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クリニック分院開設時にありがちな失敗事例!採用する前に心がけたい医師の採用(2)
分院開設の成功戦略!院長任命の注意点と失敗しないポイント
はじめに
クリニックの経営が軌道に乗り、事業拡大を考えたときに浮かぶのが「分院開設」です。しかし、分院を成功させるには慎重な準備が必要であり、特に 「誰を院長に任命するか」 は成否を大きく左右します。
特に、法人の理事として分院長や本院の管理者を任命する場合、経営方針のズレ や マネジメントの問題 に注意しなければなりません。
本記事では、
✅ 分院の診療科目が自身の専門分野の場合
✅ 専門外の診療科目を開設する場合
✅ 本院を任せる場合の注意点
について、実際の失敗・成功事例を交えながら解説します。
1. 分院の診療科目が自身の専門分野の場合
1-1. 分院長の適任者選びが成否を分ける
分院長の診療スタイルや経営方針が本院とズレるリスク
本院の患者が分院に流れすぎてしまい、本院の経営が弱体化
分院長が独立を考え、競合になってしまう
![院長先生](https://assets.st-note.com/img/1738423935-fue0kFS9tLVz2d4gAO6DJ5ya.jpg?width=1200)
💡 失敗事例:「診療方針のズレ」で患者満足度が低下…
ある内科クリニックの院長が、自身と同じ内科の分院を開設しました。分院長には、以前から親しい医師を選び、すべてを任せることに。
しかし、半年後、
「本院と分院で治療の進め方が違う…」
「分院の先生のほうが説明が丁寧!」
と患者の満足度に差が出る結果に。
院長は軌道修正しようとしたものの、分院長は「自分のやり方でやらせてほしい」と主張し、
分院長と意見が対立。
最終的に分院長は独立し、競合クリニックになってしまいました。
✅ 【このケースの対策】
診療方針を事前に明確化し、契約書に盛り込む
分院と本院で「診療スタイルの統一」「治療方針」を共有し、定期的にチェックする。
必要であれば診療マニュアルを作成。
経営の透明性を確保し、分院長を適切に管理する
分院の経営状況は本院側も常に把握できるようにする。
法人全体の会議を定期開催し、経営方針の統一を図る。
分院長のインセンティブを工夫し、独立リスクを減らす
法人の理事にすることで、経営に関与させ、独立リスクを低減。
業績連動型の報酬体系(例:分院の利益に応じたボーナス)を設定する。
1-2. 患者が分散し、本院が弱体化するリスク
💡 失敗事例:「分院開設で本院の経営が悪化」
あるクリニックが本院近くに分院を開設したところ、思った以上に患者が分院に流れ、本院の収益が低下。さらに、スタッフも分院へ異動し、本院の運営が厳しくなりました。
✅ 対策
🔹 本院の患者を奪わない立地 を選定する
🔹 分院独自の強み(専門検査機器、夜間診療など) を持たせ、患者層をずらす
🔹 分院開設後も、本院の経営状況をモニタリングし、適切なバランスを保つ
![医院経営](https://assets.st-note.com/img/1738424008-qLbxWTY8HsznM4AFumaDrIP6.jpg?width=1200)
2. 分院の診療科目が専門外の場合
専門外の診療科目のため、院長自身が診療内容を把握しづらい
分院長の裁量が大きくなり、経営管理が難しくなる
経営判断の遅れによる赤字リスク
2-1. 分院長が経営を自由にしすぎて方針がブレる
💡 失敗事例:「分院長の自由度を高めすぎて経営が傾いたケース」
ある整形外科の院長が、皮膚科の分院を開設しました。皮膚科の知識がなかったため、分院長に「すべてお任せします」と自由に運営させることに。
しかし、分院長が高額な医療機器を独断で導入し、結果的に費用対効果が合わず、赤字に。また、自由な診療スタイルをとっていたため、法人全体としての統一感がなくなってしまいました。
結果的に、本院の財務を圧迫し、分院を閉院することに…。
✅ 【このケースの対策】
専門外の診療科目でも、経営者として関与する
🔹「何が利益を生み、何が無駄なのか」を把握するため、定期的に経営レポートを提出させる。
🔹医療機器の導入や大きな投資は、本院側の承認制にする。
分院長の権限を適切に制限する
🔹分院長が完全に独断で経営できる状態を避ける。
🔹重要な決定(価格設定、広告戦略など)は、本院と相談して決める。
専門知識を補完する体制を作る
🔹分院長と定期的に面談し、診療方針や経営状況を確認する。
2-2. 専門外の診療科目では経営判断が遅れる
💡 失敗事例:「適正な投資判断ができず赤字に…」
ある消化器内科の院長が耳鼻科の分院を開設。しかし、
✔ どの機器が必要か分からず、高額な設備を導入
✔ 診療報酬の適正な設定ができず、収益が想定より低下
✔ 医師の採用基準も曖昧で、診療の質が安定しない
結果として、開業後すぐに資金繰りが厳しくなりました。
✅ 対策
🔹 専門コンサルタントなどを活用 し、適正な運営モデルを設計
🔹 収益シミュレーションを事前に作成 し、初期投資やランニングコストを試算
🔹 経営判断をサポートするチーム(事務長、外部アドバイザーなど) を構築
3. 本院を任せる場合の注意点
本院を任せることで、自分の診療スタイルや患者対応が変わる可能性
スタッフとの相性が合わず、離職が増えるリスク
院長が不在になることで、患者満足度が低下する
3-1. 院長交代によるスタッフ離職リスク
💡 失敗事例:「スタッフの大量離職で本院が混乱」
分院開設に伴い、本院の管理を別の医師に任せたところ、
✔ 新院長がスタッフに高圧的な態度をとる
✔ ベテランスタッフが3名退職し、運営が混乱
✔ 患者対応の質が低下し、本院の評判が悪化
結局、院長が本院に戻らざるを得なくなりました。
✅【このケースの対策】
本院のスタッフとの相性を事前にチェック
任せる医師を本院で一定期間勤務させ、スタッフとの関係を築かせる。
患者満足度の変化をモニタリングする
院長変更後の口コミや患者アンケートをチェックし、早期に問題を発見。
分院開設後も、定期的に本院を訪問する
完全に任せきるのではなく、院長自身が定期的に本院の状況を確認する。
まとめ:成功する分院経営のポイント
✅ 診療方針・経営ルールを事前に統一し、契約で明文化する
✅ 本院と分院のバランスを考え、患者の流出を防ぐ戦略を立てる
✅ 分院長の裁量範囲を明確にし、独自路線になりすぎないよう調整
✅ 専門外の診療科目では、第三者のチェック体制を整える
✅ 本院のスタッフマネジメントにも注意し、急激な変化を避ける
分院開設は、クリニックの成長にとって大きなチャンスですが、「誰に任せるか」で成功か失敗かが決まります。
慎重に人選を進め、確実な成功を目指したいものです。
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