見出し画像

入門英文法(英文法の実像とは)



✅初めに

 皆さん、こんにちは。合格サポーターの佐々英流(ササエル)です。今回は、英文法について、名詞から切り込み、品詞や単語の謎を深堀りしていきます。一般的な英文法からは、かなり離れた、ササエル式の解説ですので、有償とさせていただきました。

 もちろん、学校英文法では味わえない、ネイティブフィーリングに迫る内容となっていますよ。『ああ、なるほど。』と、しっかり腹落ちできますよ。

 今回の記事を最後まで読めば、例えば、助動詞としてよく知られている『will』に、なぜ名詞や動詞としての用法があるのかといった、市販の参考書では、ほぼ扱われていない、英語の実像を知ることができますよ。

 そもそも、英文法とは、英語を話すためのルールにすぎません。話すことが困難になるほどの、複雑で、難解なものであるはずがないのです。ネイティブが使いこなしている英文法の感覚を、一緒に探っていきましょう。


✅学校で習う名詞とは

 まずは、学校で習う名詞について、復習してみましょう。まず、名詞とは品詞の一種ですね。まず、大きく可算名詞と不可算名詞に分かれます。

 可算名詞とは数えられる名詞ですね。可算名詞には、単数形と複数形がありますね。単数形は、冠詞や数詞、所有格などとセットで使います。一方、複数形は単独で使うこともできるんでした。

 可算名詞は、さらに細かく、普通名詞と集合名詞に分けられます。

 普通名詞とは、一般的な『もの』、『こと』を指す名詞です。『Apple』、『Day』などが、これにあたります。

 集合名詞とは、「人」や「もの」の集合体を表す名詞です。数え方によって、さらに3つに区分されます。
 
  ①常に単数扱い:『furniture』,『baggage』など
  ②常に複数扱い:『police』,『people』など
  ③単複あり  :『family』, 『class』など

 一方、不可算名詞には、固有名詞、物質名詞、抽象名詞があります。

 固有名詞とは、特定の人や場所、建物などの名前を表します。常に、大文字から始まります。『the Americans』でアメリカ人全体、『the Ishikawas』で『石川さん一家』などの使い方となります

 物質名詞とは、決まった形を持たない「もの」を表す名詞です。『water』、『bread』、『money』などが、該当します。

 抽象名詞とは、性質・状態・動作などの抽象的な概念を表す名詞です。『Love』、『work』などが該当します。

 物質名詞や抽象名詞を数える時は、少し工夫が必要です。
『a cup of tea』、『a glass of water』、『a piece  of advice』などと、少し間接的な言い方になるんです。

 ここまでが、大体、学校で学ぶ名詞の基礎知識となります。学生の皆さんの頭の中には、下の図のような整理がなされることでしょう。つまり、学校英文法は、名詞には色々な種類があり、きっちり区分されていると教えているわけです。これが、決して正しいとはいえないことは、後ほど説明します。


✅名詞の区分が与えるもの

 ご説明した通り、学校英文法において、名詞には様々な種類がありました。そして、それらは、きれいに区分されました。この区分は、初学者に小さな不安と、大きな安心感を与えます。

 小さな不安とは、英語には数えられる名詞と、数えられない名詞があるということです。こうした考え方は、日本語にはありません。特に、『a cup of tea』といった表現や、『police』は常に複数といったルールを、きちんと守れるかという不安が、誰しもよぎりますね。

 一方、大きな安心感とは、少しの違いはあるものの、英語でも名詞は日本語の名詞と同じようなイメージで使えばいいんだという感覚です。もしかしたら、こうした安心感自体に、気付かないかもしれません。気付けないほど、似ているとも言えますね。つまり、色々種類があるみたいだけど、英語でも名詞は名詞ということです。

 もちろん、『chicken soup』のように名詞『chicken』が形容詞化するパターンもありますが、これも日本語と同じですね。『チキンスープ』は、日本語そのものです。

 以上のように、少しの違いはあるものの、学校英語で学ぶ名詞は、日本語の名詞と、さほど変わらないのです。ですが、少し学習を進めていくと、この認識が誤っていることに、気づかざるを得なくなります。たぶん、勘の良い学生であれば、大学受験前には、気づいているはずです。


✅英語の名詞は例外だらけ

 皆さん、英和辞書があれば、是非、チェックして欲しいことがあります。例えば、『aid』を引いてみましょうか?不可算名詞として、『援助』という意味があり、可算名詞として『補助具』のような意味があり、さらに、動詞として『助ける』という意味がありますね。

 たったこれだけ、辞書を軽く引いただけで、学校英文法を遥かに超える世界を確認できることに、お気づきになられたでしょうか?1つの単語が、可算名詞にも不可算名詞にも、動詞にもなっているんです。この辞書の記載は、学校英文法で習った、きれいな区分けなど、吹っ飛ばしてくれていますね。このように、英和辞典には、学校英文法では例外と扱うしかかない事例が数多く、記載されているのです。そして、この辞書の記載こそが、リアルな英語の世界なのです。

 まずは、名詞に絞って、例外の出現状況を整理してみましょう。

 最初に扱うのは、物質名詞や、抽象名詞が普通名詞化するケースです。『shame』は、『恥』という抽象名詞ですが、冠詞がついて『a shame』なら、『恥ずかしいこと』という普通名詞になります。また、『fire』は『火』を表す物質名詞ですが、こちらも冠詞がついて『a fire』なら、『火事』を表す普通名詞になっているのです。

 これらは、決して、数少ない例外ではありません。実は、ほとんどの物質名詞や抽象名詞は、同じように普通名詞化するんです。つまり、数えられないはずの名詞の複数形を、当たり前のように目にします。『Two teas , Please.』で、全然、問題ないんです。他にも、物質名詞として学ぶ『water』も、実は複数形になったりします。『We were now in Japanese  waters.』なら、『日本海域にいます。』ということです。数えていますね。複数形ですから。数えているということは、数えられる水もあるというのが、ネイティブの感覚かもしれませんね。

 いやはや、こうなってくると、なんのために、物質名詞だの、抽象名詞だの、数えられないだのと、学校英文法で、頭に入れたのか、分からなくなってきますね。実は、本物の英語は、学校英語が教えるきれいに区分された英文法では、とても捉えきれないんです。

 それだけではありません。名詞だと思っていた単語が、動詞に化けたりもするんです。

 例えば、『We can ship this timber by water.』なら、『水路で運ぶ』ということです。『ship』という普通名詞が、動詞になっていますね。もちろん、『water』も動詞になりますよ。『Please water the plants.』と言えば、『草木に水をあげて』ということです。

 こんなことは、日本語では考えられません。『水』という名詞は、どこまでいっても名詞のままです。『水をあげる』、『水やり』などの言葉で、明確に動詞化する必要があるんです。ですが、英語は違います。『water』は、『water』のままで、名詞にも、動詞にもなるんです。

 つまり、英語の単語には、日本語の単語とは全く違う、強力なパワーがあるわけです。単語としての形を変えることなく、品詞の壁を突き破る、この英語の単語が持つ、ダイナミックさを、学校英語はきちんと伝えていないんです。

 また、形容詞として学ぶ『poor』が、『the poor』になれば、『貧しい人々』という集合名詞化しますね。この事例は、学校英語でも学びますね。例外的な用法として。。でも、例外じゃないんです。この様に、自由自在に単語を使いこなす世界こそが、本当の英語の姿なんです。

 つまりはです。名詞は、いつでもどこでも名詞だよねといった日本語的発想自体が、実は英語では通用しないんです。ネイティブが、本当は、どのように単語や品詞を認識しているのか、そこから考え直す必要があるということです。この様に、英語の学習を続けていくと、学校で学ぶ英文法から、一度、離れる必要にぶちあたるんです。
 

ここから先は

11,034字 / 8画像

¥ 2,900

多くの受験生の合格をサポートするため、市販の参考書、過去問などの購入に使わせていただきます。!