見出し画像

Fantasy Baseballでいい投手を簡単に見つける方法

はじめに

Fantasy Baseballプレイヤーは、誰をaddして誰をdropするか日々頭を悩ませている。drop対象はロースター内のせいぜい30人から選べばいいが、add対象はFAの全選手であり、いちいち精査していたのでは時間がどれだけあっても足りない。
この記事では「時間をかけずに」「いい投手を」「簡単に」見つけるための方法をお伝えしたい。

FanGraphsの設定方法

あまり知られていないことだが、FanGraphsには項目をカスタムする機能が存在する。今回はこれを活用する。

図1

まずFanGraphsのトップページからLeadersを選択し、出てきたプルダウンの中からPitchingの2024を選択。

図2

Custom Reportsを選択。

図3

このような画面に移行するので赤矢印部分を押してSelectedを空っぽにする。その後左側のAvailableの中から以下の項目を選択。
Standard→ERA
Advanced→K-BB%,BABIP,LOB%,xFIP,SIERA
Batted Ball→GB%
Plate Discipline(SIS)→CSW%
Stuff+→Stuff+,Pitching+
そして一番下のCreate Custom Table(青いボタン)を押す。

図4

そのままでも使えるが、先発と中継ぎが混じっているためPositional Splitをas SPにしておくといい。それでもオープナーに起用された中継ぎが混じることがあり、Min Playing Times(IP)をシーズン進行に応じて適当な値に設定しておくと、純粋に先発だけを抽出できる。シーズン中盤は40イニング、終盤は60イニングで固定していた。

図5

最終的に図5のようになれば完成だ。SIERAを基準に昇順で並べておくのが見やすい。
タブを閉じると設定ごと消えてしまうので、タブは開きっぱなしにしておくこと。
またシーズンが進むとメンツが代わり映えしなくなってくるため、5月以降は最新30日間の成績のみを表示するようにしておくといい。その場合は最低イニングは10程度で十分。

設定した表の使い方

①xFIP、SIERA
運の要素を排除したときに、おおよそどの程度の防御率になるかの予想に用いる。これがどちらかでも悪い場合は、その投手は信用しがたい。

②K-BB%、CSW%、GB%
カットオフに用いる。K-BB%>20%、CSW%>28%、GB%>38%が個人的な基準。これを1つでも下回るようだとaddを思いとどまったほうがいい。
K-BB%は三振率-四球率。K/BBは母数が少ないと極端な値を示すことがあるためK-BB%の方が使いやすい。
CSW%はcalled strike+whiff%のことで、ストライクとコールされたボール+空振りを取った割合のこと。要するにファール以外でストライクを取った割合のことだ。奪三振率を高い精度で予測できる。
GB%はゴロボールの割合。これが低いピッチャーは被弾が多いため、SIERAでの予測より防御率が悪化しやすい。

③BABIP、LOB%
お馴染みの運の要素を見る指標。BABIPは.310、LOB%は75%が基準。これより悪ければそのピッチャーの防御率が悪い原因は運である可能性が高い。

④Stuff+、Pitching+
Stuff+、Pitching+はピッチャーが投げているボールの質を評価する指標。両方100を下回っている場合は、現在成績が良かったとしても維持できる可能性が低いため、addしないほうがいいだろう。

例題

図6

これは2024年5月1日時点での投手成績である。この3日前にGarrett Crochet(図6では#8)がdropされている。あなたならaddするだろうか。
左から見ていこう。防御率は5.97。打ち込まれている。しかしxFIPは3.02、SIERAは2.85とかなり良い。K-BB%、CSW%、GB%、Stuff+、Pitching+はカットオフ値をこえている。そしてLOB%は56.3%であり、防御率が悪い原因は明らかに運だけである。これから良くなる可能性はかなり高い。
実際にaddしてみたところ、その後はエース級の活躍だった。ちなみに上から#2にいるJack Flahertyも同時期にaddしており、オールスターまではこの2人がチームの2枚看板であった。

おわりに

Fantasy Baseballは現実の選手を対象にしたゲームであり、決まった攻略法は存在しない。それゆえに調べ始めると無限に時間を費やすことができる。もちろん選手をsavantなどで調べている時間は楽しいものであるが、時間は有限であり、効率よくやれればそれに越したことはない。今回の記事が皆様の一助になれば幸いである。




いいなと思ったら応援しよう!