語20250110
寝起き。寒いので耳をヘッドホンで塞ぐ。ついでに曲をかけてみる。歌詞が自分の書く詞を塗りつぶすようでちょっと怖いけど、それでも旋律が私を高揚させる。でも相変わらず紙の上に当たる右手の側面は冷たくて、それを左手で包む。外を見ると雪が降っていた。積もりもしない私の小さな努力のように、でも懸命に降り落ちてきた。水のめぐりについて少し考えた。窓の外のこの雪もいつか溶けて、もしかすると海へ流れつき雲となり、川に湧き、汲まれ、そして私の飲む温かいスープになるのかもしれない。いや、今朝飲んだあの水も、いつかはそうだったに違いない。誰かの下に降り注ぐ雨や雪となっていたかもしれない。美しいことだ、と思った。私の死骸も、いづれそうなって欲しい。誰かのために死ねたと胸を張っていたい。「人生は旅だ」とはもしかすると、そういうことなのかもしれないと思った。