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#71 苦しみもいつか自分の役に立つ
子どもが生まれてから、毎日お話を一緒に楽しんでいる。
医学の力を借りて子どもを授かった私は、子どもがいない夫婦が登場人物であり、そこを起点にしたお話が多いことに驚いた。
子どものいない夫婦が登場人物のお話。
たとえば、「ももたろう」「いっすんぼうし」「おやゆびひめ」がある。
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯していると、どんぶらこっこどんぶらこと、川上から大きな桃が流れてきました。
おばあさんはその桃を家に持ち帰りました。
桃を食べようと割ったところ、桃の中から元気な男の子が飛び出しました。
子どもがいなかったおじいさん、おばあさんは大変喜んで、桃から生まれた男の子に桃太郎と名付け、大事に育てました。
むかしむかし、仲の良いおじいさんとおばあさんがいました。
二人には子どもがおらず、毎日お寺にお祈りしに行きました。
ようやく授かったのはとても小さい男の子でした。
その子は一寸法師と名付けられ、手のひらに乗るほどの小さいからだでしたが元気でご飯もたくさんたべる子に成長しました。
むかしむかしあるところに、子どものいない夫婦がいました。
なかなか子どもを授かることができないので、夫婦は魔法使いのところへ行きました。
魔法使いは、ここにある大麦を植えると何かが起こるからやってみなさい、と言いました。
女の子はおやゆび半分の大きさしかありませんでしたので、「おやゆび姫」と名付けました。
子どもがなかなかできなかったから、共感してしまう
私たち夫婦は医療の力が借りられない時代に結婚していたとしたら、子どもを授かることはできなかっただろう。
また、子どもを授かるまでの間の子どものいない夫婦だった時の「子どもがほしくてたまらなかった」気持ちをよく覚えている。
だから、「ももたろう」「いっすんぼうし」「おやゆびひめ」に出てくる子どものいない夫婦の気持ちに強く共感してしまう。
今日は「ゆきんこ」を読んで、どうしても伝えたくなった。
今日は「ゆきんこ」を読んだ。次女の学習教材ポピーに掲載されていた。
昔、あるところに子供のいない夫婦がおったそうな。
二人は毎日毎日お宮(みや)さんへお参りしては、
「どうか、子供をお授けくだはりますように」
と願かけをしておったと。
ある雪の降る日にお宮さんにお参りしたら、拝殿(はいでん)の横から、「オギャ-、オギャ-」と、赤ん坊の泣き声がした。まわりこんで見るとかわいい女の赤ん坊が置いてあったと。
「これは、神様が願いをかなえてくだはったにちがいない」
「そやなあ、ありがたいこっちゃ」
二人は家に抱いて帰り、名前を「雪(ゆき)」とつけたと。
子どものいないおじいさんとおばあさんのもとに来てくれた「ゆきんこ」。
でも、大きくなった「ゆきんこ」は、火に近づき、とけて消えてしまう。
私は悲しくてたまらなくなった。
そして、こういうとき、私は必ず子どもたちに伝えたくなる。
ママとパパも、ずっとずっとあなたに会いたくて待っていたんだよ。
ママとパパもね、このおじいさんとおばあさんと一緒、
◯◯ちゃんみたいな可愛い子どもがほしかったんだよ。
だからね、ずっとずっと待っていたんだよ。
そしてね、ママとパパのところにやっと来てくれたのが
◯◯ちゃんだったんだよ。
あなたに会えて、とてもとても嬉しかったんだよ。
ママとパパのところに来てくれて、本当にありがとうね。
こう言うと、5歳の長女は私の話をちゃんと理解しているからだろう。
いつも嬉しそうに笑ってくれる。
第一子である長女を出産したのは、結婚してから5年目の春だった。
子どもがなかなか授からなくて苦しかったけど、
その苦しみを味わった分、今の幸せが余計に身にしみるのかもしれない。
だとすれば、あの苦しみも無駄ではなく、
今の自分の役に立っていると思える。
避けられない苦しみも、いつか自分の役に立つ
苦しいのなんて嫌だ。
買ってまで苦労をしようとは思えない。
でも、避けられない苦しみについては、引き受けるしかない。
苦しみを引き受けることによって、
今の幸せをより深く味わえるようになったり、
口にできない他人の苦しみを想像できるようになったりする。
だから、苦しみはいつか自分の役に立つのかもしれない。
だとすると、
歳をとって色んな経験をすればするほど、
人生が味わい深くなるのかもしれないし、
生きるのがもっと楽しくなりそうだ。
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