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〈山陽・北陸乗車記2022年冬with青春18きっぷ+α(その41)〉

「近江塩津駅→山科駅:
   湖西線 普通列車(223系)」

この度もご覧いただきありがとうございます。
前回、ようやっと北陸の玄関口こと敦賀駅を後にして、北陸地方から脱出してきたのですが、今回は近畿地方へより近づくために近江塩津駅から、日本で一番高速走行に優れた鉄道路線の湖西線を完乗していきます。
それでは、続きをご覧くださいませ。

さてさて、まず湖西線とはなんぞや?、さっきまで乗ってきた北陸本線とはどう違うのやら?、との声が聞こえてきそうですが、湖西線と北陸本線と違いはいたって単純、琵琶湖の西側と東側、どちらかを走るか、ということになります。
湖西線は名前からも分かる通り、琵琶湖の西側を縦断しています。京都府の山科駅から滋賀県の近江塩津駅(滋賀県最北端の駅)を全線高架で結ぶ高規格路線です。全線高架の高規格路線故に、沿線には一箇所も踏切がありません。それゆえに京阪神地区と北陸地方の短絡路となっており、日夜、北陸路を突き進む特急サンダーバード号が猛スピードで湖西線を駆け抜けていきます。恐らくですが湖西線経由の681系特急サンダーバード号は、(新幹線を除く)電車でGOシリーズを通して、電GOプレイヤーに2番目に多く遊ばれたステージかもしれません。電GOプレイヤーに高速度で走る快楽を植え付けた悪名高い路線、それが湖西線です。ちなみに、電GOプレイヤーに一番多く遊ばれたステージは言わずもがな今は無き、北越急行ほくほく線経由の681系特急はくたか号だと思われます。だって、160km/h出せますもんね、あの路線。
話を戻します。一方で北陸本線は、琵琶湖の東側を走行しています。北陸本線については以前に説明したので、ここでは滋賀県地域(湖北)における北陸本線をさらっと説明します。北陸本線は滋賀県の米原を起点として長浜や敦賀(福井県)といった湖北地域を通り、福井県、石川県、富山県を経由しつつ新潟県に至る鉄道路線でした。過去形です。いまや北陸新幹線の建設により金沢駅から先の東側区間はJRの要らない子となり、三セク化されています。現在、北陸本線として残っているのは米原〜金沢間です。その北陸本線に於いて、近畿の通勤圏となっているのが北陸本線の湖北地域(琵琶湖の北岸)です。この区間は名古屋から北陸への最短経路でもあります。そのためこの区間では、関西圏への通勤・通学客向けの新快速列車や、東海圏から北陸への観光・通勤客向けの特急しらさぎ号がバンバン走行しています。北陸本線は日本の鉄道黎明期ごろに建設された鉄道路線です。そのため湖西線と比べると、高架化などといった高規格では建設されておらず、沿線の風景は宅地がポツポツとあり、とても長閑です。
余談ですが、湖北地域は湖西地域と比べて、古くから栄えた地域であります。そのため、長浜にはその当時から現存する古き良き建築物が多く立ち並び、近畿への通勤圏とはいえ、宅地開発が湖西地域ほど行われていない地域でもあります。古き良き長浜の街並み、訪れてみたいな。ああ、行きたいところが多くて困ります。死ぬまでに全て行けるだろうか。

長くなったので話を要約させていただきます。
湖西線は、比較的新しめの鉄道路線(幹線)であり、全線高架化されています。近江塩津駅を起点とし、山科駅を終点とする路線です。関西対北陸の最短経路なので、日夜、特急サンダーバード号が爆速で駆け抜けています。滋賀県湖西地域を縦断しています。
北陸本線は、鉄道黎明期に建設された古き良き重要な幹線です。米原駅を起点とし、近江塩津駅を経由しつつ金沢駅を終点とする路線です。東海対北陸の最短経路なので、日夜、特急しらさぎ号が軽やかに駆け抜けていきます。滋賀県湖北地域を縦断しています。

ざっとこんな感じで湖西線と北陸本線の違いを把握していただけたら、私としては幸いです。
前置きが長くなりましたが、さてと、北陸本線の近江塩津駅から東海道本線(JR琵琶湖線)の山科駅まで湖西線に乗っていきます。

近江塩津駅を通過する
特急サンダーバード号
近江塩津駅の地下通路を通り
北陸本線から湖西線に乗り換え
独特の雰囲気を醸し出す
近江塩津駅の地下乗り換え通路

近江塩津駅にて敦賀駅から乗ってきた521系普通列車長浜行きを下車し、湖西線に乗り換えます。その際に駅ホーム移動のために近江塩津駅の地下通路を通ったのですが、このなんとも言えない古めかしさがどこか懐かしさを感じさせてくれますね。私自身そんなに年老いていないのに、なぜ懐かしさを感じたのか、この時は謎のままでした。後に分かったのですが、鹿児島本線と長崎本線の分岐駅の鳥栖駅地下連絡通路がまさしくこのような感じであり、その似通った光景に懐かしさを感じていたのかもしれません。

近江塩津駅、
湖西線のプラットホームにて
ひとっ子が一人としていない
夜の近江塩津駅

湖西線のホームに上がってきました。無論、寒さのためかホーム上には誰もいません。いまから乗る列車、湖西線の近江塩津駅から山科駅方面に向かう最終列車だというのに。終電とは乗り遅れたら次の列車は次の日まで来ないという恐ろしさを兼ね備えつつ、これが本日最後の列車なのかという儚さも持ち合わせています。そんな儚さと、誰もホーム上にいないことの寂しさを私は感じつつ、湖西線の上り最終列車が来るのを待ちます。

やってきたのは223系
普通列車とはいえ、
湖西線内をかなりの速さで駆け抜けていく
近江塩津駅発の山科方面最終列車
ということもあり、車内には誰もおらず
近江塩津駅を高速で走り抜けていく
特急しらさぎ号
いざ乗車、列車の発車待ち

そしてやってきました、223系(湖西線経由)普通列車京都行きです。湖西線は山科駅の一駅隣の京都駅まで乗り入れています。

近江塩津駅停車時点での乗客は一両に一人いればいいほどで、これまで乗ってきた列車の中では最も乗客が少なかったです。
そんな、人と近江の清々しい空気を1対9の割合で載せた列車は駅到着から十数分ほどで近江塩津駅を発車しました。全長74.1Km、1時間20分弱の湖西線の高速走行旅が始まります。

永原駅にて
(私も映り込んでいる)
国鉄時代から続くカタカナ駅名の
マキノ駅

列車は近江塩津駅を出ると、近江今津駅までの間に永原、マキノ、近江中庄の3駅に停まって行きますが、この区間は湖西線の他の区間と比べると民家も少なく、駅間も長く、列車の本数も少ない18きっぱー泣かせな区間です。湖西線の山越え区間、秘境区間と言ってもいいのかもしれないでしょうか?
この秘境区間では滋賀県北部の山間部をトンネルと高架橋を多用して真っ直ぐに突っ切っているため、列車は新快速並みの速さで走行します。そのため、新快速までとはいかないものの、乗っているだけでなんともJRのローカル線の有料特急に乗ってるような心地になります。さすが湖西線、電GOプレイヤーを唸らせるだけの爽快な走りを見せてくれます。

それにしても、マキノ駅とはなんとも珍しいカタカナ駅名ですね。調べてみると国鉄時代から存在する駅で、全国に2駅しかなかった国鉄カタカナ駅のうちのひとつだとか(もう一つは北海道のニセコ駅)。

近江今津駅にて
近江今津駅の駅ホームに出てみると
比良颪(おろし)が吹き荒れていてとても寒い

近江今津駅に到着です。今津は湖西線北端のベッドタウンのような地域であり、ここで列車の系統が分断されているようです。そのため、山科方面からの列車だと今津止まりの列車もありますが、今回私は近江塩津方面からの列車に乗車中。ということで、ここ近江今津駅にて湖西線の秘境区間は終了となり、ここから先は列車の本数も増える区間となっています。列車の本数が増える区間に入るだけでなんだか、都会に入ったんだなぁと安心します。
湖西線は比良おろし(滋賀県西部の比良山地から吹き荒れる風)の影響をモロ受けやすいとのことですが、なぜこんな話をするかというと、ここ近江今津駅あたりからびゅーびゅー、びゅーびゅーと強風が吹き荒れており、車内にいるだけでも風の音が聞こえてきました。
おそらく比良おろしかもしれないです。そんな比良おろしを経験してみたく興味本位で近江今津駅のホームに顔を出してみました。顔を出すと、すぐさま顔面に強風が襲います。ぶぅあーーっと吹く、それはそれはとても強い冷風です。寒っ…。
すぐに車内に戻ることとしました。
比良おろし、恐るべし。

高架線とトンネルを爆速で
走行する湖西線

近江今津駅を出発すると、列車は近江舞子、比良、堅田、大津京と湖西線の主要駅にポツポツと止まっていきます。当列車は比良おろしに抗いながらも、22時を過ぎた暗い夜道を爆速で駆け抜けていきます。湖西線といえば、琵琶湖を一面に眺めることができ、湖西線のレイクビューは日本全国の数ある鉄道路線の車窓の中でも有数の美しさを誇りますが、夜ともなると全くと言ってもいいほど見えません。ぐぅ、残念。湖西線にご乗車の際は、朝か昼に乗ることをお勧めします。
僕も次乗る時は、朝か昼に乗ろっかな〜。
とはいえ、琵琶湖、この目で見てみたかったので後日に訪れてより近くから眺めることとしました。

湖西線の起点、山科駅に到着

そんなこんなで堅田駅あたりから車窓にビル群が増え始めて、あ、もう近畿圏かと実感しているうちに、列車は湖西線の起点、山科駅に到着です。
三ノ宮駅から始まった北陸本線、湖西線の旅もこの日は山科駅にて終わりです。長かった〜。
山科駅にて降りることとしました。
乗ってきた列車はこのまま隣の京都駅まで向かうため、私が下車して数分で発車していきました。バイバイ、湖西線の223系、湖西線での快適な走りを楽しませていただきました。

今回の投稿はここまでです。
次回以降は湖西線の車窓から拝むことができなかった琵琶湖を見にいきます。
どうぞ、次回以降もご覧くださいませ。
ここまでご覧いただきありがとうございました。

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