見出し画像

〈山陽・北陸乗車記2022年冬with青春18きっぷ+α(その39)〉

「羽二重加賀れんこん餅&山科長者」

この度もご覧いただきありがとうございます。
前回、金沢から福井まで521系に揺られて移動してきたのですが、今回はその道中で食べた金沢の銘菓を紹介させていただきます。
今回もどうぞ最後までご覧くださいませ。

今回紹介するのはこちら、「羽二重加賀れんこん餅」と「山科長者」です。金沢駅にて購入し、車内にて美味しくいただいた金沢銘菓たちです。

「古都」金沢といえば、金鍔(きんつば)などの和菓子をはじめとした菓子文化で栄える都市です。そのため、金沢駅にはこれでもかというほどの和菓子専門店がずらりと立ち並んでいます。金沢駅にあるお土産屋さんの5〜6割が和菓子屋さん、と聞けばその和菓子文化の凄さも身に染みてわかると思われます。
そんな和菓子文化が発展している金沢に来ておいて、金沢の和菓子を食べないわけには行きません。それにしても、和菓子屋さんが多すぎて何を買えばいいのやら…
そんななか、「羽二重加賀れんこん餅」と「山科長者」を見つけました。
列車内でもパクッと食べれそうなお菓子に見えたので購入しました。
本当は金沢駅のライトアップされた鼓門を眺めつつ、駅の外で食べたかったのですが、前回まで続けてご覧くださっている方々ならご存知の通り、外は雪まみれです。
菓子それぞれが持つ甘さも降雪による寒さで分かりにくくなるかもしれない、そんな理由でなくなく外で食べることを諦めました。

上記以外にも金沢土産を他に購入し、列車の時刻も迫ってきていたため、ホームに駆け上がり…ここから先は前回と同じです。
そして、金沢駅を離れ、しばらく列車に揺られているところから場面は再開します。
列車の座席に座り、雪のみが白く光る闇夜の車窓を眺めつつ、福井駅はまだかな〜、辺り一面雪まみれだなぁ〜、などと思っていたところ、お腹がぐぅ〜っと叫びそうな気配がしました。よく考えてみれば、まだ夜ご飯は食べていません。金沢駅の白山そばで白えびのかき揚げそばを食べてからは、なにも口にしていません。そうか、もうそんな時間か、とは思ったものの、車内にはまだ乗客がちらほらと乗車していました。そんななか、金沢駅で購入したお土産を見てみると、お、誰にも気にせずに食べれる良いものがあるじゃないですか〜と上記のお菓子達を見つけました。
では、いざ実食といたしましょう。

籠に入っている
羽二重加賀れんこん餅
加賀れんこんが餅の中に
練り込まれているが、
野菜そのものの味は抑えめ

まずは「羽二重加賀れんこん餅」からいただくこととします。このお菓子、まずパッケージを開けてびっくりしたのですが、籠の中に蓮根入りの一口台の羽二重餅が5個ほど入っています。てっきり裸のまま梱包されているのかと思っていたため、籠には驚かされました。なんと金沢らしい和菓子なことでしょうか。そして味の方はというと、舌触りは良く、噛みごたえがあり、加賀れんこんの風味もほんのりする、ほんの少し甘い羽二重餅といったところでした。
とても美味しくいただきました。
ただの和菓子では何か物足りないと思い、金沢の名産品の「加賀れんこん」を使用した和菓子ということで、物珍しさに購入してみたのですが、これを買って正解だった口に入れた瞬間に思いました。
なんてったってれんこんの風味が、和菓子そのものの味を邪魔していない、というよりも和菓子の味とうまくマッチしている、そんな和菓子でした。
この和菓子についてすこし気になったので、調べてみたところ、かつてANA(全日空)の国際線ファーストクラスのお菓子にも選ばれたことがあるのだとか。
確かに、ファーストクラスのお菓子として出されたら、見た目、味、食べやすさの全ての点において満点だと思います。上手い具合に、日本の和をこのお菓子は表現していますもんね。
なんだか、このお菓子を食べている最中は、ANAのファーストクラスの乗客の気分になりました。
また金沢に再訪した際に買おっかな〜、なんてことも思いました。

山科長者…?
中はスイートポテト
芋本来の甘みが際立った一品

そして、「羽二重加賀れんこん餅」の次に食べたのが、こちら「山科長者」です。
このお菓子、和菓子ではなくて洋菓子なのですが、金沢駅のお菓子屋さんの中でも人気商品らしいので購入してみることとしました。
では実食。
パッケージの中身は、すこし香ばしいスイートポテトで口の中に入れると、中でぽろっぽろっと崩れていきます。従来のスイートポテトと比べると甘さが控えめでありつつも、さつまいもが本来有する甘みと深み、風味が口全体に伝わってきます。紅茶と一緒に食べればなお良さげな茶菓子のひとつだなぁ、とこちらも美味しくいただきました。
こちらについても色々と調べてみたのですが、なんとこの商品を調べることで、「金沢」の由来も知ることとなりました。
この「山科長者」は、石川県に古くから伝わる昔話「いもほり藤五郎」が由来となっています。
ざっと簡単にストーリーを説明します。
むかしむかし、(現在の石川県の)山科という山奥に藤五郎と呼ばれる百姓がいました。その藤五郎はある日、沢辺で芋を洗っていたところ沢から金(砂金)が出てきてびっくり。吉野(奈良県)から嫁いできたお嫁さんと一緒にその砂金で幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
という感じのお話です。このお話からも分かる通り、金沢の由来はこの昔話にあります。
金が出てくる沢で金沢、そういうことです。
そんな昔話を元に、このお菓子は生まれました。
ちなみにですが、この(金沢市の)山科という地には現在ではこのお菓子(「山科長者」)を開発した「ふらん・どーる」という洋菓子屋さんの本店があります。偶然なのか、はたまた一致なのか。

そんなこんなで「山科長者」も数口でパクリといただきました。とても美味しかったです。

ファーストクラスのお菓子にもなった「羽二重加賀れんこん餅」も、金沢の由来となった昔話を元とした「山科長者」もどちらもとても美味しいものであり、良き旅のお供として僕の胃袋の中に入っていきましたとさ、めでたしめでたし。

お菓子を食べ終わった頃にもなると、列車は芦原温泉駅を発車し、数十分もしないうちに福井駅に到着しました。ここから先は前回と同じです。

今回の投稿はここまでです。
次回は、福井駅から敦賀駅まで移動した際の様子をお伝えいたします。
どうぞ、次回も楽しみにご覧くださいませ。

いいなと思ったら応援しよう!