『どうすればよかったか?』を観て。
公開前から気になっていた『どうすればよかったか?』を観てきた。
私の母はこの映画に出てくる雅子さんと同じ統合失調症。
母は雅子さんと同じようにはじめは医者にかかる事は無かった。
祖父(母の父)が世間体を気にして医者に連れて行く事を拒んだと聞いている。
雅子さんと母が重なり、最後まで観ていられるのか?
観た後の自分は大丈夫だろうか?と心配だったのだが
自分でも驚くほど冷静に観賞できた。
観終わった後はなんとも不快な気持ちになった。
雅子さんは20年以上も治療をされてなかったが
お母さんの認知症がきっかけ治療に漕ぎつけ
入院し数ヶ月で退院できたと語られていた。
もっと早くに医者にかかっていれば雅子さんはもっと違う人生だったのになんて酷い親だ!
と思う人もいただろうし、監督もそう思っているのがわかった。
でも、本当に酷い親だったのだろうか?
私の母もすぐに治療しなかった。
当時、私は3歳位だったが何かを喚きながら窓を叩く母の姿が微かに記憶に残っている。
そして雅子さんと同じように家から勝手に出て行ってしまった。
流石にアメリカには行かなかったが母の兄弟が探して連れて帰り、祖父を説得。
祖父もさすがにこのままでは無理だと思ったそうだ。
そして母は精神科に入院した。
落ち着いて生活できるようになるまで何年もかかっている。
雅子さんのように20年以上も未治療のままでいるのは余程の事がない限り周りが耐えられないと思う。
世間体を気にして…なんて理由だけで続けられない。
それだったら、留学したとか適当な嘘をつき入院させた方が気が楽だろう。
発症した当時にどんな話し合いがされたのか、最初に診た医者にどう言われたのか
お母さんが少し語っているのだが実際はどうだったのかはわからないままで
監督はもっとご両親を説得する事ができたんじゃないのかと思ってしまった。
親戚のおばさんは雅子さんが精神を病んでいるという事は知っていたようだし
もっと何かやりようがあったんじゃないの?と。
家を出て遠くに就職し、逃げてた監督に比べたら
ご両親は雅子さんから逃げる事もせずにずっと見守って来たのに…
観終わって色々考えてると腹が立ってきて
直後の不快感は苛立ちだったのかと理解した。
腹は立つがお姉さん事を映画にしてくれた事は感謝しています。
統合失調症が必ずしも誰かに危害を加えるような病気ではないという事を知ってもらえたのではないでしょうか。