人から愛されること
病院で働きだして 先輩が気になっていた入院患者さんから告白され
なんとなく承諾した私はちょっととまどっていた
この状況は夢ではないのか? 私を好きな人はすぐ私を嫌いになるのではないだろうか?
色々な不安をよそに 9歳年上の彼は優しかった
なんせ人から愛されることに不慣れだったから いつか夢だったと終わりがくるような気がしていた
私は実家が嫌いだった 早く家から出たいと思っていた
20歳までには結婚して 家を出るんだと考えていた
まだ若く 世間も知らない私は 私を好きと言ってくれる人を無条件で信じた 幸せだった
この人と結婚するんだと早くも夢に描いていた
世間知らずと 親に愛されてこなかった私 将来の夢は無限に幸せと思っていた
ある時 総婦長室に呼び出された
「あなた あの入院患者さんと付き合っていると聞いたけど、やめなさい」
「まさか 結婚するとかじゃないよね。やめなさい」
私の気持ちをここでも理解してくれない人がいるのか。
でもその言葉を聞かなかった私の超苦労の始まりとなった