振ったくせに振られた気分でいるの、やめてよね?
あんな風に心を通わせて、想いあっていたのに、突然のあなたからの別れの言葉
唐突過ぎて、今何が起こっているのかも分からずに、現状をどうにかしなきゃと頭をフル回転させながらも、気持ちがついていかない…
あなたが少し前から離れようとしていたのか、それとも喧嘩の延長で衝動的に最後の言葉を発したのかも、今となっては知る由もない…
あなたが何を嫌がって、どんな気持ちを抱えて遠ざけたのかも分からない
失恋をすると、分からないことだらけで、もう考え過ぎて、何が分からないのかで悩んでいるのかさえも、分からなくなる
振る方の気持ち
本当はそんなの考えたって、分かるはずもないし、本人も別れ際、本当のことは言ってない だから、思い返しても隠された真実は永遠に闇の中に葬られる
本人が墓場まで持って行こうとするものを、こちらが掘り起こすことは出来ない
でも
そうまでして隠そうとする真実を、わたしが解明するとしたら
ひとつには、自分が傷つきたくないという気持ちがあるってこと
このまま続けて行けば、きっといつか愛想を尽かされて、相手から去って行かれる そうなる前に自分から別れを告げる
結果が見えているのだとしたら、先に言ったもん勝ちみたいに、したい 相手から言われるのは絶対に苦しい…癒えない傷を負う…そのことを分かっているから、攻撃は最大の防御と言わんばかりに先手を打った
ある意味、失恋の苦しみを知っている者の対処法を取ったのかも、しれない
ふたつ目は、どうしても続けて行けない現状、環境の変化があり、そのことを言えないから、別のことで喧嘩をふっかけて別れに持って行こうとした場合
出来れば続けて行きたかったけれど、現実がそれを許さない 無理にこの関係を維持すればあなたに迷惑が掛かる…それだけはどんなことをしてでも避けたい、あなたを守りたい…
自分の気持ちよりも、あなたの幸せを願う想いを優先した結果、こうする他なかった そんな想い…
最後は、悪者になる勇気
男は、基本、悪者になりたくない
だから、フェードアウトや音信不通で関係を曖昧に終わらせようとする
きちんと最後に相手と向き合って、別れの言葉を告げる男は、わたしは内容はどうであれ、誠実な人なんだと思う
相手に悪者認定されてでも、ケジメをつける男は、責任感があり、この関係性にも責任を取ったのだと言えると思うから
だって
人を傷つけることは、その人が負う傷よりも自分が負う傷の方が大きいでしょ?
それ、わかってるから、誰も人をわざわざ傷つけるようなことは、したくない
無意識なら仕方ないが、意識的に人を傷つけようなんて、良識のある人なら絶対に出来ないもの…
人は、誰でも、あの人はいい人だったと思われたい その幻想にも似た願望を捨て切れない限り、あなたの悪者にはなりたくない
それを押してでも悪者になったのだとしたら、それはきっとあなたの為だったんじゃないかな?
推し量れない振った側の気持ちがこうだったなら、きっとあなたに対する優しさであったり、幸せを願う心だったり、恋愛と向き合ってきた人間らしさだったり、するのかも
自分と一定期間でも一緒にいてくれて、尽くしてくれた相手を簡単に傷つけようなんて、思わない
大切に想うからこそ
その別れ方は、衝動的に見えて、彼なりに彼女なりに、計算尽くされた軌跡がある
でも、それは、見せない
あなたには…
あなたは知らなくていい
自分の本当の気持ちなんて…
嫌われたって、薄情だと思われたって
感謝も温情もない冷血人間だと
思われたって
あの時、わたしはあなたとこれからも一緒に、そばに、いることが辛かったから…
描く未来の違いに気付いた時から、別れへの序章は、始まっていた
限界が来た時に、手放した
これ以上一緒にいたら、傷付くのは自分なんだって、予想が、確信に変わったから
振ったけど、振られ気分
それが、振った側に課せられる、逃れられない、罪と罰
それを背負って生きているんだよ?