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【ライブレポート】「from ARGONAVIS × バンドやろうぜ! SPECIAL LIVE -CROSSOVER -」

1月5日(金)
この日、東京ドームシティホールで3つの男性バンドが会場を熱狂させた。

Fantôme Iris OSIRIS GYROAXIA

彼らの勇姿を少しでも多くの人々に伝えるべく、私はこのレポートをしたためることにした。
普段書くものとはテイストが一切違うもののため書くことに若干の苦手意識があるが、このレポートが誰かの目に止まれば嬉しい限りだ。


Fantôme Iris

セットリスト
1.ザクロ
2. Into the Flame
3. XX in Wonderland
4.銀の百合
5.Janus
6.棺の中のセラヴィ
7. Brilliant Days

この日のトップバッターはヴィジュアル系バンドのFantôme Iris
入場と共に楽器をかき鳴らすと眷属(Fantôme Irisのファンの総称)の間で“暴れ曲”として親しまれている『ザクロ』からスタートした。
会場のファンもこの日が待ち遠しかったのだろう。絶叫と言うに相応しい歓声が会場全体を包んだ。
メンバーそれぞれがイントロのリズムに合わせ身体を揺らしている中、目の前のお立ち台へと足を掛けるのはVo.FELIX(役:ランズベリー・アーサー)
新年の挨拶も早々に「全力でかかってこい!」と麗しい見た目と相反する叫びによって、ものの数秒で会場のボルテージを一気に高めた。
その熱気を保ち…いや、さらに盛り上げながらノンストップで『XX in Wonderland』まで披露。

曲間のMCでは「今年は我らとは別世界を生きる者が集っているようだね」とOSIRISの存在についても触れた。
本来は別世界で生きながらも同じようにバンドサウンドを用いて独自の世界観を展開する彼らがFELIXなりに気になるのだろう。
MCを終えると彼らの代名詞とも言える『銀の百合』と『Janus』によってさらにFantôme Irisの世界観を見せつけた。

続く6曲目は『棺の中のセラヴィ』
“幽霊とのお茶会”をモチーフにしたこの曲もFantôme Irisを初期から支えてきた1曲であり、ポップなメロディが気に入っている眷属も多いことだろう。
しかし今日のこの曲は一味違う。
ロック調にアレンジされ、楽器の音数も増え重めの音を響き渡らせたのだ。
音数が変わるだけでも曲の雰囲気がガラッと変わるのはバンドサウンドならではの醍醐味なのではないだろうか。
そして筆者も熱狂的な眷属の一員であるため、魅せ方をガラリと変えたこの曲の音源化を強く望んでいるが…
果たして次に聴けるのはいつになるだろうか。

最後はFantôme Irisの新たなる境地が垣間見える『Brilliant Days』
過去の出来事全てが必要なものであると説くような歌詞には、個人的に様々な挑戦をしている最中である筆者の心にも強く刺さった。
2024年内にリリース予定のアプリで彼らが大きく成長した姿をどう見せてくれるのか…
そんな期待感を煽る1曲だ。
そして、from ARGONAVISというコンテンツそのものが沢山の壁に当たり波に飲まれそうになってきたからこそ、この歌詞に奮い立たされる眷属やその他のファンも多くいるだろう。


OSIRIS

セットリスト
8. Darkness
9. Desire
10.Chain
11. Bloody Masquerade (OSIRIS×FELIX from Fantôme Iris)
12. Beyond the Limit
13. Re:incarnation
14. Dreams
15. Heavenly Breeze

2番手として出てきたのはOSIRIS
こちらも入場から間髪入れず『Darkness』を披露し会場を盛り上げた。
Fantôme Irisと同じようにヴィジュアル系バンドとして活動するOSIRISだが、互いに全く違うアプローチのため会場にいるファン全員が魅了されたことは間違いないだろう。

3曲歌い切った後のMCではVo.高良 京(役:小林正典)が自己紹介と共に会場を煽った。
このまま次の曲に移るかと思いきや…
つい先ほど出番を終えたFELIXがステージ袖から優雅な振る舞いで姿を現したのだ。
会場のどこかから「一体何!?」とファンが驚きの声を上げたのが聞こえてきたが、きっと他のファンも最初は驚きのあまり何が起きているか理解が追いつかなかっただろう。
「一緒に歌わせてはもらえないだろうか?」と話を続けるFELIXは過去のCOVER FESTIVALでも会場の盛り上がりに耐えきれずステージに乱入した前科(笑)がある。
自由奔放に行動をしながらも優雅な立ち振る舞いを崩さない様はまさに吸血鬼の王の風格に相応しい。
対する高良も「俺達に付いてこれるのか?」と煽り返す。
そうして披露された『Bloody Masquerade』は今日この日限りしか見られないであろう貴重なステージとなった。
まるで長年お互いを高め合ってきたライバルのように歌声をぶつけ合う2人は後半、肩を組み合いながら歌う場面も。

FELIXがステージから捌けた後、高良は自身の衣装に十字架が付いていたにも関わらず吸血鬼であるFELIXが何事もなかったことに対して少々疑問を持っていた様子。
「迷信だったということか」と高良は呟いていたが、きっと吸血鬼の王ともなれば装飾程度の十字架は意に介さないのだろう。

そんなMCを挟みながらもFELIXと共に盛り上げた熱気は下げず、以降の曲を続けるOSIRIS

『Re:incarnation』で会場全体に「ヴォイ!ヴォイ!」と声を上げるよう煽りまくり、ファンの体温をこれでもかと言うほどに高めさせた。

残すところあと2曲目となったタイミングで高良は、この日ライブができないのではないかと密かに不安を感じていたことを吐露した。
2024年は年始から、どうしようもない事情で気持ちが重くなってしまうようなニュースが連続してしまい高良と同じ不安を抱えていたファンも多いはずだ。
しかし、そんな困難を乗り越え今日この場で会えたファンとこの情勢を生きる人々の気持ちを鼓舞するべく『Dreams』を歌い届けた。

そしてOSIRIS最後の曲は『Heavenly Breeze』
アップテンポな曲で激しい曲ではないにも関わらず、声帯がいくつあるのか?と感じてしまうほど圧倒的な歌唱力を見せつけステージを後にした彼らだが、今後もこうして様々なステージで見れることを期待している。


GYROAXIA

セットリスト
16.MANIFEST
17.Freestyle
18. Fighting Spirit
19. Breaking the ROCK!!
20.HELLO
21. Existence(GYROAXIA×高良京 from OSIRIS)
22. DANCING PARANOIA
23. ALL MY PARTS

この日のトリを務めるGYROAXIAの1曲目は『MANIFEST』
宣戦布告を掲げるこの曲は様々なバンドが出演する本ライブに相応しい曲だ。

「唯一無二のものは俺達だけが入ればいい!」
Vo.旭 那由多(役:小笠原 仁)がそう宣言して歌い始めた『MANIFEST』によって会場はさらなる盛り上がりを見せる。
ここまで2バンド分、計15曲を披露する時間が経過しているわけだが、まるでそんな疲れを感じさせない熱量が会場全体を包み込んでいた。

3曲目となる『Fighting Spirit』は前日の新日本プロレスで披露されていることもあり、この日生演奏が聴けるかどうかファンの間でも議論されていたものだ。
そのためイントロが鳴り始めた瞬間から会場の歓声は一際強いものになっていた。
プロレスのタイアップというだけあり力強い歌声と演奏に会場全体の空気が揺れているような衝撃を受けた。

5曲目はこの日初披露の導入SEが使われた。
導入SEで何の曲が披露されるのか察したのは、筆者の体感だと会場の半分くらいだろうか。
SEが終了し始まった曲はGYROAXIAとしても初演奏となる『HELLO』
この曲は2021年3月17日発売の1stアルバムに収録された曲である。
発売当初からファンの間では話題となっておりライブでの披露が幾度となく期待された曲であったため、この日1番の盛り上がりを見せた瞬間であった。

『HELLO』が終わった後のMCではBa.曙 涼(役:秋谷啓斗)が楽屋にてOSIRISのメンバーと交友を深めた様子を嬉々として話してくれた。
さらに楽屋トークを交えた曙の提案によって急遽OSIRISの高良と旭によるツインボーカルが実現したのだ。

2人が歌った曲は『Existence』
疾走感のある曲調に独特の緩急がついたこの歌を高良が歌う姿はOSIRISファンにとって貴重な光景になったのではないだろうか。
お互いの顔が今にもぶつかりそうな距離感で歌う2人のボーカリストはまさに頂点を争うに相応しく熱い姿だった。

高良が捌けた後もGYROAXIAの勢いは止まらない。

GYROAXIAのダンスミュージックとして人気高い『DANCING PARANOIA』でファンの体力も限界まで追い込み、最後の曲に入ろうとしていたその時…

Dr.界川 深幸(役:宮内 告典)が勢い余ってミキサー(機材)を叩き故障させてしまったと言うのだ。
最後の曲を前にしてドラムの修理作業が始まった。
その間、曙の「お正月は何を食べた?」というセリフを皮切りに界川と旭を除く所謂、竿隊の楽屋トークが始まった。
楽屋ではそれぞれ餅を食べたこと話題で盛り上がり会場の熱が冷めぬまま修理は終わり、この日最後となる『ALL MY PARTS』を歌い切って本編の幕を閉じた。


アンコール

セットリスト(両曲3バンド合同)
En1.ピエロ
En2 .Voice

ラストはキャラクターとしての皮を脱ぎ去りキャスト本人としてのMCが始まり、それぞれバンドとしての思いやプロジェクトとしての思い出を語った。

そうして披露したアンコール1曲目はFantôme Irisの持ち曲である『ピエロ』
Fantôme Irisの楽曲の中でも疾走感がありライブ映えのする曲として人気高いものだ。
ファンの熱に応えるようにして3バンドのキャスト全員が思い思いにはしゃぎ、お祭り騒ぎとなった。

そして正真正銘、最後の曲となった『Voice』はOSIRISの持ち曲である。
バンドやろうぜ!プロジェクトのライブではカラーボールを投げるのが恒例となっており、この曲中でも数多くのカラーボールが客席に投げ込まれた。
特にランズベリー・アーサーが貴族衣装のままカラーボールのバズーカを抱える姿は際立っていた。

曲が終わりボーカル陣が各々挨拶をして幕を閉じた本ライブだが、今回を最後とせず今後も恒例化してお祭りのような空間を提供してほしいと筆者も願っている。


本公演のセトリプレイリストは以下から。







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