語20250118

光は力を持たない。どんなに強い光を当てたとしても物体はピクリとも動かない。でもそれは生命を動かす力を持っている。我々はまばゆい太陽の光に目を細めるし、魚や虫たちは明かりの下へ集まってくる。元来、生命は光なくして生きてゆけない。光に形はないけれど、それはあらゆる形を映し出す。視覚で認識された世界は物体に反射した光で構成されるからだ。「光たれ」という言葉がある。闇は人を惑わし迷わせるが、光は違う。我々を前へ前へと導いてくれる。でも直接ひっぱたいて動かしたりなんかしない。それは人を自発的にさせる。言葉も同じだ。言葉は記号だ。本来そこに意味なんてない。でも我々はそれを照らして必死になってそれを書く。言葉で伝えるということもまた相手の自発性を引き立てる。誰かの光たる言葉を書ける日が来るだろうか。その日のために今日もライトの下で書いた。

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