第一回 株について初心者でもわかりやすく講座!
株。
難しそうだけど株の仕組み自体は大して難しくない。
でも株を取り巻く環境は難しい。
今回は株ってなんぞや?という人のために優しくイチから紹介しよう。
第一回「転換社債型新株予約権付社債」
株をやっている人もやっていない人も度肝を抜かれる第一回のタイトルであろう。
こんなんを初っ端からやる株のサイトはどこにもない。
しかし考えてみると「株とはなにか〜」みたいなタイトルで「オランダのチューリップバブルが〜」とか「船を出すための合同出資が〜」などという話は面白くない。
ぜんぜん。
だから第一回は転換社債型新株予約権付社債である。
株といえばギャンブルみたいなもので、大きく負けるか大きく勝つかみたいな考えを持っている人もいるだろう。
だから、そんな危ないの興味ないよ〜、と。
転換社債型新株予約権付社債は、ほぼ絶対に勝てる。
別に怪しいサイトの売り文句や違法投資スキームではない。
誰が買っても勝てる株がある。
そんなもんあるのか?と思うけど本当にある。
だからこの話をする。
今更株の初歩的な記述なんてネットで探せばいくらでも出てくるし、そんなもんよりおもしろ豆知識の方が株に興味を持てると思う。
株あんまり知らないけど転換社債型新株予約権付社債は知ってます、という異様な人間を作り出したいという思いもある。
転換社債型新株予約権付社債とは
転換社債型新株予約権付社債とは、CBと略される社債の一つだ。
名前が長いので今後はCBと呼ぶ。
転換社債型新株予約権付社債の方がなんかかっこいいし頭良さそうで好きだが、意味不明な固有名詞をたくさん書いても読みづらそうだから。
国が国債を発行するように、会社も社債を発行する。
企業が新しい事業を始めたいが軍資金がない!とかの場合は銀行だけでなく一般人からもお金を借りるのだ。
つまり企業がする借金の融資者になれるということだ。
そして、そのお金を借りたという証に会社が融資者に対して発行するのが社債である。
一般的には社債には利子がついて、貸すと数年後かに元本+利子の形でちょっと得して帰ってくる。
これが社債である。
ほら、絶対に損をしないし、必ずプラスになって帰ってくるでしょ?
これがCBだ!!!!!
と、言いたいところだがこれでは株でもなんでもないし、数%の利子分しか利益がない。
CBはそんな社債の一種であるが、通常の社債とは大きく異なる点がある。
それは、社債じゃなくて株として扱ってもいいよ!というルールが付属されているのである。
意味不明である。
正確に言うと、株として扱ってもいいというより、CBは社債とし扱ってもいいし、新しく株を発行する権利としてもいい。
より意味不明である。
ストックオプションのはなし
ここで話を分かりやすくするためにストックオプションを紹介する。
これは従業員が自身の会社の株を将来貰える手続きである。
ある従業員がストックオプションの権利を貰うと、将来好きなタイミングで自身の会社から株を貰うことができ、売ることができるのだ。
しかし考えてみると、これに意味があるのだろうか。
1年後にストックオプションを行使して株を貰っても、その時一株100円だったら、すぐに売っても100円でしか売れないから得しない気もする。
だが、ストックオプションはそうではないのだ。
ストックオプションは権利をもらった日付の株価で、将来発行してもらえるのだ。
例えば株価が1円の会社でストックオプションの権利をもらった場合、「うちの会社の株価が将来いくらになろうと、ストックオプションの権利を行使したら1円で株を発行しますよ」ということになる。
入社時株価1円の会社でストックオプションを受け取り、1年後に会社の株価が100円になっていれば、その時1円の株を発行してもらうことで、売ると100円の儲けがもらえるのだ。
そして、このストックオプションは別に使わなくてもいい。
一年後に会社の株価が0.1円になっていたら、使わなければ損をしないのだ。
ストックオプションは、損をしない金融商品と言える。
話は戻ってCBへ
さて、転換社債型新株予約権付社債という命名はまさにカツカレーうどんのようなものである。
カツカレーうどんという言葉は、カツカレーうどんの持つすべての要素が名前に入っている。
転換社債型新株予約権付社債もまた、その名前に全てが詰め込まれているのだ。
まず転換社債型であるが、これは「この社債はあるものに転換できます!」という意思表示である。
では、何に転換出来るのかというと新株予約権である。
新株予約権とは先ほど説明したストックオプションと同じで、現在の株価の株をいつでも売ってあげますよ、ということである。
そんな機能が付いた社債だから、転換社債型新株予約権付社債なのである。
つまりどゆこと
つまりCBとは、社債として使ってもヨシ!ストックオプションのように将来株価が上がったときに売ってもヨシ!な盤石な債権なのである!
それってどんなメリットがあるのかを具体的に話そう。
前提:会社の株価が1円のときにCBを買ったよ!
1.株価が下がった(0.1円になった)場合
→株式転換せずに社債として利子を貰うよ
2.株価がそのまま(1円のまま)の場合
→株式転換せずに社債として利子を貰うよ
3.株価が上がった(10円になった)場合
→株式転換して売却して利益を貰うよ
といったように、株価がどう動いても得をするのだ。
すごい!CB!転換社債型新株予約権付社債!
でもホントはデメリットもあるよ
こんだけ言っておいて、損をする場合もじつはある。
だから最初にほぼ勝てるという濁し方をした。
損をするのはどういうときか、それは会社が倒産した場合である。
会社が倒産してしまっては社債の返済もされないし、株式転換しても意味がない。
また、新たに株を発行するということは既に株を持っている人の所有比率が下がるということである。
100株を発行している会社の株を全て取得している人は、その会社の大株主であり、とっても偉い。
しかし、追加で900株発行します!と会社が宣言したらどうだろうか。
彼の持ち株は全体の10%となってしまい、「俺全然偉くないじゃんやーめた」と言って株を売ってしまうかもしれない。
新株発行とは既に株を持っている人の影響力を小さくしてしまうことから、あまりでかい額の新株を発行すると投資家は持っている株を売ってしまい、結果的に株価が下がる要因にもなる。
これがCBや!
というわけで株式初心者講座第一回は転換社債型新株予約権付社債だ。
株のことは何も知らなくていい。
CBという変わり種を一つ抱えておいてほしい。
現実社会でもCBを発行している企業はたくさんあるし、会社同士の取引でもCBの発行が条件だったりすることもある。
ニュースでCBについて語られることはないだろうが、もし語られた際には自慢げに話してほしい。
知識とは他人をマウントするための踏台なのである。
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