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古さと新しさの混在


インドの高評価ドラマです。

海外ドラマの魅力は、その土地ならではの文化、思想を感じることが出来る事ですね。

「ダハード」に登場する警察署はまるで遺跡のような佇まいで見たことのない猿が飛びまわります。道には牛の巨大なフン、ラクダがゆっくりと見切れて行きます。その度に驚き、ドラマの時代背景を一瞬忘れます。

主役の警部補アンジャリには容赦ないセクハラが浴びせられ、パワハラ、モラハラのオンパレードです。

それに全く屈することなく事件と向き合うアンジャリの姿勢は癖になるくらい気持ちがいい。女性蔑視の思想は、同性の母親からも向けられていたりします。

古い思想に押しつぶされる若い女性たちが連続殺人者の餌食となっていくところも身分社会が作り出した膿のように感じます。

アンジャリは本人の社会への怒りを込め犯人逮捕への執念を燃やしていくようです。

職場まで押しかけて見合いを進める母親へ事件で殺された女性たちの写真を突き付ける姿は、あっぱれでしかない。自分の社会への責任をまっとうしようとする意志を感じるのです。


カースト制と言葉は知っていましたが、ここまで現代のインド社会に根深くあるとは驚きしかないです。女性が社会で認められることすらどこか白い目で見られてしまう。
ドラマの遺跡のような建物、風景。古い思想と一致して改革されない当然を感じさせられるのです。

しかし、警察の追跡はネットを使い最新だったり、スマホを普通に所持してることも景色とミスマッチで改めて現代のドラマなのだと実感します。
アンジャリのような自分自身の人生をあきらめない女性もそれを応援する上司や同僚も変わりつつある社会を表現しています。

すべてが新しくなる必要はなく、ビルが建ち道路が舗装され車が渋滞するだけが正解ではないですね。でももしかすると古い建物と社会はどこか連動されていて人間の意識に深く沁みついているのかもしれない。このドラマではそういうところの古さと新しさが混在し、ぶつかり合っているようでいろんな角度から見て面白いドラマでした。

インドドラマ、奥が深いですね。



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