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樹木希林さんに哀悼の意を込めて

Akiです。お疲れさまです。
信じるか信じないかはお任せします。


2024年6月20日くらいから、何をしていても、コブクロの『蕾』という歌が頭の中に流れていました。

この日は用事があって、近所の図書館へ行きました。

用事を済ませて最後に、我が推し・三浦春馬さんの著書『日本製』が置かれている棚に向かいました。

『日本製』は持っていますが、図書館に行くと『日本製』の春馬さんの写真をパラパラと眺めて、ニヤニヤすることが定番になっています。
(すみません)

『日本製』を棚に戻すと、ふと樹木希林さんの本が目に入りました。

そのまま帰宅しましたが、再びコブクロの『蕾』が頭の中で流れてきます。

調べると、この歌はドラマ『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の主題歌。

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』はドラマと映画の両方が公開しており、映画のほうに樹木希林さんが出演されていることを知りました。

ご覧になった方もいらっしゃると思います。

☆-★-☆

2024年6月23日の夜、三浦春馬さんが樹木希林さんを連れて来られました。

希林さんはベージュの服を身にまとい、杖をついて歩いていました。
春馬さんは紺色のスーツ姿で、希林さんを支えています。

(春馬さん)Akiさん、
樹木希林さんをお連れしてきたよ

(希林さん)いいのよ、わたしの話なんて…
はははは、もうね
ごめんなさいね、ほんと
わたしみたいなおばあちゃんの話なんて、
みんな聞かないでしょうから、
いいのよ、ほんとに

図書館のアレは前ぶりだったんですか…

「初めまして。Akiと申します」

そう、Akiさんね
まあ、若い人たちはいいわね、ほんとに

春馬くんがこっちにきて
「わたしの言葉を聞きたい」っていうから、
いろいろ話しているとね
「樹木さんの言葉を教えてあげたい人が
いるんです」
っていうから誰って聞くと、
あなたのことを伝えてくれたの

でね、今こうしてお話しようと思うんだけど、
大丈夫かしら?

恐縮です

「はい」

うん、じゃあ…
(椅子に腰をかけました)

といってもね、話は色々あったけど、
わたしなりにそっちの世界に遺してきたから、
それを読んでください

なんか宣伝みたいになっちゃってるけど(笑)
あのね、別に買わなくていいから
きっと図書館にあるでしょ?
だから、そういうところでやりくりしながら
みてくださいね

人生ってね、真面目に生きると行き詰まるし、
適当に生きると案外いいことに当たるのよ

「本当ですか?」

わたしがそうだったから 力を抜いてね
特に肩なんかガチガチになっていたら、
何にも出来なくなるの

もうね、(右手をゆっくり動かして)
風のようにフワ〜っとしながら
生きたほうがいいのかもしれない そう

地に足をつけて動けなくなったら
意味がないでしょ?

「確かにそうですね(笑)」

足元はできるだけ軽くしてね

あなたはまだこっちにくるのは早すぎる
でもいつか体は老いてゆく
その変化を楽しんでね

「若いときはできたのに!」
というのは、もう老いの始まり

もしそれが実感したのなら
「これからがわたしの人生よ!」
っていう心構えがまず大事、ね

この気持ちになれるかなれないかで
月とスッポンの差が出ますよ

なんせ、もう衰える一方なんだから
でも急には来ないの 少しずつ来るの 
だから、成長も老いも楽しめる余裕がないと
生きることが苦しくなっちゃう

きっとそういう人が多いわ
こっちからみててもそう思うの ほんとに

せっかく親から生まれたのに…、あ。
でも、勝手に生まれてきたってことは分かってる

親は選べないし
好き勝手にあれこれ決めてくる親なんて多いから
子供の頃から窮屈な思いをして
大人になった人たちがきっと多いわね

その窮屈なときに、あれこれ可能性を探してね
「窮屈で何もできない」
って自分を縛るんじゃなくって
「今は窮屈だけれども、
いつか解き放たれたら、あれをしよう!」
って考えておくの

それだけでも、今置かれた状況が変わらなくても
心持ちが変われば、ほらね

先が見えない時代なんかじゃない
先が見えないなら、
あなたたちが作りなさい
ゼロから作っていいのよ

それを伝えたくなって、ここにきました

なーんか、やっぱり話がとまんないわねー(笑)
もー、こっちにきても
わたしから話すのが嫌いなのに、
なんだかいっぱいしゃべっちゃったわね
聞いてくれてどうもありがとう

「こちらこそ、貴重なお話をありがとうございます」

そんな、こんなおばさんの話
だーれも聞いてくれないわよ
せめて聞いてくれるのは春馬くんとあなただけ

「いやいや、ほかの方達も大勢いるはずです」

ふふふ そんな気遣わなくていいのよ

わたしはこっちでのーんびり過ごしてる
でも懐かしい人たちもたくさんいるから、
結局いつも誰かと話しているわ

やっぱりしゃべることが
ボケなくていいのよ、ね
あなたもしゃべりなさい

「はい(笑)」

じゃ、わたしはこれで 元気でね

(春馬さん)僕もいきます じゃ、またね

春馬さんは終始
希林さんのそばにいました

☆-★-☆

翌日の6月24日夕方、再び希林さんの声が聞こえました。
急いでお話を伺う支度を整えて、

「すみません、お待たせしました」

いいのよ あのー、それでね
わたしは、いままでね女優っていう役者でね
そういうところで、
そういう世界でずっと生きてきたけれど
決していいことばかりじゃなかったのよね、うん

いやなこともたくさんあって、
まあそれをちょっと一歩引いた目で…
まあ、冷めた感じっていうのかしらね
そんな感じでみていると
んー、もっとね、こう

今の人たちには、もっと生き生きとしてほしいの
いいのよ、間違えたって
間違ったって、凹んだって
そこからまた這い上がればいい

そして、大人たちは
その人によく声をかけてあげるっていう
その…、余裕ではないわね
みんな忙しく働いているんですもんね

だから、そういうところは、ほんとうは
おじいちゃん、おばあちゃんの登場なんだけどね

おじいちゃん、おばあちゃんたちも
もう体が痛い、足腰が痛いって言って
自分のことばかりになっちゃうからねぇ

でも、できれば命ある限り
命尽きる前に若い人たちに一言
あったかい言葉をかけてあげては
どうなのかな って

だって、若い人たちが輝かないと…ね
わたしは国のこととかよく分からないけど
人生を先に生きてきた人としては
そういうことを皆さんに伝えたい、うん

もっと、全部の世代が
わたしはもう死んだから「生き生きと」
って言っても仕方ないんだけども
もっとね、寄り添い合って、
一言声かけるくらいしてあげても
いいんじゃないかな

そんなふうに思ったので
ちょっと昨日話した言葉を
またほじくり返すのもあれだから、
それは言わないけど
さっき言った言葉も加えてもらえると嬉しいの
いいですか?

「はい」

うん それじゃあ、よろしくお願いします

おばあはもう出て来ないから(笑)
あとは若い人たちに任せます
じゃあね

ありがとうございます

昔からテレビをあまり見て来なかったので、樹木希林さんというと、懐かしい昭和時代のカメラフィルムのCMを思い出します。
コミカルなキャラクターでした。

希林さんの作品を詳しくないので、まずは希林さんの本を図書館で借りてみようと思います。


謹んで、樹木希林さんのご冥福をお祈りいたします。


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