語20250115

真夜中に朝の言葉を書きたいと思った。何故かは分からない。でもあと少しで何かが分かりそうだ。黒ずんだ消しゴムを拾い上げ思う。この消しゴムには最後まで決して使われない部分が存在するということを。悲しいなあ。どんなに小さくなるまで削られようと、最後にはゴミ箱に投げ入れられる。その点、命というものは都合が良いものだ。それは時間の経過と共に徐々にすり減っていく。消しゴムと違うのは、最後まで使い切れることだ。道半ば捨てられたり、自らゴミ箱に飛び込む人だっているだろう。でも、だとしても、その消しゴムが削った文字には意味が込められていたんだ。その命は決して無駄じゃなかったんだ。朝の言葉を書きたくなった理由が分かった。摩耗する命に臆することなく、朝日が昇るのを待ち遠しく思うからだ。私は、できるなら、使い切りたいと思った。

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