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ヴィンテージワインを楽しむ


「ワインは瓶に入った刺身」と考えるインポーターで鮮魚卸でもある店主が、1980年代以前のヴィンテージワインと魚のマリアージュを語ります。


最近はこの写真のように明確に保管方法の説明をする

ワイナリーが出て来ています。

何故かといえば味を犠牲にして温度管理を等をしない

専門店や遺品整理の転売ヤーなどのせいで世界的に、

劣化したワインが増えたからだと思われます。


さらに温暖化で気温が高い日が続き、

まともに冷蔵輸送し、冷蔵保管したら

コストが掛かりすぎて安く販売できないからです。

(弊社のような零細でも1年間で1本¥1000を

超える保管料が掛かります。)


また澱(おり)を不純物と勘違いしたり、

劣化のサインと捉える人からのクレームで

販売店が澱のあるワインの取り扱いを敬遠するのも

あります。


澱は旨味の証で、澱の出るワイン=旨いワインと

認識されてきましたが、いつのころからか

この澱が悪者になってしまいました。


この澱が白ワインの場合、ガラスのかけらに見えて、

クレームがワイナリーに行き、

そのせいでドイツワインの名酒が

日本への輸出をやめたところもあります。


1990年代後半のワインの産業革命のお陰で、

今まで20年以上コストをかけて熟成させなければ

実現できなかった美味しさが実現できた反面、

ワインの伸びしろが無くなったように思われます。


つまり熟成させても美味しくならないのです。

最低でも20年かかる味が出来てすぐ美味しい、

というのはある意味好ましいのですが…


更に販売する時の利便性を優先して、

(澱の説明、温度管理の省略)

その為ある時期から業界で申し合わせて、

禁止されていたはずの添加物が解禁になり、

それにビタミンCも加わり

夏の暑い時でも常温で販売するワインが

中心になってきました。


この改善(?)で低価格大量販売が可能になり、

‛めでたしめでたし’のはずでした。

でもこの‛めでたいワイン’を飲むと悪酔いする、

酔い心地が悪いなど色々な声が

聞こえるようになりました。



そのような技術のなかった1980年代以前の、

添加物もフィルターもないナチュラルワイン、

そして寒暖の差が15度以上あり

酸味と甘みのバランスが理想的で、

いつまでも飲み続けられるワイン、

それが50年以上たってもまだ魅力を発揮し、

益々我々を魅了してくれます。


魚銀店主の私が勧めるのはこのような

酔い心地良く翌日もハッピーになるワインなのです。




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