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〈山陽・北陸乗車記2022年冬with青春18きっぷ+α(その50)〉

「三原駅→広島駅:
   山陽本線 普通列車(227系)」

みなさん、今回もご覧いただきありがとうございます。
前回、運行管理システムのダウンによるダイヤクラッシュ中の岡山地区を無事に脱出し、広島県は三原駅まで生還したところで話を終えましたが、今回からはここ三原駅から列車を乗り継いで広島地区を脱出していきます。
どうぞ、今回も最後までご覧くださいませ。
ちなみに後々得た情報によると、岡山地区で発生した運行管理システムダウンの原因は、老朽化したシステムの機器更新の際に社員がケーブルの配線を間違えてしまったとのことです。
神のイタズラとでも言うべきか…。
そんなことはともかく、定刻通り三原駅に着いたところから今回の話は始まります。

昼過ぎの三原駅にて。
岡山地区を通過する予定の
貨物列車のダイヤ乱れが
一目でわかる三原駅の発車表

遠く北陸の地、金沢からはるばる三原まで戻ってきました。北陸の大地を踏みしめてきた身としては、三原ですら近場に感じます。とはいえ今回の旅の起点および終点の地、博多から三原までもなかなかの距離があります。博多からだと、韓国は釜山までの距離の方が、三原よりは近かったりして…。
ともかく、そんな距離バグを起こしつつ、当日中に九州に戻るために足早に三原の地を去ることとします。
さてさて、乗り込む列車は三原駅を15時43分に出発する普通列車五日市行きです。
相生から乗ってきた今回の旅のMVPこと115系を降りて対岸のホームに移り、次の列車を待つこととします。そんななか、三原駅のホームの発車標を眺めてみると、自分がこれから乗車予定の列車(普通列車・五日市行き)の下の段に、通過の文字があります。三原駅を通過する在来線(山陽本線)の通過列車なのでおそらく貨物列車のことでしょう。山陽本線は貨物列車の街道であり、山陽本線を経由して山口・九州方面に向かう貨物列車は数多くあります。
発車標の案内によると、今回乗車する予定の普通列車の次の列車は、三原駅を通過する貨物列車のようですが、通過時刻のところを見てみると…なんと13時50分との表示がなされています。
本当だったらすでに通過しているはずの貨物列車が、まだ三原駅を通過できてないということです。この貨物列車も例の事象により、岡山地区で120分ほど抑止されていたのかもしれませんね。広い目で見れば、たかが列車の運休・遅延といえど、見えざるところで経済的損失が発生している、のかもしれませんね。

やってきたのは227系、
広島地区の顔
三原駅から、いざ乗車

そんなことをつべこべ言っているうちに、五日市行きの普通列車がやってきました。
広島地区のエース、227系"Red Wing"です。数日ぶりの再会でなんだか心の底から嬉しくなります。同じ顔のやつは北陸(521系)でも近畿(225系)でも乗ったはずなのですが…、やはり乗り慣れた広島地区のこいつとなると訳が違います。それでは乗っていきます。
岡山地区の列車は、山陽新幹線の需要に応えるためか車両基地のある糸崎駅を越えて山陽新幹線の止まる三原駅までやってきます。一方、広島地区の列車はそれとは別の理由で、車両基地基地のある糸崎駅まで列車を送るためか、三原駅を越えて糸崎駅までやってきます。
このことを踏まえて、今から乗り込む列車は、先ほど乗っていた列車にて通過した糸崎駅を始発とする広島地区の列車となっています。そのため、車内には糸崎駅から乗り込んだ乗客がちらほら伺えます。とはいえ座席が満席だということはなく、僕も無事に快適なクロスシートに腰掛けることができました。やったね。

三原〜広島間は見るからに
狭い山間部を縫っていく
旅の締めにふさわしい広島の晴れ空

列車は三原駅を静かに出発していきました。
三原から先、岩国方面にむかう山陽本線の普通列車は、神戸から並走する国道2号とは八本松駅までしばしのお別れをし、広島空港の北側、広島県道33号と並走しながら、沼田川沿いを走っていきます。この辺りは山間部故に車窓に狭さを感じる区間であり、海沿いを走る山陽本線としては珍しい山岳地帯となっています。そのため、いま乗車中の列車が本当に山陽本線の列車なのか、山際に敷かれた別路線の列車に乗っているのでは?と錯覚を起こします。
広島エリアの山陽本線は両端(岩国〜広島/三原〜福山)が海に沿って敷かれており、中心部(広島〜三原)が山奥の渓谷に沿って敷かれているような感じです。ずっと車窓から海を見続けるのも飽きやすくなるので内陸部この区間(広島〜三原)の車窓は、山陽本線乗り潰しの際の気分転換にはもってこいかもしれませんね。とはいえ、よくぞこんな渓谷沿いに線路を敷いたものだなと、山陽本線を建設した先人たちには頭が下がります。
ちなみに、この中心部の区間は山陽新幹線だと沼田川よりも南側を通る国道2号沿いに線路が敷設されています。そのため、山陽本線の広島〜三原間にある東広島市の中心駅の「白市駅」は、同じく東広島市内の新幹線単独駅「東広島駅」よりも遠く離れた北側に位置しています。『「白市駅」と「東広島駅」』の距離関係は、九州新幹線で例えると『「新大牟田駅」と「大牟田駅」』、『「玉名駅」と「新玉名駅」』と言ったところでしょうか。ただ九州新幹線の場合は、鹿児島本線よりも内陸部を走行するため、新幹線単独駅が山陽新幹線と異なり内陸部に位置しています。
新幹線単独駅は乗り換えの難しさが宿命となりやすいですが、ここ東広島市においても、山陽本線沿線の東広島市民が在来線(山陽本線)から新幹線(山陽新幹線)に乗り換える際は、少し苦労されるかもしれませんね。
そんな山陽本線の白市駅と山陽新幹線の東広島駅がとても遠いことを思い浮かべながら、乗車中の当列車に右へ左へ揺られ、私は西へ進みます。まだ見ぬ先を求めて、というよりは来た道を戻るために「ディスカバーウエスト」しに行っているわけです、なんつって。
…失礼しました。

ただ、ディスカバーウエストしに行っているとはいえ、この際は旅の復路というわけで、ここから先の旅の思い出は、いかに睡魔と共存できるかと言ったところでしょう。ここから先の車窓の様子は往路時に紹介したつもりなので、今回は省かせていただきます。というよりは、大きな声では言えないのですが、列車が東広島市内に入った瞬間に227系の座席の座り心地の良さと睡魔に負けてしまい、東広島市と広島市の間にある峠区間(俗にいう「セノハチ」)を超えたあたりまで…そういうことです。詳しくは以前の投稿をご覧くださいませ。
そんなこんなで僕が睡魔に負けている間に、列車は深い山奥をカーブを多用しながら切り抜け東広島市内に到達し、先述した東広島市の中心駅である白市駅を過ぎ去り、東広島市の西側の玄関口である八本松駅を華麗に発車し、国道2号と合流して、鉄道ファンからは「セノハチ」と呼ばれ愛される普通鉄道としては急勾配の峠区間を瀬野川沿いに超え、広島市内は安芸区の安芸中野駅のあたりを、音もあまり立てず優雅に走り抜けていたようです。
もちろん僕が寝ている間のことなので、上記は想像の上での話なのですが。
そして、列車が海田市駅を発車する頃、僕はどうも睡魔に勝てたようで、パキッと目が覚めました。…ここは、どこだ?

あたりを見渡すと車窓には「MAZDA(マツダ)」と「ようこそ、ときめく広島へ」の文字が…。一瞬、実はもう広島駅まで到達して、列車が折り返してまた東の方へ戻っているのか、寝過ごし乗車をしているのかと心配にはなりましたが、どうやらこの列車はまだ広島駅には着いていないようです。よかった。
そんな、広島のシンボルとも言える、マツダzoomzoomスタジアムを過ぎ去るとまもなく列車は広島駅に到着します。

誇らしく五日市の文字を掲げる、
三原から乗って来た普通列車
普通列車五日市行き
広島駅にて下車
このまま乗り続けても良かったが、
岩国までは行かないようなので、
広島で降りることとした

広島駅に到着しました。
金沢駅から、やっとここまで戻って来たとほんの少しですが感極まりました。
やっと広島着いたぞー、…長かった。
博多から金沢まで在来線のみで行くと、距離バグに陥った状態になるので、博多から広島までの距離なんて本当に散歩感覚に思えて来ます。
とはいえ、どこかで聞き覚えのあるフレーズかもしれませんが、「まだまだ広島」です。
今回の旅の終着点、博多駅までは散歩感覚とはいえ、まだまだ300キロ近く離れています。高速バスだと5時間ほど、普通列車のみだと山口地区でのバカ停もあわせて5〜6時間ほどかかる距離に、まだいるわけです。
がんばれ自分、がんばれこれから乗る普通列車たち。
乗って来た列車はこの先の五日市駅まで進むようですが、次に乗る岩国方面行きの列車も広島駅を通るため、一旦ここ広島駅で下車することとします。
ここから先の区間は日も落ち、闇夜も深まってくるため、この時以上に己の睡魔との戦いとなりますが、ここから先の区間も睡魔に負けずに乗車していくこととしますか…。
(後日談ですが、ここから先の区間でも結局はほぼほぼ負けてしまいました、残念。)

今回の投稿はここまでです。
次回は、三原駅にて購入した三原名物の銘菓を紹介します、お楽しみに。
今回もここまで見ていただき、誠にありがとうございます。

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