見出し画像

女の涙は武器にならない?!〜男の前では泣かない女




人が一生で流す涙の量は
65ℓと言われている


185万粒だそう…


65ℓは海外旅行に行くスーツケース
ひとつ分


時間にして、1万2000時間
約16ヶ月…



これが多いのか少ないのかリアリティーがなさ過ぎてピンとこないけれど


多分わたしはこのデータを上回る数字を叩き出してると自負する 特に恋愛で…


どれだけ泣いたかな…


一晩でティッシュ一箱空にしたこともあるしシャワーを浴びながら流した涙もあるし、友達と抱き合って泣いた日もあった


泣きたくないのに、感情的になり過ぎて
悔しくて、腹が立って流した涙もあれば


本当に悲しくて辛くて流した涙もあった


感動したり、嬉し泣きをしたこともある


でも、やっぱり涙は
涙というものは


哀しく辛く、寂しい時に堪えようともその意志に反して流れるものなんだと、思う



思いのままに泣けた幼い頃と違って、大人になると泣くということがいけないことなんだと、それは弱い人間の証しなんだと、泣くことを我慢しようとしてしまう


泣かずに彼と別れたよ!


それが美談になる


彼と別れて、後ろを向いた瞬間に
堪えてた涙が溢れ出したとしても…



わたしはいつの日にか男の前では泣かなくなった 厳密に言えば、泣かないように涙を堪えるようになった


不覚にも涙がちょちょ切れそうになったら、天を仰いで眼球が乾くのを待って、感情と一緒に散らす


なかなかの精神統一、修行僧のような忍耐を自身に課してまで男の前で泣かないのは


泣いてる自分を男に見られたくないから


涙を流すという行為は、感情を相手に知られたくない人間にとって語らずして落ちるもので、悲しみ、苦しみ、辛さ、悔しさ、怒りなどの負の感情を意図せず露わにしてしまう


今あなたの言葉や態度に傷ついています、という自分を隠したくて平気なフリをして受け流したいのに、涙一粒で、相手にそれを知られることの悔しさよ…


泣くなわたし!バカっ!わたし!


そうやって、自分に喝を入れて天を見上げて、こぼれ落ちそうになる涙を乾かす


男に泣いているところを見られたくないのには、悔しさもあるけれど


これもいつの時点か


女の涙は武器にはならないと知ったから


誰が言った?男の前で流す女の涙がウェポンになるって


多分、大学時代から4年間付き合ってた彼氏だったと思う わたしのふたつの大失恋のうちのひとつだ 4年も付き合っていたら親兄弟より喧嘩をするし、泣いて喚いてそれはもう数々の修羅場を潜り抜けてきた


そんな彼との喧嘩や話し合いの時に、わたしがおいおいと泣いているのにも関わらず、彼は平常心?無感情?そんな透けた感情を隠すこともなく、普通に話し続けた 時折、冷めた目でわたしを横目で見ながら…


何度かそんな機会に立ち会った時に
理解した 

彼は女が泣いている様子を見ても動揺もしなければ、慌てて駆け寄って肩を抱きしめて慰めることもしないその様子を、泣きながらわたしも横目で見て、この人にとって女の涙は心を震わすものにはならないんだって 


そう言えばそうか…まるで日常の風景を見るようにわたしを見ていた彼には、姉が二人いた 女兄弟がいる人にとっては、幼き頃からの見慣れた景色か、と、理解した


女が泣けば、たじたじあわあわしてよしよししてくれるなんて、漫画の世界、二次元の世界だけかいな、と


そのことを理解して、それからは男の前では泣かなくなったと言いたいところだけど、そこまで女として出来てもなく、強くもなく、その後の恋でも泣いたけどね?


その度に、涙の効力は男には通用してないんじゃないかって、思うようになった 勿論、打算で泣いているわけではない ただ、女の涙には価値があるという刷り込みが幻想だったと知ったときの落胆は確かにあった


男の前で泣いても、それが愛情や情や慈しみを生み出すものではないという事実


そもそもが、男の前で泣くのは悔しいという概念を持ち合わせいる上に、泣いてもなんの効果も得られないなら、泣かない方がいい


そんな結論に至ったからかな
わたしが男の前では泣かなくなったのは


本音を言えば、ひとりでひっそりと泣くよりも彼の前で泣いて泣いて、そんな弱いわたしを受け止めて貰いたかった


泣くなよ、じゃなくて
俺の前では我慢しなくていいから、思い切り泣けよと、言って欲しい


思い返せば数え切れない程にひとりで泣いた夜があった こんなに泣くと目が腫れて明日家族や友人、職場の人にわかってしまうんじゃないかって、もう泣くのをやめようと思うのに、長々と溢れ出す涙を止められなくって、開き直って自然に心と体を解放した夜


泣けば少しでもこの哀しみや苦しみが軽減されるのかって、全然そうではなくて、闇の中に自分が足元から堕ちていく実感がひしひしと伝わってきて、あぁ、わたしは弱い女なんだって、自分に烙印を押す


でもね?


涙の数だけ強くなれるんじゃない


流した涙の数だけいい人になれる、いい女になれるって、思ってる


誰かのことを想って泣くということは、それが出来るってことは、大切なことなんだよ


心があるってこと
愛があって、自分が人間らしい人間だということの実感でしかないから


好きな人の前で泣ければいい


好きな人の胸の中で泣ければいい


その前に、女を泣かさない男がいい


もしそれが叶わないとしたら


ひとりで泣いているのは
あなただけじゃない

わたしも泣いているから


遠く離れていても
一緒に泣こう…



いいなと思ったら応援しよう!