おじいちゃんの見送り方
93歳のおじいちゃんとのお別れ
小学生から一緒に住んでいたおじいちゃん
昔から耳が遠くて、無口なおじいちゃん
私が看護師として働き出した頃には認知症になっていた
途中からは私を孫と認識しなくなった 少しショックだったけど
職場で認知症の人も見慣れていたしまあ平気だった
認知症になってからも、変わらずごはんをよく食べるおじいちゃん
寝て食べて寝てを繰り返す日々
デイサービスで痙攣(けいれん)を起こして緊急入院
入院先でごはんを食べれなくなったと(家族からのまた聞きで詳細不明)
家族に私以外で医療関係者はいないが誰も延命は望まず
末梢点滴のみで、中心静脈栄養や胃瘻は希望しなかった
私が面会に行った時には目もあけず四肢を抑制されてミトンもされていた
怒りっぽいとこがあったとは思うが、入ってるのが末梢点滴だけで
なぜこんなに抑制をされなきゃいけないのかわからなかった
おばあちゃんは、「お世話になってるんだから余計なこと言わないで」と
看護師に声をかけようとする私を制止した
数日でおじいちゃんは亡くなった
93歳のおじいちゃん、末梢点滴以上の処置を希望していたら
もっと長生きできていたかもしれない
しかし末梢点滴でさえ、あの抑制方法を取られていたことを思うと
ただただ苦しい時間が続いていただろう
看護師だから延命をした先にある状況が想像できるが
医療関係者じゃないと難しいだろう
全国民に死生観を学ぶ機会、医療現場の見学などをしてほしい
理解した上で選択できるように
抑制についても病院によって、抑制方法も人員も異なり
抑制へのハードルが大きく違うことを実感した
誰も悪いことして収容されたわけじゃないのに
人生の最期があまりにも穏やかに送れない現状に苦しみを感じる
大切な人に生きてほしいと願うのは当然だけど
どう生きるかをしっかりと見て判断していきたい
コロナが落ち着いて面会制限が解除されつつあるので
ぜひ置かれてる環境をみて家族で話し合いをしてほしい。