ヒストリックBo1の常識(BLB期まで)
こんにちは。
しばらく放置していた拙著、ヒストリックBo1の常識ですが(おそらくMH3で環境が激変した需要から)未だに読まれているようなので最新版を出す必要があると思いこのnoteを作成しました。
あのnoteはLCI(イクサラン失われし洞窟)環境で作成したのでMH3(モダンホライゾン3)の話は一切書いておらず、
それ目的で読んだ方に申し訳ないという気持ちもあります。
使用している画像はパンパラパンパンパンパラパンパンピポピポピー様のMagic Image Generatorを使用しました。
MH3実装直後環境のおさらい
MH3が実装され、環境はエネルギーデッキだらけになりました。
環境の半分以上が猫使いになるぐらい異常なほど流行りました。
エネルギーデッキは猫ウィニーとジェスカイコントロールのニ種類に分別されます。
まずはこれらのデッキを解説します。
猫ウィニー
大半がMH3のカードで構成。
レオニンの先兵や魂の導き手とオセロットの群れで昇殿(パーマネント10枚を並べると達成、追加効果)を達成したり、ゴブリンの砲撃とナカティルの最下層民、アジャニでコンボを狙い盤面を作っていくデッキです。
悪事カードに静牢、電気放出の計8枚除去を採用し序盤を凌ぐ力もあります。
白いデッキなのでその他エスパーの歩哨、現実の断片化を採用可能。
言わずとしれた入れ得汎用カードです。
ナーフ前(8/6)環境中期にはミラー対策に陽光浄化者が採用されるようになりました。
更にナーフ前環境終期には黒を足してマルコフ家のソリンや敵対するもの、オブ・ニクシリス採用型が試されました。
ジェスカイコントロール
主力カードとして知りたがりの学徒、タミヨウと空の怒りを採用。
暇な時はタミヨウで調査してゲーム後半の為のアドを着実に稼ぎ、必要なら空の怒りで盤面リセットします。
更に倦怠の宝珠、厳しい試験官、静寂をもたらすもの、門衛のスラルといったETB(これが戦場に出た時~の総称)誘発封じを大量に採用しています。
そう、このデッキは猫ウィニーを倒すのを目的としたデッキです。
MH3環境初期のヒストリックと対抗勢力
MH3環境初期はこれら二種類とそれ以外のデッキという状態。オーコを使いたくないプレイヤーたち?
トップメタだったイゼットウィザードは猫ウィニーのゲインやトークン物量作戦に押されてしまうのか姿を消しました。
ついでにアゾコンも消えました。
コントロールはウィニーに弱いからでしょうか?私的には10枚以上ラスを入れたデッキを持っていったら10戦しても猫に一切当たらず他デッキに負かされたのが忘れられません(エルフとはマッチしましたが私がアホなので負けました)。
一見最強に見える猫ウィニー、実際にミシックランク2桁になった方もいるぐらいには強いデッキなのですが、ここはヒストリックBo1。
猫には致命的な欠点があります。
このデッキでは安定した4キルが出来ません。
一方墓地利用コンボ側はOTJ(サンダー・ジャンクションの無法者)版SPG(スペシャルゲスト)から頑強を、MH3から変容する森林を得ていました。
リアニメイトした方が安定して4キル出来ます。
環境定義側は(メタられまくるので)最弱というのが私個人の持論ですが、メタ読み通り変容全知デッキで大量の猫を倒し2024/7月末にミシック到達しました。使ったリストはほぼフォロワー様のデッキレシピなので人の褌で相撲を取る行為ですが。次の項目でリアニデッキを解説します。
変容全知
リアニデッキ。
おおまかな勝利方法ですが、変容する森林を墓地の全知や王神の贈り物に化けさせてゲームを終わらせます。昂揚達成は難しそうに見えますが切削カードを使えば意外と簡単。
王神で使いたいクリーチャーは偉大なる統一者、アトラクサや穢すもの、ウラモグ。
特にウラモグは速攻滅殺10(滅殺持ちが攻撃するたび数値の数だけ相手はパーマネントを生け贄にしなければいけない。10なので場が壊滅する)という台バンものの理不尽を相手に押し付けられます。
その他に採用されるのは大修道士、エリシュ・ノーン。
生体ラス効果で猫を全滅させ、ファイレクシアンの恐ろしさを見せてくれます。
いつものリアニと違うのは変容する森林を経由するので化けたいカードを場に出すのに呪文を唱えません。
つまり打ち消しが当たりません。という事はコンボの欠点である初動を打ち消されて負けが起こりにくくなります。
なお現実の断片化は当たります。早く禁止になりませんかね猫ウィニーの攻撃を防げるの?と思うかもしれませんが赤全体火力に吸血鬼の復讐という環境にマッチしたラスがあります。
全体2点ダメージあれば猫の大半は倒せます。血トークンで手札を入れ換えられるのもグッド。
強化済のアジャニの群れ仲間系統は倒せませんが群れ仲間単独では回復・強化できないので時間稼ぎと考えれば良いでしょう。
頑強スフィンクス
変容全知と同じくリアニデッキ。
墓地を肥やしてリアニで失われた宝物庫の学者の本来のコストを踏み倒しETBでソーサリーを踏み倒し使用します。
踏み倒し先カードには出現の根本原理に加え勝利の算段や新緑の蘇りといった普段見かけないカードが使われます。
最終的には多元宇宙の突破を連打し学者や陰謀の解明者を大量に並べ、アールンドの天啓で追加ターンを得て飛行アタックで勝つか狂気の祭壇で相手をLOさせて勝利します。
注目すべき点は頑強が2マナのカードである事。
学者と踏み倒し先ソーサリーを1ターン目に墓地に送る事が出来れば理論上2キル出来ます。
エネルギー、実は強くない?
ユーザー使用率が異様なだけで猫での4キルはブン回りしないと無理です。
かたやリアニ側は大抵4キルします。
実質たった10枚(初手7枚とドロー3枚)のカードで戦うヒストリックBo1でエネルギー側はリアニに非常に不利。
エネルギー側は基本的に除去対象が着地した後でしか悪事カードを使えないので必ず一手行動を許してしまいます。
リアニ側の全知に現実の断片化を投げようとしても手札から2枚目の全知を出されたらもう止まりません。
猫ウィニー側との防御意識の差を利用すればリアニ側が勝利可能。前述の通りミシック到達出来ました。
ちなみに2024/8月には猫ウィニー側の墓地対意識が高まっておりスレイベンの魔除けが採用されるよりになり、リアニとはいい勝負になりました。
つまり陽光浄化者やスレイベンの魔除けに左右されず4キル出来るデッキがあればヒストリック環境で勝ちやすくなります。
そんな都合の良いデッキが……
ありました。よく見ると割と魔除けに弱いですがたまたまなのか除去に使われた事はないです。
ハンマータイム
2キルの定番ハンマータイム。
やる事は簡単、巨像の鎚をどうにかしてクリーチャーに装備させ殴り勝つだけです。
ハンマータイムが環境から消えたのは現実の断片化とアノールの焔のせいです。
これらを使うアゾコンもイゼットウィザードも消えたので相対的に勝ちやすくなりました。
OTJ版SPGであの石鍛冶の神秘家を獲得したのも追い風。今まではフェイの血筋のケラン頼りだった装備サーチですが、クリーチャーを出さずターンパスという隙だらけの行動を取らなければいけませんでした。
石鍛冶の神秘家ならその隙が大きく軽減されます。
部族が戦士ではない点だけ残念ですが仕方ないでしょう。
ハンマータイムは安定こそしませんが、ヒストリックBo1での勝ち方は相手の土俵に上がらない事なので4キル特化デッキだというだけで猫ウィニーに有利を取れます。
机上の空論ではない事を証明する為に実践した結果、エネルギー関連がナーフされた後の2024/8月半ばにハンマータイムでミシック到達出来ました。これもネットレシピを微調整したものなので自分の手柄ではありませんが。
猫ウィニーについて
猫ウィニーは4キルが厳しく、防御面でもライフが3桁になってベルチャー即死圏内から逃げ切る事も出来ません。
少なくともヒストリックBo1という特異環境においては特徴だらけにも関わらず特徴のない平凡なデッキというトンデモな結論になってしまいます。
何故こんなイカれた理論がまかり通るのか?
過去noteで説明しましたがヒストリックBo1のデッキは相手を詰ませる、全力妨害、ひたすら除去して相手を機能停止させる3種類しかデッキパターンがありません。
4キル全力妨害デッキのエネルギージェスカイコントロールはともかく、猫ウィニーはこのどれにも該当しません。
この一点だけでデッキ評価が決まる魔境がヒストリック。
デッキを作る際には意識してみましょう。
エネルギージェスカイコントロールのその後
アンチETBを目標に組まれているデッキですが、ETB無効化を自分側でも利用する為に火の怒りのタイタン、フレージや虚構漂いが採用されるようになりました。
ここに隙があります。
コントロールであるにも関わらず青いカードはタミヨウ、語りの調律、表現の反復、虚構漂いぐらいで青が脅威とされる理由、打ち消しをあまり採用しない傾向にあります。
使われるのは霊気の撃ち込みぐらいでしょうか。
というかコントロールの筈なのに土地を寝かせます。
コントロールと認識しているのが間違いでミッドレンジなのかもしれませんね。
ハンマータイム側からしたら最大の脅威は現実の断片化と打ち消しなので微有利と言えなくもないです。
ナーフ後のヒストリックBo1環境
24/8/6に電気放出、魂の導き手、オセロットの群れがナーフされました。正直頑強の方がヤバいと思いますが墓地対で詰むからかノータッチ。
電気放出は得られるエネルギーが2に減少、
魂の導き手は飛行させるのに必要なエネルギーが4に、
オセロットの群れはマナコストが1白に変更。
これにより勢力図が変動しました。
まだまだ猫ウィニー(とリアニ)だらけですが、姿を消していたアゾコンとイゼットウィザードが少量ながら姿を見せるようになりました。
そのおかげで手放しでハンマータイム一強と言えないちょうどいい環境が出来上がっています。トラフトシュートに強かった忍術とドレッジは空の怒りと墓地対の被害を受けてか消えたままです。
他にもMH3でワイアウッドの共生虫とティタニアの僧侶を獲得したエルフも地味に勢力を伸ばしています。
共生虫を除去できないと大量のマナを確保されて負けます。
その他既存デッキはベルチャー、緑単信心を見かけます。
ベルチャーはBLC(イマジン:勇敢なる生き物たち)で極楽鳥、MH3でボルトランド(3点ダメージ=稲妻=Lighting Boltを受ければアンタップインする土地の総称)を大量獲得して強化。従来のイゼット型以外にもシミック型ベルチャーを見かけるようになりました。これら2種もハンマータイムに強いといえば強いので意外と四面楚歌なのかもしれません?
ともあれ、ナーフ前はエネルギーだらけでたまにエルフ、ベルチャー、緑単信心だった環境はかなり改善されました。2キルデッキが2種類も野放しな現在が健全かはさておきヒストリックに多様性が戻ってきたので平和な環境と言えるでしょう。
ちなみに上記の見かけたデッキはプラチナ~ダイヤ帯のお話でミシック帯ではまた違うデッキに遭遇します。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
あれ、あのカードは?
超能力蛙は?
有翼の叡智、ナドゥは?
なんで一言も触れてないの?
と思ったかもしれません。
……見かけないんです。本当にまったく見かけないんです。
厳密には超能力蛙はエネルギーナーフ前に少量いたんですが、墓地対意識が高まったからか消えてしまいました。
飛行できなければ猫トークンにキャッチされるだけだからでしょうか?
……ナドゥ?
2ターン目に棘を播く者、逆棘のビルを出して3ターン目にナドゥを場に、4ターン目になってもこれらが一切除去されなければ強いですね。
……クリーチャーが一切除去されないなら発見コンボで勝っていませんか?
地質鑑定士がナーフされたとはいえクイントリウス版コンボを含め4キルは標準値。
1本先取のゲームに勝ちたいだけなら不安定なカードを使う必要がないのです。ナドゥが不安定とかどれだけ狂った環境なのか……
本来ならプロプレイヤーすら禁止してとツイートするモダン環境定義カードの筈ですがヒストリックBo1では遅く、重く、勝ちたいだけなら別のカードで勝てばいいという結論になるカードです。
Bo3を含めナドゥでミシック到達しました!という話は全然聞かないのでアリーナはやっぱりガラパゴスですね……
オチがついたところで本当に終了です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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