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宇宙世紀 地球連邦軍MSの型式番号について 第1回

全国のRXモビルスーツ・ファンの皆さんこんばんわ。
今回から地球連邦軍のモビルスーツ(以下MS)の命名規則について論考したいと思います。
‥といっても、航空機と比較するとミリタリー視点で書ける内容も少ないのでサクサクといきたいと思います。
今回は接頭記号の「R」について、資料に書かれた設定を検討してみます。


一応、構成要素からおさらいすると、
例1(いわゆる試作機)
 R    X   -   78   -2
(1)  (2)      (3)   (4)
例2(いわゆる量産機)
 R   GM   -   79   A
(1)   (2)       (3)   (4)

で、今回は両方の(1)についてということです。
ただし私が考えた説では無く、商業誌に記載された設定を抜き出し少々の解説を加えるスタイルとします。

1.「R」は「Robot(ロボット)」の略

古い本で出版社は廃業しているため該当部をそのまま引用します↓

「ガンダーX78
 MSガンダムの正式名称だった。いまいちなので、アニメックでは「RX-78」と命名。以後の正式名称となった。Rを連邦のRと解釈した無認可謎本があったが、ローマ字で連邦か?マッドなテム・例であるから、当然ながらRは「ロボット」である。」
(機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.2 大事典編, ラポート株式会社, 1998年9月20日)

 『アニメック』というのはラポート社が出版していたアニメ雑誌であり、RX-78という型式番号を考案した(故)小牧雅伸氏ご自身が言っている内容なので、現実における由来はこれが正解ということになります。
 この設定の強みはロボットという以上、現実の型式番号でも広く用いられている機体種別記号であり、尚且つMS的なものであればMSでなくても良いという点です。RTXナンバー(例:RTX-44, RTX-440, RTX-65)も、「ロボット戦車」と考えればなるほど、新兵器のカテゴライズとして十分に納得がいきます。※RTX-44には頭部に相当する部位があることはHGUC RX-75 ガンタンク解説書に明記されており、改造機であるRTX-440から想定しても、殆どガンタンクのような外観と機能を持っていたと想定できます
 一方、事後設定とはいえ、『機動戦士Ζガンダム』に登場した量産機のRMSナンバー(例:RMS-179 ジムⅡ)の登場により、機体種別記号が2つ重なるという珍妙な記号体系となってしまったという致命的な欠点があります。現実世界における『機動戦士Ζガンダム』以前においても、RMVナンバー(例:RMV-1, RMV-3M)の元祖、「RMV-1 ガンタンクⅡ」はMVがモビルビークルですから、ちょっと無理があります。『ジ・オリジン』なのでパラレルとして無視することも出来ますが「RCX-76 ガンキャノン最初期型」についても、Cはキャノンの略号でしょうから、少し違和感があります。(「ロボット自走砲」と考えれば意外とおかしくないですが、RTX-65が戦車でよりMS的なRCX-76が自走砲扱いというのも変ですね)

2.「R」は「Revolutlon(レボリューション:革命)」の略

同じく、出版社は廃業しているため該当部をそのまま引用します↓
「正式名称はRX78。 RはRevulutlorO Xは 試作の意味。78は制作時の宇宙歴だ。」(原文ママ)
(月刊OUT 1979年10月号, 株式会社みのり書房)

 おもいきり誤字ですが笑
レボリューションというのも革新的な機体群と捉えればまぁ何とか納得できなくもありません。MSが一般化した後においても慣例化したと考えれば何とか。何より連邦軍のネーミングセンスは「V作戦」とかですから、絶妙にありそう感が。
 一方、私の知る範囲では、実際の兵器の型式番号にこういう情緒的な意味の記号を付与する例というのは聞いたことがありません。もっとも私が古今東西の兵器の命名規則について熟知しているわけでもなく、ひょっとしたらそういうものもあるのでしょうか。

3.「R」は「Renpo(連邦)」の略

改めて読み返すと『機動戦士Ζガンダム』時代のムック本には「R」の意味が書かれたものは見当たらず、調べた範囲では以下が最も古いものでした。雑誌等、それより古いものもありそうですが現時点では一先ず引用。もっとも、『ガンダム・センチネル』は何度も重版が掛かっており、今後も未だ重版が掛かる可能性が十分にあるため控え目に引用します。
「■地球連邦軍の型式番号
  連邦軍はRが連邦軍製である事を示すのが基本となっている。」
(ガンダム・センチネル, 株式会社大日本絵画, 1989年)

基本的にはRは連邦の意味と捉えている人が多いものと思いますが、私もそうでした。しかしムック本としても未だにガンダム関係では最高峰に位置するセンチネルは何度も読み返した本なのでそれで刷り込まれただけなのかも。
 この設定の強みは何と言っても分かり易いことです。実際問題、一年戦争以降のMSで型式番号の接頭記号がRである機種は連邦軍所属だし、実際の兵器でもカナダ空軍機などは接頭記号にCを付与しており、回転翼機なら「CH-146」等、一年戦争後の量産型MSのRMSと実質同じ命名規則(所属国略号+機体種別記号)のものが現実に存在するというのは説得力の点で優位性があります。
 一方、なぜRなのか、本当に日本語のローマ字読みが語源なのか、という何とも居心地の悪い面もあります。また、手前勝手ながら地球連邦軍航空機の型式番号の1桁目、ないし2桁目の記号がFなのはFederation(連邦)の略号ではないか説との整合性という点で難があります。Fの方が語源が英語なのでそれっぽいというのが何とも。。

と今回は論考らしい論考もありませんでしたが、別の設定が見つかったらまた追記していきたいと思います。それでは。


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