#081 日本人の「空気」への対処
旅の話の続き。
観光ビザを更新しようと、アルゼンチン国境を越えてメンドーサへ向かう予定が大雪で国境が封鎖され、ビーニャ・デル・マルの日本人宿「汐見荘」で国境が開くのを待っていました。
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到着した翌日もその翌日もバスターミナルに行き、メンドーサ行きバスが出ているか聞きに行くのですが、バスは相変わらず動いておらず足止め。
ビーニャ・デル・マルの街でも毎日雨が続き、しかも記録的な大雨を記録しているとのこと。この記録的な大雨が、アンデス山脈のアルゼンチン国境では雪になり通行不可になっているようで、ただ待っていても状況は改善されそうにありません。
汐見荘に来て7日目のこと。日本人宿に泊まっていたある旅行者が、アルゼンチンに入りたいがメンドーサから入れないので、さらに南下してオソルノという街を経由してバリローチェの街から入るために出発する、ということを聞いて、急遽一緒に出発することにしました。
出発当日にその話を聞いてから、その瞬間に出発を決めて、昼過ぎに汐見荘を出発。夕方前にサンチアゴに到着し、その夜オソルノへ移動しました。
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結局、日本人宿の汐見荘には、一週間ほど滞在しました。到着したときには、すぐに日本人の輪の中に入れませんでした。宿の常連さんがおり、宿独特の「空気」があり、そこに中々溶け込めなかったのです。
旅行者の中には、この日本人独特の「空気」を忌み嫌い、あえて日本人宿を避ける日本人旅行者もいました。
ただ、その「空気」も集団で形成されたものには溶け込めないものの、1対1の個人であれば、何とか顔見知りでも話すことができ、少しずつ自分のペースを取り戻していきました。
この時は、一緒に魚市場に行きここでは食べることなく捨てられるアナゴをもらってきて、醤油と砂糖と塩で作ったたれに浸けてかば焼きを作ったり、ボサノバを弾く旅行者に楽譜をコピーさせてもらってボサノバのリズムを教えてもらったりと、久しぶりにリラックスした時間を過ごしていました。
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場の「空気」に馴染めないときは、集団に注意を向けるのではなく、1対1の個人で話すことに注意を向けてみる。この時は、この作戦で何とか自分のペースを取り戻し、次の目的地へ出発しました。