滝野さとやま探検隊『ヒグマ&エゾシカトランクキット』🐻🦌
毎年恒例、滝野自然学園での『滝野さとやま探検隊』のお手伝い。
今回のテーマは『ヒグマ&シカトランクキット』🐻🦌その名の通り、野生動物としてのヒグマとエゾシカの生態を小学生と学びます。
今回のリーダーは、ネイチャーアクティビティのエキスパートのふたり『川のがっこう』の金ちゃんと『ツリークライミング』のボイラー💕
そして用意していった絵本の中から私は『知床のきょうだいヒグマ ヌプとカナのおはなし』を読みました。
この絵本は知床財団という、世界自然遺産である知床の大自然を守り管理する公益団体で『ヒグマトランクキット』も『ヌプ&カナ』の絵本も知床財団のネイチャー プログラムとして発信されているものです。
知床のきょうだいヒグマ ヌプとカナ
https://www.shiretoko.or.jp/higumanokoto/nupukana/
『ヌプ&カナ』は、親離れしたヒグマのきょうだいのヌプが、人間が興味本位で野生動物にエサとして残していった食べ物の味を覚え、人間との境界線を越えた、結果悲しい結末になってしまう実話といえるお話です。
最近は道東で数年にわたり多くの乳牛を襲ってきた『OSO18』や、札幌の山際で人間がピザを食べヒグマを誘き出すなど、動画の閲覧回数を増やす目的で計画的にYouTubeにアップロードした人もいました。
近年札幌では市街でもヒグマの出没が多く、人間と野生動物の境界線が崩れていて、どちらにとても危険で悲しい結果となる現状が続いています。そこで私はみなさんにお願いしたいことがあります。
ちょっとだけでもいいんです。想像してみてください。これは面白がることでしょうか?
人間が完全に自然をコントロールすることはできません。自然を保護すれば環境は守られる。しかし近づきすぎればどんな形でも恐怖は必ず生まれます。
特に野生動物には人間のような理性はありません。人間と野生動物の境界線が無くなるということがどうゆう意味かを、人間と野生動物お互いのために、一度想像してみてもらいたいのです。
絵本を手に取りながら「ヌプはやっぱり死んじゃったんでしょ?」と2年生の女の子が私に話しかけてきてくれました。「自然の摂理ってこうじゃないよね。みんなで考えないといけないよね」と6年生の男の子も話してくれました。
ヒグマもエゾシカもエゾオオカミの問題も、人間が自然をコントロールしようとした結果です。北海道の先住民のアイヌの人達は、自然の畏怖を神にたとえ、お互いに共存するための知恵と美しい信仰を持っていました。
私達もそろそろ色々な意味での『原点回帰』を考える時代に入ってきていると感じてしまう今日コノゴロです。
知床財団HP (ヒグマと生きるために)
https://www.shiretoko.or.jp/activity/higuma/
🌳 今回、読んだ絵本 🐻🦌
エゾオオカミ物語
あべ弘士
講談社 2008年初版発行
森のいのち
小寺卓也
アリス館 2006年 初版発行
知床のきょうだいヒグマ
ヌプとカナのおはなし
あかしのぶこ
知床財団 2008年 初版発行