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小湊鉄道で行く!テクテク歩きの旅・1日目〜高滝湖編〜

小湊鉄道とは千葉県の上総に走るローカル線のことで。よくドラマの撮影などにも利用されているそう。
最近はダイヤ改正で減線してしまっているとのことですが、車窓から眺める里山の長閑な景色も素敵ですし。
高滝から徒歩でグランピングリゾートにも行ける!もう少し行けば養老渓谷へも足を運べるちょっとしたハイキングにもってこいな移動手段なのです。

今回は1日目に高滝湖(高滝ダム)、2日目に笠森観音へ足を運びました。

なぜかクリスマス仕様

電車でトコトコ揺られて高滝駅へ!
無人駅みたいです。
ここからダムを中心に高滝湖を周回していきます!!

高滝神社

まずは神社にお参りをしよう!とと房総ふれあいの道の看板の横から神社へ向かって歩きます。

三峯神社、よく見ると狐さんがいっぱいいらっしゃいます!

途中にあった小さな神社。
道から逸れたところにあるため近くには寄れず。石碑の文字が読めない。
ここから先に行ったところから高滝神社の参道に入れますが、そこからだとお手水がある方でなく側面から参拝することになってしまいます。
ご注意ください(私は間違えてここから入ってしまった…)。

旅行先で書いたハガキっぽく

旅の運試しにおみくじを引いたら結構良いお言葉をいただき。
るんるんで階段を降りたら途中で転んでしまいました…。
かすり傷で済んだのでご加護があったのかもしれない、みなさん。足元には十分気をつけてください…。
ということを次の日足場の悪い箇所をたっぷり歩くのでご教授くださったのかもしれませんね。

ここから少し神社の由緒について。
高滝神社は子授け、縁結びで有名な神社。社殿は享保12年(1727年)末社は文化9年(1812年)に再建、市原市の文化財に指定されています。

高滝神社は江戸神社に賀茂神社、加茂大明神と呼ばれ。
その周辺が賀茂村と呼ばれていたとのこと。
高滝神社から眺める高滝湖の景色はとても素晴らしかったですが。
つい最近まではどかな農村の風景が広がっていたのですね。
そう思うと少し切ない気分になります。

境内の様子
ご神木の由来

境内の中は涼しい風が吹いていて気持ちがいいです。
山の上に建造されており、自然豊か。

境内の様子2

故杉田守康元千葉県義の像が建立されています。

御祭神

小湊鉄道のサイトによると主神は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)。
玉依姫と引雷命は後程合祀されたとありますが。
元々は玉依姫を祀っていたような記事が見つかるなど少し混乱しています。

『平成「祭」データ』によると主祭神は玉依姫になっているようですが…。


私の地元にも「元々いた神に出雲系の神の名前を宛てたのだろう」と言われている神社がありますが。
当社もそんな歴史が隠されているのかも…、とちょっとワクワクしてしまう。

ちなみに私だけかもしれませんが。
高滝神社の玉依姫は神武天皇のお母様の方でなくて、神武天皇の妻で初代皇后の媛蹈鞴五十鈴媛(ヒメタタライスズヒメ)のお母様である玉櫛媛「タマクシヒメ」の方でした。
目の前に湖畔があったので勘違いです;

立ち入れないようになっている高滝神社の森

境内裏手の鬱蒼とした森は郷土環境保全地域とされているそう。
奥の院があるみたいでマップに表示されますが、立ち入ることはできません。
境内から森の様子や鳥たちの鳴き声を聞いて、その姿を偲びましょう。

高滝ダム記念館

一度来た道を戻って高滝ダム記念館に向かいます。
そばにコンビニがあるので、お水とか足りなくなりそうなら立ち寄っておきましょう。

記念館の向かい側にいい感じのお寺がありました。
素朴な雰囲気が良いですね、鐘はつけなくなっています。

長泉寺

さて、高滝ダムです。
今でも養老川の方で何やら作業をしていました。
結構高さがあってちょっと怖い。

養老川とダムの境目

謎の黒い鳥が見えましたがこの辺に多い種類の鳥なのかしら。
途中の田園でも見かけました。
ちなみにトンビも結構間近で拝めましたよ。食べ歩きの際など注意が必要かもしれません。

それでは高滝ダム記念館に入ってみましょう。入場無料です。

沈む100戸の村

高滝神社の方でも触れましたが、高滝湖があった場所は昔人が住む村でした。

記念館には高滝ダムの歴史のほか、当時の生活を思わせる農具の展示や。過去の水害被害の様子なども見ることができます。
ダムは人々を水害や旱魃から守るため建設されました。

しかし、養老川は豊かな恵みも与えてくれます。

地域の人々は自然の脅威に常にさらされながら、古代より続いた営みを今でも途絶えさせることなく。続けています。
記念館には遺跡から発掘された土器も展示されています。
高滝ダムによって失われたものも多いでしょうが、このダムが養老川周辺の里山や、田園をずっと守り続けてくれたらいいなと思いました。

高滝ダムカレー!

高滝ダム記念館2階にあるレストランでいただく高滝ダムカレー。
油断しているとそのボリュームに圧倒されます!
ヒレカツももちもちで美味しいですがカワサギも絶品!!カレーと合う!!
お野菜も新鮮で甘味があります。水が美味しいと野菜も美味しいのですね。

高滝ダム周辺を散策

カレーを待っている間に地図アプリで周辺を見てみたところ、割と近くに大きな地蔵菩薩坐像が鎮座しているとのことなので行ってみました。

木造地蔵坐像が納められている建物

三角屋根の小さな建物に収められています。
覗き込むように様子を伺う形です。
ガラス越しなので写真に収められませんでしたが、高滝駅にお写真があったので参考までに。

高滝の仏像

ちなみにこの後触れますが、光厳寺の仏像は全然見れる状態じゃなかったです。なぜ?
仏像を拝んだ後は記念館横の橋から渡り、桜並木沿いに歩いていきます。
このまま湖畔沿いに市原湖畔美術館へ向かうつもりです。

桜並木を散策

春にはここ一面桜が美しいのでしょうね。
どうやら3月には千葉県の県花である菜の花も咲き乱れるのだとか!

三嶋神社

途中にあった小さな神社です。
石碑に詳しく書いてありますが、簡単に説明すると。
「この宮は北先部落の産土神として古来より崇拝されていたが、高滝ダム建設に伴い改築する必要があり。ここに新宮を造営するに至った。」
ようなことが書いてあります。

ダムによって人だけでなく神様もお引越しを余儀なくされたのですね。

左手遠方に高滝湖の鳥居が見えます

ここは沢又橋から眺めた風景です。
渡り切った後、右の道に行くと行き止まりになるので注意が必要。

橋を渡ったら一度道路の方に出ます

ただ行き止まりの方へ行くと小学校をリノベーションした高滝湖グランピングリゾートの様子が伺えます。
私の今夜の宿です。初ソログランピングなのです。

すでにお米は収穫終わっているとのことでしたが、まだ残っている田んぼがありました。黄金色をしていて綺麗です。
この先に光厳寺がありますが。仏像も彫刻も扉が閉まっているので見れず、窓もバッテンテープ(台風対策かしら?)が貼ってあって全然見れません。
いつか拝見できるようなればいいですねえ。

ところで、湖を歩いていると海の匂い、いわゆる潮の香りがします。
不思議に思って帰宅した後調べてみたのですが、魚やプランクトンの死骸から発生する成分が原因なのだそう。

お日様の香りといい。世の中には知らない方がいいことがいっぱいあるのかもしれませんが。
死してなお芳しい香りを放つ生物がいるというのも乙だなという気分にもまりました。

反対側に釣り堀らしき場所がある、鳥居までもうすぐ

しばらく田園風景が続きます。
この辺から釣り人が多くみられます。人気の釣りスポットなのですね。

そうしているうちに高滝湖の鳥居まで到着で〜す!
途中日差しが強くなりとても疲れました!コンビニで水追加で買っておけばよかった!!

高滝湖の鳥居、橋の向こうに高滝神社があります

高滝湖の鳥居周辺はボートの貸し出しもあり、やはり釣り人で賑わっています。
隣には市原湖畔美術館のモニュメントもよく見える、なかなかの映えスポットです。

この鳥居からすぐ隣に位置しているのが。
市原市湖畔美術館です。

企画展『レイクサイドスペシフィック!』のため謎のおじさんの文字が

館内に入る前から数々のオブジェがお迎えしてくれます。
常設展のみ写真撮影不可。
ここには深沢幸雄氏の「チンタラ一世」というメゾチント作品を制作するための自動人形があります。
稼働している姿は見れませんでしたが、ロボットの先駆けのようなその姿はとても可愛らしいです。
深沢氏の銅版画は繊細で美しく、どこかノスタルジックな雰囲気がありました。

ほか、恒久作品がこちらになります。

ピンクで囲ってある文字がアーティスト名です

作品数は少ないですが、湖畔沿いに自然を満喫した後。高滝の自然を再構成したような作品を拝見すると、不思議な感覚に襲われます。

企画展「レイクサイドスペシフィック!」ではちょっとした仕掛けがあり、館内に秘匿された展示室を見つけると。「ひみつの庭」という特別な作品を訪ねることができます。
その展示の元になった風景が、かつて多摩川の河川敷にあったことを知り、多摩川の方が身近な私は旅行先と日常の思いがけないつながりに戸惑いつつ面白く感じたのでした。

例えば日本庭園が山奥の自然を模して美しい芸術としていったように。
この、かつて村があった湖畔のほとりに都会にあった「ひみつの庭」が再現され。我々鑑賞者が美しいと思う。
その過程でもたらされるものは郷愁であったり、日常の営みの中で見落としがちなものであったり、自分の中の偏見であったりするのですが。
そういった”自分”取り巻く世界が一新されるような不思議な体験をさせていただきました。

どうやら「レイクサイドスペシフィック!」では市原湖畔美術館の成り立ちについても学べたようなのですが、私はそのスペースが見つけられませんでした。
歩き疲れていたからかしら…。
市原湖畔美術館は、かつて「市原市水と彫刻の丘」という文化施設だった場所をリニューアルし、今の形になったそうです。

現代アートを楽しめる美術館として、また高滝の今と昔を繋ぐ架け橋として。今後も市原湖畔美術館は地域に根ざした展示を行ってくださるよう。
是非、また足を運びたいものです。

高滝湖グランピングリゾート

本当はもう少し湖を回るつもりでしたが。
すでに疲れがピークに!雨も降りそうだったので今夜の宿に向かうことにします。

旧高滝小学校をリノベーションしたグランピング施設です。
グランピングで一人で泊まれる場所は少ないため、今回旅行先を高滝に決めたのもソログランピングを楽しみたい!というのが第一の理由でした。

体育館も現役で活躍しています。

写真を撮り忘れてしまいましたが、夕飯はバーベーキューハウスでソロバーベキューを楽しみました。
お風呂(別料金)を予約してしまい。時間がとてもカツカツになってしまったのが反省点です;
夜になるとキャンプファイアーや映画上映が始まります。
一人でのんびりしてもいいし、家族や友達できてももちろん楽しい施設。
ただソロで行くとちょっと割高ですが、その価値はありましたね。

夕陽に輝く高滝湖

写真ではわかりにくいですがピンク色の素敵な夕焼けでした。
この後ちょっとゴロゴロと雷が鳴り、30分ほど雨に降られましたが。その音を聞きながら昔「雷が多い年は稲がよく育つため、雷を稲妻と呼ぶ」というお話を思い出し。
高滝神社に祀られている引雷命について考えさせられました。
高滝神社におわす神は、湖がかつて村だった頃。きっと稲の豊作や、安産祈願など。村の人々の生活に寄り添った祀られ方をされていたのでしょう。
今、湖ができて。高滝は人々を水害から守る場所になりました。
その湖を見守るように建つ高滝神社に、他所から来た私はつい、養老川周辺に住む人々を台風や気候変動の影響から守って欲しいと願わずにはいられません。

古代から続く人々の願いを胸に2日目に備えて眠ろうと思います。
ちなみにドームテントですが、私が泊まったテントが藪近くだったのもあるのか、割と虫さんが入り込んでいました。
気になる人はちゃんと虫除けとかした方がいいです。テントの中にも備え付けてありますが。
このくらいで気になってるようじゃ本当のテント泊なんて夢のまた夢だろうなあ…。


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