内での飲水のハードルがずっと下がり良い習慣ができる。というのは普段はキッチンでコップに注いだり、部屋に持っていくと一杯飲むごとに片付けたり洗う必要が出てくる。そして視界に水が常にあることとそうでないことには雲泥の差がある。デスクワークで集中をしていれば腰が重くなり、喉が渇いたことにすら気がつかないことも多い。ただ、よく言われるように喉が渇いている時点ですでに脱水状態にあって望ましくない。尿意があってトイレに行くこととはわけが違うのだ。後述するが、水を飲むことを面倒と思えば生活の質は一気に落ちる。室内で水を携帯できる、常に視界に入れるということの重要性を理解している人は多くない。
また、このボトルはスポーツシーンなどでよく使われるスクイズタイプだ。野球用語であるsqueezeから来ていて、点を「搾り出す」という意味で使われている。片手で筒を絞り、必要な量を最短で口に含むことができる。素材も軽く、蓋を開閉する手間やコップも必要ない。そして何より衛生的だ。ペットボトルなど口をつけるものは出戻りに注意しなければならない。口内細菌が飲み掛けの中に混ざり、夏場などは特に繁殖して不衛生とされることがある。コップに口をつけることさえ抵抗があった私にとっては確かなストレスの解消といえる。
また今までの対処法と一線を画すのは水を飲む直前に洗浄できることだ。水道水の塩素などは忌避されがちだが消毒という大切な役割を持っている。ボトルに注水してから飲む直前までそうした効能が働くことはよく合理的だ。常温で保管することにも一役買っている。
容量が見える最低限の不透明度な本体と、馴染んだロゴに、アクセントの差し色。ゴムのリングについては普段、私は取り外しているがどの角度からでも手に取りやすい丸みを帯びた優しいデザインだ。携帯性やシンクで注ぎやすいサイズ感、水漏れ対策、浄水フィルター部分の洗いやすさなども含めてよく考慮されているイチオシの商品だ。
飲水意識の改善
一般的に言われているようなリスクやメリットに問わず、個人的には脳の調子やメンタルにも大きく関わりがあると実感している。日々、こまめな飲水を心がければ生涯にわたり大きな違いになってくるかもしれない。
まとめ
ペットボトルは捨てるのが面倒で、保管場所も必要。蛇口が合わず浄水器を取り付けられない人もいるだろう。シンクのスペースが狭くなることも考慮する必要がある。ウォーターサーバーもミニマリストにとっては悪手である。心理的にもわざわざ買った水が目減りしていく様を見るのはネガティブではなかろうか。また、手入れを怠ると衛生的にも本末転倒である点、水道水に手入れというものは存在しない。
といった具合に、一人暮らしを始めてはや4年が経とうとしているが自分の解にたどり着くのにもそれなりの時間を要している。暮らしのデザインとはよく言ったもので、うだうだと考えることは無限に湧いてくる。いっそ暮らし自体を無くしてしまえば最良のミニマリズムなのかもしれないが、あるいはそれが実家暮らしというものなのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?