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吉村妃鞠さんが奏でる カルメン幻想曲



カルメン幻想曲の題材となったオペラ


 心から自由を愛しながらも、愛と嫉妬に翻弄された1人の女性、彼女の名は
" カルメン "
 その激しくも儚い運命を音楽で表現したのが、フランツ ワックスマン作曲の
カルメン幻想曲です。
 はじめに、オペラのカルメンと彼女のことについて少し触れておきたい。

カルメンは1875年フランスの作曲家ビゼーが作曲したオペラであり、舞台はスペインである。自由奔放なジプシー女性カルメンとセビリア駐屯の衛兵伍長ドン・ホセは恋仲になるが、恋多きカルメンは闘牛士に恋し、嫉妬に狂ったドン・ホセに殺されるというストーリーである。カルメンは世界中で知らない人がいない位に誰からも知られ、現在世界で一番上演回数が多いオペラとして余りにも有名である。

    出典 : 武藤記念講座 カルメンという女より


 気まぐれだけれど情熱的で、女性としても魅力的。自由奔放ゆえに、どこか浮世離れしているのかしら?と思いきや、信念を貫く強さを持っているあたり、同性ながら私は憧れるんですよね、カルメンに。

 オペラ界で、愛と死を象徴する女性といえば、もう1人、蝶々夫人がいる。カルメンと蝶々夫人、2人に共通してるものは " 死 " 。
 カルメンに限っては、自らの運命を知り、受け入れ、命を懸け己の自由を守った。

 私は想う。
カルメンが死をもって貫きたかった自由とは、何だったのだろうと。
貫いた自由の先に、何を見ていたのだろうと。

 私には到底、理解など出来ない。
が、もしもカルメンのような女性が実在していたなら、彼女が貫いて守った自由の中に、どんな世界があったのか、非常に興味深い。



吉村妃鞠さん、その演奏と独自性


吉村妃鞠さんのことに少し触れてみる

10歳までに日本・欧州などの42のコンクールで1位。複数のオーケストラと共演。2022年、超難関 アメリカのカーティス音楽院(大学に相当)に最年少10歳で合格し、11歳で進学。以降は日米を行き来しながら活動する。現在13歳。

出典 : Wikipediaより


感情がダイレクトに伝わる演奏

 吉村妃鞠さんの演奏は、力強く情熱的でありながらも、一音一音がとても丁寧で繊細。特に高音域の部分では、カルメンの自由奔放な性格を目の当たりにしているような迫力に圧倒される。
 一方で、低音域の哀愁漂う音色は、まるでカルメンの宿命を暗示しているかのような臨場感に溢れ、物語の中で生き続けるカルメンに翻弄され、私の感情までも揺さぶられる。
 特に2:44 〜 4:07 辺りは、カルメンの切ない女心が妃鞠さんの奏でるヴァイオリンの音色で、切なくも美しく深く胸に突き刺さり涙を誘う。

春華


そして、ステージに舞い降りたカルメン! 物語は力強くも繊細な音色で彩られ、終始ドラマチックに展開される !



情熱溢れる演奏を聴き終えて

 後半8:59あたりから、ステージ上に火花が散るような熱い情熱を感じます。
 愛と自由の間で激しく揺れ動くも、信念を貫いたカルメン。妃鞠さんが奏でるヴァイオリンの音色に自分自身を重ねては、自由とは?心から求めるものとは?
と、想いを馳せずにはいられません。

 あなたは、いかがでしたか?カルメン幻想曲を聴いてどんな物語を感じましたか?
 また、吉村妃鞠さんの演奏から、どんな感情が伝わりましたか?

たくさんの感想やコメントをお待ちしています!







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