「宇宙人」とのケンカ
とある介護施設のM&Aを仲介しました。
ただ我々が介入した時にはすでに別のM&A業者(Z社)が仲介に入っていたため、コチラに乗り換える際に、依頼主へ「これまでにかかった経費を払え」と請求が来たのです。
確かに依頼主に尽力していたので、請求する気持ちも分かります。
ただその額はあまりにも理不尽なものでした。
当然、不満を感じた依頼人は抗議。
「金額の計算式は?」
「この仕事はどういった根拠で行った?」
こうした議論を4ヶ月ほど行いましたが、話は並行線のままでした。
一連のやり取りに我々も介入していましたが、
相手の言い分は、贔屓目に見ても「意味不明」。
これでは埒が明かないと判断し、先方に「訴えてくれ」と伝えました。
実は議論が平行線となった場合、
「第三者」を介入させることで解決を図る場合があります。
いわば裁判官を「レフリー(審判)」として設定するのです。
結果、わずか2回の審議(2ヶ月)で「和解」が成立。
当初の請求額を10%以下まで落とすことができました。
「訴訟」と聞くと皆さん条件反射のように恐怖を覚えますが、
それは単に「第三者による決定の場」に移行しただけのこと。
「和解」へ早く持ち込むには、むしろ裁判に持ち込んだ方が効率的な場合が多々あります。
このように相手が「理屈の通じない宇宙人」の場合は、特に!
日頃からお伝えしている「丸く収めるためには、まず揉めろ」を象徴する事例でした。