考えるFP(社会保険制度)
皆さんこんにちわ。合格サポーターの佐々英流(ササエル)です。FP試験合格支援として、考えるFPを始めました。核心となる知識さえ押さえておけば、丸暗記せずとも、しっかり得点を稼げますよ。
第4回は、社会保険制度です。この分野は、全体像を知らないまま、ひたすら、暗記している受験生が多い分野ですね。そこで、ササエル式では、市販の参考書では、解説されていない、全体像をお伝えすることで、学習をサポートさせて頂きます。
✅社会保険制度の全体像
社会保険という言葉をよく聞きますね。ですが、その内容を明確に理解している人は、案外少ないものです。社会保険とは、公的な保険を指します。
つまり、国の制度として、国民の社会生活を支えている保険制度なんです。
👉社会保険の全体像
①医療保険(病気への備え)
②介護保険(介護への備え)
③労働者災害保険(労働災害への備え)
④雇用保険(失業への備え)
⑤年金保険(老後の備え)
✅医療保険(国民皆保険)
社会保険の5つの制度のうち、特にお金がかかっている制度が、医療保険です。医療保険制度は、国民皆保険制度となっています。国民だれもが、安価に高度な医療が受けられるという面では大変ありがたい制度です。しかし、保険料が大変、高額となっています。特に、高額所得者の負担が大です。国民全員から保険料を徴収するという意味では、ほぼ税金だと言えます。税金と呼ばないのは、重税感が半端ないからだと思われます。
👉国民皆保険のポイント
年齢、職業等により、加入する保険が変わる
つまり、どのような人達が、どの保険制度に加入するのかを押さえる必要があるわけです。ですが、細かな内容ばかりが説明され、全体として、どうなってるの?なぜ、任意継続という2年間限定の制度があるの?といったことが、置き去りにされているようです。
そこで、まずは、医療保険の全体像を示しました。
まず、会社員と自営業員に大きく分かれます。会社員は健康保険に、自営業者は、国民健康保険に加入します。この二つはどちらがお得でしょうか?そうですね。健康保険の方が、何かとお得です。
健康保険には、扶養という制度があります。会社員のパートナーや子供は、会社員、ひとりのの保険の中で、面倒を見てもらえます。さらに、保険料も会社が半分持ってくれます。
これに対し、国民健康保険は過酷です。扶養という制度はありません。つまり、パートナーも自営業なら、保険料は2人分必要なのです。子どもも小学生になるとしっかり保険料が発生します。厳しいですね。もちろん、会社と折半などというありがたい制度はありません。
従って、できれば健康保険に加入したいわけです。ですが、健康保険に加入するには、企業に就職する必要があります。しかし、いつかは、会社を離れる時がきます。定年などです。ありがたい、健康保険に別れを告げる時がくるのです。一体、どうなってしまうのでしょうか?
ここで、退職して、即座に国民健康保険に変更するしかなくなると、大変困ったことがおきます。前年度の収入で保険料が決まるため、多くの人は、いきなり高額の保険料が発生するのです。退職して、給料がなくなったうえに、保険料が爆上がりでは、生活の危機ですよね。
そこで、登場するのが、任意継続です。会社を辞めても、2年間だけ、もとの健康保険に所属できるのです。もちろん、会社との折半はなくなりますので、保険料は、ほぼ倍額に上がることになります。それでも、扶養の概念を継続できるメリットが大きいのです。
そして、2年ののち、低くなった年収を基準に、国民健康保険へと移行するわけです。これなら、なんとかやっていけそうですね。
その後、75歳を迎えると、全員が後期高齢医療保険に加入することとなります。
この辺りのカラクリを頭に入れて、学習すれば、なぜこのような制度設計になっているのか、理解しやすいですね。