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【原神】旅人がテイワットを訪れるのは二回目?

※ネタバレ注意!!



はじめに


それはすでに失われた記憶。仙霊の先祖と外来の旅人が出会い、月の宮殿の三姉妹を証人として永遠の誓いを立てた。

絶雲紀聞 第4巻 山霊

 絶雲紀聞に記された外来の旅人。これは我々旅人の存在のことではないのでしょうか。

 私たちは、仙霊の先祖や月の三姉妹なる存在に会ったことがありません。おまけに、この逸話の内容は魔神任務よりも古いとされていますので、500年前のカーンルイアに降臨したというメインストーリーの描写と矛盾します。

 したがって、このお話の旅人はプレイヤーのことを指しているわけでないと考えられます。


 では、仮に旅人がかつてテイワットを訪れており、一度離れたのち再びカーンルイアに降臨していたのだとしたら?

 一見かなりぶっ飛んだアイデアのように見えますが、よく詰めて考えるとそうありえない話ではないのかなと思い、今回記事にしました。


ウェンティ

ファ…よく寝た。あっ、こんにちは、旅人さん、ボクたちまた会ったね。ん?覚えてない?エヘヘ、それじゃあボクをまた君の旅に加えておくれ。君の実績は世界最高の吟遊詩人であるボクが歌うにもってこいなんだよ~

ウェンティ 初めまして…

 リリースからずっと話題にされている風神のこのセリフ。少なくともこの文章から、

①ウェンティと旅人はかつて会ったことがある
②旅人はかつてウェンティと共に旅をしていた
③旅人の実績は世界最高の吟遊詩人が歌うにたるものである

 この三つが読み取れます。時系列的にこの文章は璃月へ突入するまえでしょうから、本編開始の時点よりも前に、旅人はかつてウェンティと共に旅をし、その功績は世界に匹敵する重要なものであるということが察せられます。

 よくよく考えるとこれ、結構おかしいです。
 双子のうちプレイヤーサイドは500年前にカーンルイアに降臨した際、ずっと眠っていたとされます。そして厄災が発生し、そのままテイワットを離れようとしたようです。旅人の証言がどこまで信用できるかは議論の余地ありですが、少なくとも500年前の時点ではウェンティと旅をしていた期間は見当たりません。これは、それよりも前の時点で旅をしていたと考えることでつじつまが合います。

 以上より、旅人は500年前よりも更に昔の段階で一度テイワットに降り立っている可能性があることは分かってもらえたと思います。


本題:「あの花」が咲く花の海

 最新のバージョン4.7の魔神任務で、旅人双子の目的地は「『あの花』が咲く花の海」であることが分かりました。

 この「花の海」とは、原神黎明期の足跡PVの最後で描かれている「果ての花の海」のことで間違いないでしょう。

 そして逆に言えば、双子は宇宙を往来していた時点で「果ての花の海」が存在することを知っていたということになります。

 ちなみに、ここで咲いているのはカーンルイアの国花・インテイワットである可能性が非常に高いです。これは蛍が身に着けている花でもあります。


 少し話がずれますが、インテイワットの花言葉は「遊子」または「故郷の優しさ」というものになっています。いずれも旅人双子を想起させる内容ですね。

インテイワットは「遊子」、つまり郷を離れて旅する者を象徴し、また「故郷の優しさ」という意味を持つ。

ダインスレイヴ

 同じような花言葉を持つ花として、セシリアの花が挙げられます。

セシリアの花言葉は「遊興者の真心」。

ティマイオス

「放浪人の真情」

ウェンティ セシリアの花の花言葉。

 そして、ぱっと見の見た目はそれなりに似ています。実際、インテイワットの情報が明かされる前は、多くの人が「果ての花の海に咲く花」はセシリアの花だと考えていました。


 私は植物学に明るいわけではないので、両者に生物学的な関連があるのかどうかは分かりません(花弁の感じを見るに近縁種というわけでもなさそうですが…)。


 セシリアの花は、かつて文明を象徴する重要な花だったとされます。

かつてセシリアの花と共にあった文明は徹底的に失われ、白玉のような花の海も消えていった。

セシリアの苗床

 ここでピンときた方もいるかもしれません。旅人双子は遥か昔から「果ての花の海」の存在を知っていました。そして、かつてのテイワットには「白玉のような花の海」がありました。

 では、旅人双子はかつてテイワットの地に降り立ち、セシリアの花の群生地を、「白玉のような花の海」を目にしたのではないでしょうか。


 しかし、残念ながらその花畑は失われてしまっています。明確な原因は不明ですが、恐らく第二王座であるニーベルンゲンの到来により、空前絶後の厄災がテイワットを襲ったからだと推測されます。

 時期としては鍾離先生の誕生の前後だと思われますので、およそ6000年ほど前になるでしょうか。この時代には、テイワット全土に統一された文明が存在していました。
 ちなみに、淵下宮はこの文明の一部であり、ここでのボスBGMはセシリアの苗床BGMのアレンジとなっています。セシリアの花とかつての文明には何らかの関連があることが窺えますね。これについては私の過去の記事でも何度か触れています。


 話が脱線したのでまとめると、七神たちがテイワットを治める前には、統一された文明が存在していました。この時代にはセシリアの花が咲き誇る白い花の海があり、かつて旅人双子はこれを目にしたことがあると考えられます。また、厄災によりテイワットは崩壊の危機に瀕したため、この花の海は失われてしまい、双子はテイワットを脱出せざるを得ませんでした。それ以降、双子は花の海を探して宇宙を放浪していたと考えられます。

 つまり、旅人双子は遠い昔にテイワットを訪れたことがあり、それが旅の理由となっているのではないでしょうか。

 これが私の仮説となります。


検証:実際に可能性としてありえるのか

 一応、この説を支持する根拠(?)が雷電将軍の伝説任務2にあります。

 影と将軍人形の戦いを止めるため、八重神子の力を借りて影の意識空間に入るときに、時間の乱れが生じます。この時、旅人の周りには群玉閣をはじめとするさまざまなシーンが浮かび上がるのですが、この時なぜかセシリアの花の画像がやたらと出しゃばって強調されています。

 特に一枚目なんかは複数写っていて、花畑と言えそうな感じがあります。

 シンプルに捉えるなら、これらのシーンはいずれも旅人の経験であるはずです。同行しているパイモンの経験という可能性を除外することはできませんが、よほどひねくれた見方をしない限りは旅人の記憶と解釈して問題ないと思います。したがって、旅人の記憶の中には「セシリアの花の群生地」の光景が存在すると考えられます。これは本題で述べた仮説と矛盾しないものであり、仮説を補強する根拠になりえます。


 しかし、残念ながらこの説には大きな穴があります。

 それは、目的地である「果ての花の海」とはインテイワットの花畑であり、セシリアの花とはまるで関係がない点です。

 類似点や見た目こそ若干似ているものの、よく見れば分かる違いがあり、間違えるということは考えにくいです。 
 双子の旅の目的が「果ての花の海」であり、インテイワットの花畑である以上、セシリアの花畑を過去に目にしていたとしても、両者を取り違えると考えるのはかなり強引な推論であり、結論ありきの話と言わざるを得ません。

 説明の余地があるとすれば、双子が「『あの花』が咲く花の海」を概念としてとらえていた場合でしょうか。
 「『あの花』が咲く花の海」がインテイワットの花畑ではなく「白い花が咲き誇る美しい花畑」を指しているのであれば、セシリアの花だろうがインテイワットだろうが花の種類問わずそれが目的地になりえます。


〈2024/07/09 追記〉

 フォンテーヌのとてもあったかい場所にある、啓示の書も仮説を支持する根拠となりえます。啓示の書から入れる「???」という場所は、遺跡が暗黒に浮かんでおり、いかにも荒廃した世界といった印象を受ける空間です。建築様式は淵下宮のものと酷似しており、さらにほぼ同じ図書館が存在するなど、深い関わりが窺えます。

 詳しい説明は省きますが、この空間は「アクセスした者が想像する世界の終末」を映し出します。つまり、この光景は「旅人本人が想像する世界の終末の姿」となります。
 なぜ旅人が世界の終末として淵下宮に似た光景を想像したのか、それは淵下宮をすでに滅んだ文明の遺跡として見ていたから、と考えることもできます。

 しかし、この荒廃した空間に入る前にとある独白が挟まれます。それがこちらです。

 あの空間は、旅人にとって一度も見たことがないにもかかわらず、これ以上ないほどの親しみを感じる世界であるとのことです。ということは、旅人は以前あのような光景を直接目にしたことがあり、そしてそれは当人にとってなじみ深いものであるということでもあります。

 旅人が淵下宮のような遺跡に親しみを覚えるとは一体どういうことでしょうか? かつてのテイワットでそれを目にしていたから、という説明が一番しっくりきます。


余談

ループ説

 ここまでお読みいただいた皆さま、あることにお気づきでしょうか。

 この記事は
 ・はじめに
 ・ウェンティ
 ・本題
 ・検証
 ・余談
という構成でできています。

 この、中途半端に差し込まれたウェンティの項。ここで挙げた過去の事実は、

①ウェンティと旅人はかつて会ったことがある
②旅人はかつてウェンティと共に旅をしていた
③旅人の実績は世界最高の吟遊詩人が歌うにたるものである

この三つです。実はこれ、本題の項で述べた仮説に当てはめてもうまく説明することができません。

 なぜなら、旅人がテイワットに一度降り立ったのが鍾離先生の生まれたおよそ6000年前。対して、ウェンティがバルバトスとして成立したのが魔神戦争のさなか(およそ2~3000年前)であり、旅人がテイワットに降り立った際には「ウェンティ(バルバトス)」という意識はまだ生まれていないからです。

 500年前に旅はしておらず、それよりも前でも旅はしていない。それなのに、旅をしたことになっている。では一体どこのタイミングで旅をしたのか?

 この矛盾を解消するには、時間を巻き戻すしかありません。一度どこかのタイミングで旅をし、世界の時間を全て巻き戻してリセットする。ウェンティのみそのリセットに気づいているとすれば、理屈としては完璧なものとなります。

 これはいわゆる「原神世界ループ説」であり、リリース初期から提唱されている説です。ですが、そのからくりについて詳しいことがまだわからないので、あくまで説にとどまっています。私自身もループはあると思っていますが、メカニズムについてうまく説明できないので記事にはしていません。情報が出てくるにつれて、この先記事にできたらいいなと思います。


メモ

 蛍が身に着けているインテイワットは、少なくとも空蛍兄妹のどちらかが飾り付けたというわけではないことが示唆されています。

空「妹の頭にも、同じ花が飾られている。」
蛍「目が覚めたら、同じ花が頭の上にあった。」

魔神任務第二章 第四幕 淵底に響くレクイエム


 また、この「花の海を探したい」という発言はお互い「プレイヤー側」が言ったことになっています(両視点側の画像を用意できませんでした…)。

 これらが伏線なのか、あるいは単に立場が逆転しているだけなのかは分かりませんが、覚えておくと今後役に立つかもしれませんので記しておきます。


終わりに

 ここまでご覧いただき、ありがとうございました。面白いと思ってくださればうれしいです。

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