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【原神】パネースと4つの光る影 <編集済み>

 この記事には原神及び崩壊3rdのネタバレが含まれます!!!

はじめに 

原初のあの方、或いはパネース。

原初のあの方は天地の創造を始めた。

原初のあの方は、自ら光る影を作った。その影の数は四つであった。

『日月前事』より

 原神では、テイワットの創造主パネースと4つの光る影の存在が示唆されています。この記事では、それぞれが誰なのかについて私の考えを綴っていきます。フォンテーヌの魔神任務が終わったということで、新たな情報も含めて考えてありますのでよろしくお願いします。かなり長いものとなっていますが、目次をつけたので気になるところだけでも見ていってくださるとうれしいです。




まとめ

 始めに、私の考えのまとめを記します。

 生の花:生命の執政(仮) 先代水神エゲリア 水
 死の羽:滅亡の執政(仮) 花の女主人・花神 雷
 時の砂:時間の執政    イスタロト    氷
 空の杯:空間の執政(仮) 天理の調停者   炎
 理の冠:原初のあの方   パネース     光?
 
 「なにいってんだこいつ?」と思われるのは重々承知しています。なのでそれぞれ詳しく見ていきますが、その前に聖遺物について少し触れておきます。


聖遺物とは

 原神プレイヤーにはおなじみ、聖遺物です。プレイヤーの一部は目当ての聖遺物を入手すべく日夜秘境をめぐり、樹脂を聖遺物掘りに充てているわけですがいったんそれは置いておき、原義の「聖遺物」とはなんなのかをまとめます。
 聖遺物とは、ざっくり言うとキリスト教におけるキリストや聖人の遺骸・遺品のことをいいます。たとえるならアインシュタインの脳や、三種の神器などでしょうか。聖遺物はその由緒から祭儀に用いられ、盛んに崇拝の対象となりました。
 原神においてもこのような設定が見られます。これらの聖遺物、実はアクセサリーのように身に着けて効果を発揮しているのではなく、祈りを捧げることでその加護を受けているようです。聖遺物画面でキャラクターが手を合わせているのは聖遺物に祈りを捧げているからなんだとか。祈れば会心爆上げ

 となると、花・羽・砂・杯・冠の5つは現実の聖遺物と同じく、それぞれ誰かの遺品・遺物である可能性が浮上してきます。そこで提唱されたのが「パネースと4つの光る影は5つの聖遺物に対応しているのではないか」という説です。「まとめ」で述べたあの文字列はその総括になります。
 ではひとつずつ詳しく見ていきます。


各聖遺物と対応する神

生の花:先代水神エゲリア ※追記あり

 生の花に対応するのは先代水神エゲリアです。長らく生の花に対応するのはスメールの花神ではないかと言われてきましたが、フォンテーヌのストーリーやもろもろの活躍を見る限り、彼女が命を司る神とみて間違いないと思います。
 エゲリアに関して、次のような文言があります。

天空の島の使者であり、聖霊を創造する使命を背負った統率者は、原初の海に別の心臓を創り出した。龍の如き気高さがありながら見た目は龍にあらず、神の如き威厳を纏いながら神聖な使命を持たない。君主の手で創られたが、素材と性質はこの世界に由来し、外来する要素は一つもない。

彼女は胎海に滴る涙の一滴である。交流と理解を追求し、それ故に涙を流す。まさにその慈悲の心のせいで、純水の生命が軽々しく口にはできないような原罪を犯す。

『慈水怒濤の翼』のテキスト

 原始胎海に創られた新たな心臓である彼女は原罪を犯した。つまり、この話は胎海の力を無断使用して命を創造したエゲリアに関するものであり、このテキストによれば彼女ははじめ天に創られたものだったわけです。
 のちに彼女は神の心を授かり、水神としてテイワットを治めるようになったと言われています。

こうして胎海の心臓、慈悲なる工ゲリアは原初のかの人物のピースを授かり、魔神の格および遅れて与えられた神聖な使命を抱くことになる。

 ちなみに、英語のテキストでは「統率者」に関する部分が"she created another heart."とあり、エゲリアを創った者は女性であることが示唆されています。パネースは男女が意図的に明かされていないため、エゲリアを創った「統率者」はパネースではない、つまりエゲリアは光る影の一角ではなく、それよりも下位の存在だとする説もあります。

 ですが、私はエゲリアが光る影であると考えています。
 先ほどの慈水怒濤の翼のテキストには、「エゲリアを創ったのは『天空の島の使者であり、聖霊を創造する使命を背負った統率者』である」との記述があり、パネースではない何者かによって作られたという感じの書き方がされています。しかし、直後に「君主の手によって作られた」ともあり、パネース直々に創造したととれる文章が書かれています。これこそがエゲリアの正体をぼかしている元凶なのですが、矛盾を解くカギは上記の太字「聖霊」という表現にあります。 

 「聖霊」とは、キリスト教において父なる神・神の子たるイエスと共に三位一体を形成する要素の一つです(※)。これを「精霊」と書くのは誤字であり、原神内においても「聖霊」という表記がなされるのはこのテキストただ一度のみです(他は全て「精霊」表記)。
 これはおそらく、「精霊」が元素精霊と仙霊を表し、「聖霊」はさらに高次の何か別物を表していると考えられます。逆に言えば、エゲリアは「聖霊」であり、ウェンティはじめとする元素精霊とは異なる存在だと考えられます。

 それ以外にも、原始胎海の力を奪ったり、甘露活水とかいう名前の対アビス謎パワー水を生成したり、眷属である純水精霊が元素生命であるのに知性を持ち会話ができたりと、いろいろ怪しい部分が散見されます。他の魔神が造幣、天候操作や知恵の凝集、飲酒といった力を行使する中ひとりだけ「生命」に干渉しており、明らかに常識の範囲を逸脱した高次の力を行使しています。それらも彼女がパネースに創られた特別な存在だったからこそ、成しえたことなのでしょう。

<2024/07/01追記>

外来の僭主が自ら「生命の神」を任命して生態系を正したこと、僭主が「彼女」を作り出し、この星本来の生命力を抑制したこと

ヌヴィレット プロフィール フォンテーヌの童謡

 ヌヴィレットのプロフィール部分を見落としていました。この記述は、パネースがエゲリアを「生命の神」として創造したことを裏付けるものになります。

天空の島の使者であり、聖霊を創造する使命を背負った統率者は、原初の海に別の心臓を創り出した。龍の如き気高さがありながら見た目は龍にあらず、神の如き威厳を纏いながら神聖な使命を持たない。君主の手で創られたが、素材と性質はこの世界に由来し、外来する要素は一つもない。

 翼のテキストと合わせて考えると、エゲリアはパネースの手によって創られた最初の聖霊であり、生命の神ということになります。
 よって、エゲリアが光る影であり、かつ生命の神であることは確定的と言って良いでしょう。ただし、素材と性質はこの世界に由来しているため、降臨者ではない=世界樹による歴史改変の影響を受けるということになります。

 ちなみに、エゲリアはビジュアルが一切公開されていません。 
 理由は後述しますがそれもエゲリア光る影説を補強するものになります。

 では英語版テキストの"she created another heart."は? 
 私が思うに、女性である残りの3つの影の誰かがエゲリアを創ったか、あるいはパネースそのものが中性的な見た目の女性なのでしょう。

 誤訳でない限り、パネースは女性であると見ていいと思います。そして、その見た目は四つの光る影と顔が同じなのだと思います。



 エゲリアが四つの影の一角であること、「生命」を司ることの理由は以上となります。当たり前ですが、元水神なので対応する元素は水です。


死の羽:花神

 死の羽に対応するのは花の女主人、花神ナブ・マリカッタです。彼女に関して次のようなテキストがあります。

そして、プシュパの女主人が言った――
「翼を持つ者、地上の万国を支配する君王を讃えよ。私は初めに創られた精霊、輝く虚像、創造主の目から流れる光の揺らぎである。

『プシュパの歌』本文

 プシュパとはサンスクリット語で花を意味するため、この文章は花神の発言がもとになっています。「輝く虚像」「光の揺らぎ」は「光る影」を換言したものと取れるので、花神は光る影の一柱と見てよいでしょう。

 花神は名前やパティサラの逸話から花属性=生の花と考えがちですが、武器突破素材「オアシスガーデンの真諦」には次のようなことが書かれています。

花が咲く目的は輝かしい死であり、花の主は端から死と結末を求めているのだと言われている——死は失った喜びに苦い味を加え、果てしない記憶をより鮮烈に残した。

 花神が死を司る神だとすると、パティサラの逸話の真意も見えてきます。

 パティサラは赤紫色の花を咲かせる植物です。花神のもとで赤紫色のパティサラが咲き誇ったが、彼女の死とともに絶滅してしまったという伝承があります。

ニィロウの夢に出てくる伝説のパティサラ

 現在のパティサラは草神が花神の死を悼んで創ったもので、紫色の花弁を持ちます。マハールッカデヴァータ(クラクサナリデビ)は花弁の色を再現できなかったようです。

ニィロウの突破素材

 色以外は両者ともよく似ており、それぞれ現実のイヌサフランとサフランをデザインモチーフにしていると考えられています。この二つも、パティサラと同じく結構見た目が似ている植物です。

 ……が、実はこの二つ、サフランは香辛料としてよく使われますが、イヌサフランの方は種子や球根にアルカロイド系の猛毒を含んでおり、誤って食べると死に至ることもある危険な植物です。花言葉が「私の最良の日々は過ぎ去った」と「危険な美しさ」であり花神を彷彿とさせることから、開発も意図していると見て間違いないでしょう。わざわざ毒のある方をモチーフにしたものを花神に当てはめたということは、つまりはそういうことなのだと思います。

 対応する元素は雷です。明確な根拠はないですが、彼女について語られている聖遺物「楽園の絶花」には稲妻の紫水晶が多く使用されているほか、そのテキスト内にて草神はエメラルドの冠を、花神はアメジストの冠を被ったとされているため、突破素材と合わせて考えることで彼女が雷元素使いであることを暗示していると取れます。


時の砂:イスタロト

 時の砂に対応する神は時間の執政イスタロトです。彼女に関して次のような記述があります。

人々の祈祷によって築かれた歌も、原初のあの方と三つの光る影には届かない。

『日月前事』【暗黒の元年】本文

唯一、我々を見捨てなかったのは、「時間の執政」だった。彼女は時であり、終わりのない瞬間であり、千の風と日月の秤であった。
(中略)秘密に包まれた真名を口にすることはできない。だからここで、一回だけ、あえて逆に書こう——「トロタスイ」。

『日月前事』【暗黒の三年目】本文

 テイワットの外へと落ちた国をパネースと3つの影は助けませんでしたが、「時間の執政」だけは彼らを見捨てませんでした。明確に書かれているためイスタロト——逆から読むとトロタスイ——は光る影の一つで確定です。

 彼女を時の砂に当てはめた理由も説明の必要はないでしょう。そっくりそのまま、時を司る神です。別名がカイロスであり、現実でいうクロノスであることからも分かるかと思います。

 対応する元素は氷です。考察界隈を除いたことがある方で「あれ?」と思った方がいるかもしれません。
 というのも、イスタロトの別名は「千の風」「不滅風」であり、風属性のとしての側面が強く押し出されているからです。普通に考えて、イスタロトは風元素の神のはずです。なら、なぜ私はイスタロトに氷を当てはめたのか?

 それは聖遺物「〇祭りの人」のテキストが理由です。

話しによると、
昔のある時代に、地上の人たちは空からの啓示が聞こえた。
神の使者が未開の人間の間を歩いて、永凍は解け、火が燃え始めた。

「火祭りの人」テキスト

神の使者が未開の人間の間を歩いて、古き火は消され、雨が降り始めた。

「水祭りの人」テキスト

神の使者が未開の人間の間を歩いて、河と海は枯れて、雷が降り始めた。

「雷祭りの人」テキスト

神の使者が未開の人間の間を歩いて、万物の気配は弱まり、大地が凍り始めた。

「氷祭りの人」テキスト

 この4つの聖遺物テキストではテイワットの循環や地脈について触れられており個人的に重要な資料だと思っています。
 曰く、空からの啓示が聞こえた太古の昔に神の使者が地上を歩き、名前に即した自然現象が起きたそうです。私はこの神の使者が4つの光る影であり、それぞれ交代で地上を歩いて元素力をもたらしたのではないかと考えています。
 これに当てはめると、イスタロトは消去法で氷元素使いとなるのです。

 一応、匂わせ程度ではありますが根拠っぽいものがあります。
 イスタロトは淵下宮の神として祀られていますが、昔のモンドにも時の神信仰があったことが祭礼シリーズのテキストや世界任務「時と風」で語られています。
 同じくモンドには氷と風を操る魔神アンドリアスがいました。その彼に関して、興味深い説明があります。

奔狼領を見守る崇高な魂。
群狼が脅威に晒された時に、彼は狼の姿で現れ、自らの蒼牙と鋭爪を示す。伝説によると、彼の力は太古の魔神から引き継いだらしい。

冒険の証より

 実はアンドリアスの力は彼自身のものではなく、とある魔神から与えられたもののようです。 
 アンドリアスの全盛期は旧モンドの守護神デカラビアンと戦ったおよそ3000年前なので、少なくともそれ以前には力を得ていたことになります。とすると、当時モンドにいたイスタロトがアンドリアスに氷と風の力を授けたのではないか、という仮説が立ちます。
 仮に事実だとしたらなぜイスタロトはアンドリアスに力を渡したのか、そもそもモンドで祀られていた時の神がはたしてイスタロト本人なのか、疑問は尽きませんが時系列と場所は合致しているので一考の余地ありという感じです。


空の杯:天理の調停者

 空の杯に対応する神は天理の調停者です。先に言っておくと、天理の調停者に関する情報が少ないためかなり無理やりな考察となっています。

 まず、これまで「生」「死」「時」を司る神の紹介をしてきました。生と死は対立する概念であるのと同様に、時間と対立する概念は空間です。ポケモン知ってる方はディアルガとパルキアで考えると分かりやすいかと思います。
 そして原神……というか崩壊シリーズにおいて空間とは重要な意味を持つ概念であり、別作品『崩壊3rd』には空間を自在に操るキャラクターが存在します。それが空の律者です。

空の律者

 割と有名な話なので知っている方も多いと思いますが、そうです。天理の調停者によく似ていますね。加えて両者とも釘宮理恵さんが演じていらっしゃいます。本国の方でも演者の方は同じだそうです。

 つまり、

 「時」の砂⇔「空」の杯=空間=空の律者⇒天理の調停者じゃね?

 ということです。根拠としてガバガバすぎますが、彼女を空の杯担当と考えるといろいろとしっくりくる点があります。


 旅人のキャラクター詳細に以下のことが書かれています。

調停者は死に瀕し、創造主は未だ訪れぬ。
だが、世界は二度と燃えぬ。あなたが「神」の座に就くから。

 ここから推測するに、天理の調停者は既に瀕死で創造主パネースはどこかへ行ったきり戻ってこないというのが今のテイワットのようです。ここでは両者は別人であると示唆されています。言い換えれば、天理の調停者はパネース本人ではないということになります。

 また、フォンテーヌ最高審判官であるヌヴィレットのプロフィールにはこうあります。

復讐の大戦において重傷を負い、僭主は機能を損傷し自らの絶対的権威によって、この世界本来の秩序を抑圧する力を失った。憤りや憎しみを良しとしない世界を鎮圧し征服するため、僭主はもう一人の後継者と共に「神の心」を作り出した。

ヌヴィレット プロフィール「神の目」

 現テイワットの創造主がパネースであることは事実ですが、それより前は龍王たちが世界を支配していたことがナヒーダの伝説任務2や『日月前事』で語られています。
 つまり、この文章における「僭主」は遥か昔に龍王を倒してテイワットを支配したパネースのことを指していると考えられます。よって、パネースには後継者がいたことが分かります。

 まとめると、
・テイワットを創ったのはパネース(最古の天理?)
・パネースには後継者がいた
・パネースは現在行方不明
・現在「天理」を名乗る人物は調停者のみ
となります。これらを繋ぎ合わせると「大戦で重傷を負ったパネースは後継者である調停者に天理の座を引き継がせたのではないか」という仮説が浮かびます。


  加えて、ヌヴィレットは天理に対してたびたび敵意を見せています。

高き者を、私は蔑む。

ヌヴィレット 元素爆発・3

私の運命は高天に座す僭位の王を裁くことになる。

ヌヴィレット 突破した感想・結

 彼は水の龍王であるため、かつての龍王と敵対していた天(パネース)に反骨心があるのは一見当然のように思えます。ですが、パネースと天理の調停者は別人であると先ほど示したので、仮に天理の調停者がパネースが別勢力だった場合、ヌヴィレットの天理への敵愾心はただの逆恨みということになってしまいます。ここでは「天理の調停者と、龍王と敵対していたパネースは同一勢力だから」、と考える方が辻褄が合います。

 パネースと同一勢力であり、かつ現在の天理である調停者は4つの光る影の一角であると考えられます。

 対応する元素は炎です。理由としては、先ほど挙げた旅人プロフィールに

調停者は死に瀕し、創造主は未だ訪れぬ。だが、世界は二度と燃えぬ。

とあり、世界は一度燃えたということが示唆されています。これ以外にも双子PVで大地が燃える様子があり、画像の端に移っている赤黒い立方体は天理の調停者が双子を封印した箱にそっくりです。

 これらは全て天理の調停者が引き起こしたものではないでしょうか。

 ……あと、崩壊3rd側の天理の調停者(キアナ)には炎を操る形態(薪炎の律者)があります。直接の根拠にはなりえないでしょうが、開発は意識しているのかなーと思ってみたり……


理の冠:パネース 

 理の冠に対応するのはパネースです。原初のテイワット世界に降臨し、世界の理を定めた彼(彼女)に相応しいのはやはり”理”の名を冠する遺物でしょう。

原初のあの方、或いはパネース。
翼を生やし、王冠を被り、卵から生まれ、雄と雌の判別がしがたい。

『日月前事』【パネース、或いは原初のあの方】

 『日月前事』にも冠を被っていたことが記されています。翼あるから死の羽もありえるじゃんとか言ってはいけない

 対応する元素は一応光としていますが……正直分かりません。スタレ同様に虚数や量子の可能性も全然ありえます。あるいは7元素全てとか。


<2024/07/01追記>各神と元素の関連について

 この記事を書いた時点では元素というくくりでそれぞれを定義していました。ですが、現時点でパネース・天理の調停者・イスタロトはすべての元素力を行使することが可能ではないかなと考えています。この三柱はテイワットという枷を既に振り切っており、世界に縛られていません。そのため、あくまでもテイワットの法則である「元素」に縛られることなく、力を行使できるのではないかなと考えました。


まとめ(再掲)

 ここまで読んでくださった物好きな方、お疲れ様でした。最後まで読んでくださりありがとうございます。これまで挙げてきた5つの神の中で唯一二つ名のある「時間の執政」をもとに、私が考えたかっちょいい名前を付けたまとめがこちらになります。

 生の花:生命の執政(仮) 先代水神エゲリア 水
 死の羽:滅亡の執政(仮) 花の女主人・花神 雷
 時の砂:時間の執政    イスタロト    氷
 空の杯:空間の執政(仮) 天理の調停者   炎
 理の冠:原初のあの方   パネース     光

 最初のまとめの部分ですね。本文を読んでもらった今なら最初より分かりやすくなっているかと思います。
 ここまででおよそ7000字とめちゃくちゃ長くなってしまったので、補足説明とかは特にありませんが、4つの影に関して私が考えている雑記を余談の項でまとめたいと思います。

 では最後にもう一度、 

 読んでくださってありがとうございました!


余談:4つの光る影と月の三姉妹

 余談……というか半分自分用のメモになります。本文で語るには推測が多すぎるためです。

 璃月のお話にこんなものがあります。

「昔々、夜空には三つの月がかけていた。三姉妹だった月たちは、岩神より長い寿命と、璃月港より古い誕生日を持っていた。」

「月たちは詩と歌の娘であり、月夜の君王であった。彼女たちは銀色の車で巡行し、一旬回ると次の姉妹に王位を譲った。大災禍がくるまで、三姉妹はこうして統治を続けた。」

「大災禍は君王の車も、晨星の宮殿も全部壊した。三姉妹は死別してしまい、残された枯れた屍は、冷たい光を放ちた……」(原文ママ)

『竹林月夜』第3巻

 また、聖遺物「楽園の絶花」にはこんなストーリーがあります。

「それはかつての、平和だった遥か昔の時代。多くの使者は凡人と交流し、天空からの言葉を伝えていた…」

「けれどその後、侵入者は天空の外から来て、数えきれないほど多くを破壊した。川も海もひっくり返って、疫病が横行して…」

「外から来た者たちは私の血族に戦争をもたらし、大地の枷をも破る妄想をもたらした…」

「天の主は妄想と突破を恐れ、大地を補う天の釘を落とし、凡人の国を滅ぼした…」

「私たちもそれぞれ追放という災いを身に受け、天空との連絡は途絶え、教化する力を失ってしまった…」

聖遺物「楽園の絶花」紫晶の花冠

 これを語っているのは花神ナブ・マリカッタです。

 また、『日月前事』には次のような記録があります。

【葬火の年】
天上から第二の王座が訪れ、創造の始まりを彷彿させる大戦が起ころうとしていた。あの日、空が落ち、大地が割れた。我ら海淵の民の先祖と、彼らが代々住んできた土地は、ここに落ちた。

 これ全部同じこと言ってね?というのがこの余談の趣旨になります。

 ポイントとしてはいずれも旧文明時代、つまり魔神戦争が起こる前の話であることです。天地を破壊するほどの災厄がそう何度も起こってはたまりませんので、これらはすべて同じ出来事を指しているのではないでしょうか。

 大戦と言えば、本文中でも触れました。

復讐の大戦において重傷を負い、僭主は機能を損傷し自らの絶対的権威によって、この世界本来の秩序を抑圧する力を失った。

 ヌヴィレットのストーリーの項にある文章です。龍王である彼のストーリーにこれがあるということは、よほどひねくれた見方をしない限りこれは龍王ニーベルンゲンが天空に反逆した戦いのことを指していると考えられます。

 そしてニーベルンゲンは闇の外海で得た「禁忌の知識」を用いて天理に抗ったことが、ナヒーダの伝説任務内で草龍アペプから語られます。

「外から来た者たちは私の血族に戦争をもたらし、大地の枷をも破る妄想をもたらした…」

聖遺物「楽園の絶花」紫晶の花

 アレーオカシイナーオンナジヨウナコトガカイテアルナー(棒)

 つまり、

 龍王敗れる
 ↓
 パネースがテイワットを創る(旧文明時代)
 ↓
 龍王ニーベルンゲンがテイワット外で禁忌の知識を得る
 ↓
 ニーベルンゲン、天理に反逆
 ↓
 天地が割れる
 ↓
 花神は大地に落ち、海淵の民は淵下宮に落ちる
 ↓
 パネース、龍王に勝利するも重傷を負う

 という流れではないでしょうか。

 そして、この争いこそ「月の大災禍」であり「外から来た者たちがもたらした戦争」であり「第二王座の降臨」なのではないでしょうか。だとすると、月の大災禍で亡くなった三姉妹は4つの光る影のことになります。

 ……分かります、言いたいことは。数が足りていません。

 ですが、私は月の三姉妹がパネースの影であると確信しています。

 これまで「光る影」について長々と解説してきましたが、実は一度も「光る影」そのものについては解説していません。なのでまず「光る影」について整理します。

 中国語原文では「光的影子」という書き方になっています。私は中国語を学んではいませんが、ざっくり「光の影」的な意味としてとらえられます。Google先生が言うんだから間違いない この「影子」、単純に「影法師」という意味だけではなく、どうやら「水や鏡などに映る像」といった意味合いを含むようです。
 ここから推測するに、光る影の4人はパネースを模した、分身とも言える姿をしていたのではないでしょうか。

 また、現在4人のうち姿が判明しているのは天理の調停者のみですが、彼女は本文でも触れた通り容姿が空の律者に似ています。ただし、「律者」は原神でいう「七神」や「降臨者」に近い概念的な存在であり、彼女個人としての名前は「キアナ」です。

 「キアナ」はハワイ語で「月の女神」を意味します。

 月の女神を意味するキアナと天理の調停者は容姿が似ている。なおかつ、天理の調停者と他の三人は容姿が似ているかもしれない。
 原神世界の月の女神は本当は4人なのではないでしょうか?
 そう仮定すると、「光る影」という言葉も月を表しているような気がしてきます(日本語には「月影」という月光を意味する言葉があります)。

 補足:miHoYoという企業は昔から「月」を大切にしているそうです

 

 エゲリアの項目でも軽く触れましたが、エゲリア・花神・イスタロトは容姿が判明していません。特にエゲリアに関しては、似たようなポジションであるマハールッカデヴァータがムービーで登場した一方で、彼女は一切ビジュアルが明かされていません。

マハールッカデヴァータスキンで実装してほしい

 その理由は「天理の調停者に容姿が酷似しており、公開するとプレイヤーがテイワットの真実に近づいてしまうから」と考えられ”なくもない”です。

 ちなみに、その3名以外に天理の調停者と容姿が似ているキャラがいますが、そのキャラについてはまた別の記事で書こうと思っています。


 話が逸れましたが、「光る影たちが月の三姉妹である」という私の考えは分かってもらえたかと思います。じゃあもう一人はどこへ消えたのか?

 これこそが私の大きな仮説であり最大の疑問点でもあります。それは

 「時間の執政イスタロトは歴史から消されている」

 です。実は、天理の調停者・エゲリア・花神とイスタロトには大きな違いが存在します。それは「テイワット内に存在している/していたことが明言されているかどうか」です。

 エゲリアは先代水神として、花神は花神誕祭に名前が残っており、天理の調停者は現在「天理」として名を挙げられています。一方のイスタロトはモンドに時の神がいたと伝わってはいるものの、イスタロト、もしくはカイロスの名が一切出てきません。雷電将軍の伝説任務2にてイスタロトに関する発言があるものの、「イスタロト」という名前は呼ばれていません。

「より高度イスタロトな力」

 その名前が出てくるのはテイワットの外にある淵下宮の記録のみで、しかもわざわざ名前が反転して書かれています。

秘密に包まれた真名を口にすることはできない。だからここで、一回だけ、あえて逆に書こう——「トロタスイ」。

『日月前事』【暗黒の三年目】本文

 また、イスタロト時代ののちに淵下宮を統治した魔神オロバシは、この書物を読んだことで天理から死刑宣告を受けています。理由は不明ですが、恐らく『日月前事』の内容は天理にとって都合の悪いことなのでしょう。
 そしてその推測を後押しするかのように、モンドで時の神が忘れ去られた後、イスタロトは歴史に一切出てこなくなります。

 この一連の流れに世界樹が関与しているかは定かではありません。が、4人の中で唯一今も所在が不明であり、雷電伝説でも触れられた以上、今後のストーリーに絡んでくることは容易に想像できます。

 足跡PVから、旅人は七国を巡った後にカーンルイアを訪れるのでは?ということが前から言われてきました。もしかすると、その橋を架けるのはイスタロトなのかもしれません。そして彼女の姿が判明した暁に、全ての謎が明かされるのでしょう。

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