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はじめての出張編集部体験記

上の画像で見切れているのは心細かったのでついてきてもらったミスラぬい(まほやく)です。

なぜ出張編集部へ行くことを決めたのか

簡単に言えば「次の課題」が見えなくなってきたからです。
いや、私の描くものは課題だらけだ。ということはわかっています。
でもその中でも特に解決したいのが。
”読みにくさ”です。
自覚があるくらい私の漫画は読みにくい…。
それくらいなら友達とかに読んでもらって解決していけばいいのかもしれませんが、いかんせん私は自分の漫画を読んでくれるような友達なんぞいません。
たまに読んでもらえてもこう、ふわっとした感想しかもらえない。まあ当たり前ですよね。
と、いうわけで「具体的に次の目標を決める」ために出張編集部へ赴く決意をしたのです。

気軽に参加したらそこは戦場でした

さて、出張編集部の雰囲気ですけれど…。
なんかお祭りっぽいのを想像していたんですが、結構、ガチ!でした。
エントリーシートに記入し椅子に腰掛け順番待ちをしている最中。
「とりあえず仕上げた的な作品を持ってくるところではなかったかもしれない!」と軽く後悔。
せめてきちんとファイリングして持っていくべきでしたね…。
数日で書き上げたコンビニプリントしたての作品でしたが。編集者の方はきちんと意見を下さり。とてもありがたかったです。
編集者はお仕事できていらっしゃいます。
本当にそのことに来場するまで気がついていなかったため、実際に伺って猛省した次第です。
恥ずかしい…。

今回は2社に原稿を見ていただきました。
具体的にお名前を挙げると何か問題になるかもなので一応伏せておきます。
見ていただいたのは『鴨川シーワールドへ行った』4Pの漫画(過去の記事にあります)と。
12Pの小品。
2社に見ていただき、それぞれひと作品ずつ意見をいただきました。
では、実際に見ていただいた原稿と。
簡単に直した原稿を見比べてみましょう。

読みやすさ、伝わりやすさの向上を目指したいという要望に対しての意見と修正例。

まず私の漫画ですが。
「とにかく汚い。漫画家はサービス業なので、まず綺麗な絵を描く努力をしてください。飲食店と同じで画面が綺麗か汚いかで新規のお客さんの入りやすさが段違いになります」
と言われた通り。あんまり綺麗じゃないです。雑です。
しかしそれはすぐには直せないのでちょっとずつやっていくとして。とりあえずすぐ取り組める問題点から修正してみました。


修正前
修正後


「友達拒否してたクラスメイトが実は推していた歌い手だった」という漫画なんですが。
TAOは何者なのか、主人公にとってTAOはどんな存在なのか。
1P目に入っていないのは不親切、ということでまず冒頭の情報量を増やしました。
また、この作品では「ぬい」がキーアイテムになっているので。一番初めのコマにぬいを入れています。
何度もモチーフが繰り返されることは印象付けになり、伝えたいことを伝えやすくしてくれるのだそう。
できれば構図も同じだといいらしいです。

修正前
修正後:ぬいがいなくなっています

カバンからいなくなった「ぬい」は確かに描かれていますが。
コマも小さく、読者は見落としがち。
こういう時は何か「強調」させる効果を与えるといいとのこと。

修正前
修正後

修正前の「あの子達」とは誰のことなのか分かりにくいです。
主人公はとある出来ことのせいで、あんなに好きだったTAOのファンでいられなくなってしまいました。
そのことを表現するためには、画面に「ファンの人たち」に相応するものを描いた方が分かりやすいです。
そして「被害者」という言葉は印象的ですが具体的にどういった立場なのか不明瞭です。
より理解しやすい言葉に直しました。
しかし私は結構「てにをは」ができていないことが多くその辺も課題ですねえ。

あえて直さなかったところ

「最後の”天才”も唐突すぎる、主人公が実は歌い手に憧れていた。というエピソードを入れた方がいいのではないか?」
という意見をいただきましたが。私はこの最後の画面で「天才」や「ずるい」いう言葉に含まれる理不尽さと暴力性を表現したかったので、唐突だと思われるのはむしろ意図したところが表現できていると考え、そのままにしました。
主人公は安易に「天才」という特別な言葉を使ってTAOに全ての責任をなすりつけているわけなんですよ。

他、ネームの基本ができていないので。本や動画を探して勉強するようにと厳しいお声を頂く。
ノドやタチキリに対しての理解がない、知識としては知っているけれど実際にはできていない。
この辺は一回見開き原稿にしてプリントしてみるなどして改善を目指していく所存です。
読みやすさを目指すならまず、そこでしょうね。頑張りましょう。

最後に

はじめての出張編集部。めちゃくちゃ収穫がありました!
プロの方に原稿を見てもらえる機会がコミティア開催時期だけとはいえ、自由に与えられるなんて信じられない。
本当に良い時代になったものです。

しかし、私本当にこんな真剣に原稿見てもらえると思っておらず。
「この原稿持っていくの恥ずかしい」とか並んでいる間は考えていたのに。
実際に自分の番が来た時、明らかに「お客様」対応されたことにカチンと来てしまい。
割とキレ気味に意見を求めていってしまいまして、はい。
その節は大変失礼いたしました…。
次回は、もっと読み手のことを考えて準備して行きます……。

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