脳腫瘍手術後の闘病記 ~高次機能障害と向き合って~
ご訪問ありがとうございます。
元看護師の光(ひかり)です。3年前に医師から余命3か月と宣告された私が、奇跡的にレベルⅣの悪性リンパ腫(脳腫瘍)完全寛解(抗がん剤5クール、3ヶ月)を達成し、現在に至るまでの日々をここでシェアします。病気との闘い、支えてくれた家族や友人、そして医療スタッフへの感謝の気持ちを込めて書いています。
日々の言葉
朝の光が新しい一日を照らすように、心の光があなたの毎日を照らし続けます。心の奥深くにある小さな希望が、大きな力となりあなたを支えます。信じること、思い描くことが現実を創り出す力となるのです。今日も新たな気持ちで、笑顔と感謝の心で一日を始めましょう。
(本より)
「病は気から」
この言葉は、幼い頃から耳にタコができるほど聞いてきました。しかし、まさか自分がこの言葉を実感する日が来るとは思いもしませんでした。
2021年11月、私は左脳腫瘍の手術を受けました。その腫瘍は中枢神経系びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(悪性腫瘍)でした。手術の影響で高次機能障害を発症しました。医師からは「失語や麻痺が残る可能性もある」と告げられ、「今日は歩けるのに明日から寝たきりになるのか。一生車椅子生活、ありえない。施設行きかもしれない」と、寝たきりになる未来を想像させられ、絶望の淵にいました。
しかし、私は諦めませんでした。本で読んだ、「私は、病なし。死なし。」を心の中で唱え続けました。
「心で思った世界はこの世に作れる。」
この言葉を信じて、私は「私は健康である、失語、麻痺なし」と強く念じ、手術に臨みました。
奇跡的に、私は意識レベルに問題もなく、失語や麻痺も起こしませんでした。医師からは夫に「話したことが奥さんは理解できなくなる」と告げられていましたが、夫との会話もスムーズではありませんでしたが、日常生活の会話はできました。
言葉の力、そして祈りの力
この経験を通して、私は言葉の力、そして祈りの力を改めて実感しました。言霊があるように、心で思った世界がこの世に作れる。
リハビリが始まり、言語聴覚士と理学療法士の指導のもと、新たな回復への一歩を踏み出しました。
手術後の頭には40針もの縫合跡があり、緊急手術だったため帽子の準備ができていませんでした。そこで夫に頭を覆うニット帽を持ってきてもらったのですが、なんと娘が4歳の時に使っていた子供用のものでした(笑)夫は私用と娘用の区別がつかなかったようです。思いがけず、担当医から「帽子可愛いですね」とお褒めの言葉をいただき、少し照れくさい気持ちになりました。
リハビリは多岐にわたり、自転車こぎ、ゴムを使った下肢トレーニング、重りをつけての脚上げ運動などを行いました。言語聴覚士による高次脳機能検査では、先生の言葉を覚えられないことも多く、時には落ち込むこともありました。しかし、リハビリの時間は人とコミュニケーションを取れる貴重な機会でもありました。特に女性の先生との会話は楽しみの一つとなり、ある時は「こんなにニコニコしている術後患者さんは初めて」と言われたほどです。
実は入院前、ワンオペ育児の専業主婦で、コロナ禍での毎日の家事に疲れ果て、ママ友と「高級ホテルに泊まって家事から解放されたいね」と話していたところでした。皮肉なことに、入院という形でその願いが叶うことになりました。これも「神様からの人生の休暇」だと前向きに捉えることにしました。
脳外科医師全員の回診の際、脳外科の先生方に「お変わりないですか?」と尋ねられ、「入院生活が快適で、お食事も美味しく、ゆっくり過ごせています」と答えたところ、先生方が笑顔になられました(笑)脳腫瘍の患者からそのような回答は珍しかったのでしょう。
以前、育休中に脳出血とクモ膜下出血の経験がある薬剤師の友人から「手術直後は脳が疲れているので、大丈夫。良くなるよ」と励まされ、その友人は手術後、大人になってピアノを習い始め、脳のリハビリになり、失語、麻痺が半年で癒え、脳外科医より許可が出て、2人子供を産んだそうです。あまりの回復ぶりに医師が驚いたそうです!!
退院の際、医師に「1週間休むが、病院にいるか帰るか」と尋ねられ、娘の心配があるため「今日帰りたい」と答えたところ、2週間の一時退院が認められました。退院中は娘のピアノの幼児用テキストで脳トレにピアノの練習をしました。
その後、悪性リンパ腫の可能性が指摘され、PET-CT検査を行いました。他県の大学病院の悪性リンパ腫専門医に医師がセカンドオピニオンを求めたところ、「中枢神経系原発びまん性大細胞型リンパ腫」と診断されました。脳外科医と血液内科医による説明を受けるため、夫と弟同行しました。(兄弟全員、医療従事者)PET検査の結果、脳に腫瘍があり、転移はありませんでした。
手術後、私は日常生活で様々な困難に直面しました。やかんの火を消し忘れたり、思った言葉が出なかったり、入院中は、脳外科の言語聴覚士や理学療法士によるリハビリを受けました。しかし、血液内科では、抗がん剤治療の影響で血球が下がり、リハビリは移植後まで行えませんでした。
元回復期リハビリテーション病棟勤務だった私は、早期のリハビリがいかに大切かを身をもって知っていました。そこで、入院中、自分でリハビリプログラムを作り、折り紙を始めました。
ママ友にLINEで折り紙の写真を送ると、「折り紙講師になれるレベルよ!」と褒めてもらい、嬉しかったです。そこで、毎日娘に折り紙をハガキに貼り、手紙を送るようになりました。
退院時には、リハビリの先生方に折り紙で花束を作って渡し、お礼を伝えたところ、「うわー、可愛い! おりがみの端がきちんと揃っている!」と感動され、喜んでいただきました。
入院中にオンラインで参加した子育て教室の講師は、子供に手書きの手紙を毎日送ることを推奨していました。今の時代はデジタルですが、アナログの手書きの手紙は、子供たちにとってかけがえのない宝物になるのです。娘が、毎日送られるおりがみハガキをとても喜んでくれました。
退院後、脳腫瘍を発見してくれた脳神経外科クリニックの医師にお礼に伺うと、「よく生きれたね! 良い医師に出会えて良かったね!」と言葉をかけてくださいました。この医師も優秀で、大学病院の元準教授でした。私は医師に恵まれたと感じています。
娘の友人のお父さんが、ある大学病院の神経専門放射線科医師です。私のMRI画像を見て、同程度の大きな腫瘍が半年で完全に寛解した例は、今まで見たことがないと言っていました。元気な私の様子を目にし、脳外科や血液内科からの薬の処方がないことに驚いてました。
高次機能障害と向き合う日々
退院後も、高次機能障害による様々な困難に直面しました。朝は、いつもスマホがどこにいったか分からずスマホ探し、アレクサからスマホに電話し探してもらう、病院の会計を忘れて帰ったり、保険証も忘れてて気づかなかったり、頻繁に交通事故に遭ったり、入浴しても顔や体を洗うのを忘れて、もう一度入浴したり、人との約束やオンライン会議の予約を忘れてしまったり、商業施設に買い物に行ったら、買ったものを忘れたり、クレジットカード、マイナンバー入りの電子マネー、家の鍵、車の鍵、自転車の鍵も紛失しました。
これらの問題を克服するため、私は様々な対策を講じました。グーグルカレンダーを活用し、朝はアレクサ(https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=5364343051)に音声でアラームをかけるようにしました。料理のタイマーもアレクサに音声で指示するように設定しました。手帳、スマホ、カレンダーに全て予定を記入するように心がけました。
しかし、それでも交通事故は続き、車に8回もぶつけてしまいました。保健所より、手帳取得を勧められ、脳外科医師が、診断書を書いてくださり、精神福祉士手帳3級を取得しました。
精神障害者福祉士手帳とは?
交通事故の影響で高次脳機能障害が悪化し、物忘れや注意力散漫、集中力低下が進行しました。結果として看護師の仕事自転車通勤中に車と衝突する事故も経験しました。脳外科医師より、看護師の仕事を禁止され、高次脳機能障害専門医からは、車の運転を禁止されました。これを受けて、精神障害者保健福祉士手帳の申請を行いました。
精神障害者保健福祉士手帳の内容
精神障害者保健福祉士手帳は、精神障害や高次脳機能障害を持つ方が利用できる公的な証明書です。以下にその主な内容を示します。
厚生労働省
PET-CT検査とは?
PET-CT検査は、PET検査とCT検査を組み合わせた検査です。
PET検査: 放射性物質を体内に注入し、がん細胞が活発にブドウ糖を消費する性質を利用して、がん細胞を検出する検査です。
CT検査: X線を身体にあてて、断層画像を得る検査です。
PET検査で得られた機能画像と、CT検査で得られた形態画像を組み合わせて解析することで、より詳細な情報を得ることができます。
PET-CT検査のメリット
高精度な診断: がん細胞の早期発見や、転移の有無を高い精度で診断できます。
全身を一度に検査: 全身を一度に検査できるため、複数の臓器にがんが転移している場合でも、一度の検査で把握できます。
治療効果の評価: 治療後の経過観察や、治療効果の評価にも有効です。
PET-CT検査を受ける場合
がんの診断: 他の検査でがんが疑われる場合
がんの再発、転移の診断: 治療後にがんが再発したり、転移したかどうかを調べる場合
がんのステージング: がんの広がり具合を調べる場合
治療効果の評価: 治療の効果を評価する場合
PET-CT検査の流れ
問診: 検査前の体調やアレルギーなどについて医師に詳しく説明します。
放射性物質の注射: 静脈から放射性物質を注射します。
検査: PET装置とCT装置で検査を行います。
結果説明: 医師から検査結果の説明を受けます。
PET-CT検査の注意点
妊娠中の方: 胎児への影響が懸念されるため、原則として検査は行いません。
授乳中の方: 検査後はしばらくの間、授乳を控える必要があります。
腎機能が低下している方: 放射性物質の排泄が遅れる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
PET-CT検査は、がんの診断や治療において非常に重要な役割を果たしている検査です。高精度な診断が可能であり、早期発見や治療効果の評価に役立ちます。
ご自身の状態や検査について、医師にご相談いただくことが大切です。
最後に
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。私の経験が少しでも皆さんの励みや希望になれば幸いです。もしよろしければ、いいねやフォロー、スキを押していただけると嬉しいです。これからも、感謝と希望を込めた記事をお届けしていきますので、よろしくお願いいたします。
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