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ヒストリックBo1の常識(LCI期まで)

24/3/6追記 相手のカードしか対象に取れないようにテキスト自体が変更され、トラフトシュートデッキ自体が成立しなくなりました。

こんにちは。
2023/11/12にMTGアリーナで予選プレイインがありました。
プレイインを抜けたデッキの中に開始時に手札にあれば場に出せる~の力線に現実の断片化を使い1ターン目に3マナクリーチャーを確実に場に出すトラフトデッキが6-0したというツイートを見かけました。

4マナエンチャントを0ターンに出す事で1ターン目に聖トラフトの霊が場に出る

これが大きく広まったのかプレイイン後はトラフトデッキが大増殖。
イゼットウィザードを使っていた私の主観ではこの1Tトラフトデッキには手も足も出ない為ヒストリックのメタが変動した……気がします。

……ヒストリックのメタとは?
というかヒストリックで使われているデッキとは?
そもそもヒストリックの常識とは?
まずはこれらの常識や代表的なデッキを解説してみたいと思います。
その後トラフトはどのようにメタを変動させたのか?を解説します。

常識・デッキ解説部分を読み飛ばしたい方は
何故トラフトシュートが流行るのかの項目以降をお読みください。


ヒストリックBo1には3種類のデッキしかない

ものすごく雑に分類するとヒストリックには4ターン以内に相手を詰ませるデッキ、それを全力で妨害するデッキ、片っ端から除去して相手を機能停止させるデッキの3種類しかありません。
「倒す」ではなく「詰ませる」と表現しているのはソウルシスターズでライフが3桁を突破する緑単信心で信心が20を超える等も含んだ表現だからです(こうなると普通のデッキではまず勝てない)。
世はまさに世紀末。

それぞれの代表的なデッキは
4ターンどころか最速2ターンキル可能なハンマータイム、
対戦相手が使うと世界最強のデッキ(個人の感想)アゾコン、
ヒストリックの王者に君臨し続けたイゼットウィザード。
どれもヒストリックを遊んでいなくても名前を聞いたことがある筈です。

あのカード、ヒストリックBo1では見かけない?

タルモゴイフ、包囲サイ、黙示録シェオルドレッド等歴代スタンの強カードがヒストリックでは使えます。
ですがヒストリックではほとんど見かけません。
4ターン以内に相手を詰ませるデッキにこれらは一切寄与しないからです。

これだけでゲームは終わらない

片っ端から除去して相手を機能停止させるデッキなら採用枠がありますがその枠はこれらのカードでなくてもいいという問題は解決しません。採用されているのはシェオルドレッドぐらいでしょうか。
恐ろしい事にこの理論、スタン禁止の鏡割りの寓話すら後攻3ターン目に使うと対戦相手は涙を流して喜ぶ事になってしまいます
(誇張表現ですが2割ぐらいは本当)。

3マナのカードに重く遅いという表現が使われる恐怖

4キルデッキ視点ではどうせ4キルするのだから2/2トークンが出るだけのカードが強い筈がなく、
アゾコンには打ち消されるだけなのではいはいとしか思われないでしょう。
土地をすべて寝かせるという代償はそれほど重いのです。

そんなおかしな理論がまかり通るヒストリックで使われるデッキをいくつか解説しましょう。

4ターン以内に相手を詰ませるデッキ

とにかく最速で相手を詰ませます。ここで解説したもの以外にも緑単信心、セレズニアカンパニー、ベルチャー、ドレッジ、サムワイズフード等があります。

ハンマータイム

シガルダの助けの効果で巨像の鎚を即クリーチャーに装備、10/10の修整を与えるハンマーで相手を殴り倒すデッキ。
理論上2ターンキル可能です。

騒音の悪獣で11点与えて自壊すれば追撃の11点が通って勝利

この世紀末2キルの前には1マナ妨害が入っていないデッキはそれだけで不利になるので1マナ妨害環境がより先鋭化しました。
ハンマータイムが流行った事によりアド損アド損と叫びながら敗北するのが一番の損失という常識が作られたので結果アゾコンに現実の断片化が複数枚採用されるのが当たり前になりました。

ヒストリック最強クラスの1マナ除去

除去ではなく妨害と表現しているのはハンデスや打ち消しを含んでいる為。
成功した時の衝撃ばかりが強いですが実際は中々パーツが揃わない、打ち消しや現実の断片化で容易く無力化される等々使う側としては色々困るデッキ。攻め手の根気次第ですが良くも悪くも秒で終わります。

ドラゴンストーム

ストリクスヘイヴン:魔法学院の発売から約一か月後のヒストリック・アンソロジー5(2021/5/28)実装時から使えるヒストリック古豪。
ライブラリーから場にドラゴンを出すストームスペルドラゴンの嵐、
ドラゴンの嵐を4マナで使えるようにするミジックスの熟達、
複数枚場に出し伝説ルールで意図的に墓地に落とし同カードの効果で場に再度戻すを繰り返せる返ってきた刃の翼
クリーチャーが場に出るたびパワー分のダメージを与える峰の恐怖。
これらを組み合わせる事で半永久的に峰の恐怖が4ダメージを相手に与え続け勝利できます(厳密にはドラゴンの嵐等を墓地に送るカードがもう1枚必要)。
相手が神聖の力線や虚空の力線を貼っていると逆にドラゴンストーム側が0ターンキルされます。

ミジックスの熟達はドラゴンストーム以外のデッキでも大忙し
初手にある事を祈ります

綺麗に4マナまで伸ばせるか、ミジックスの熟達を用意できるかといった細かな問題はありますが4キルの基準を作ったのは間違いなくこれとネオストーム。
領事の権限1枚で詰むネオストームと違い今でもランク戦で見かける程度には強いデッキです。

速攻ワンショット妨害には必須のカード
これで止めて返しにラスがコントロールの基本?

ヨーグモス医院(ヒストリック版)

序盤にマナクリを並べ大量のマナを確保、4~5ターン目にスランの医師、ヨーグモスを召喚。相手の場のクリーチャーに-1カウンターを乗せながらキーワード能力「不死」を持つ若き狼を探します。
不死クリーチャーが死亡した際に+1カウンターが乗っていなければ+1カウンターが乗った状態で復活。若き狼を2枚場に用意出来れば-1カウンターを若き狼に乗せる事で不死を半永久的に利用できます。
最終的に血の芸術家やズーラポートの殺し屋の半永久ドレインで勝利します。

不死クリーチャーは+1カウンターが乗って復活するので-1カウンターと相殺できる

エクスプローラー・アンソロジー3で召喚の調べが追加されたのでデッキがより安定するようになりました。
序盤の安定にハンデスや除去も採用されているので出オチになりがちな前述のデッキと比べるとより確実に相手を詰ませるデッキと言えるでしょう。

トドメ用にドレインクリーチャーを引っ張って来るのにも大活躍

欠点は墓地を経由してループを起こすという箇所。
つまり墓掘りの檻や虚空の力線に非常に弱いです。
アゾコン相手でもヨーグモスの着地は許してもらえないでしょう。

地味に改行がおかしい墓掘りの檻

全力で妨害するデッキ

ひたすらターンを稼ぎます。
ドミナリアの英雄、テフェリーを場に出せるだけのマナを確保してからじっくりと相手に反撃するのが基本。

アゾリウスコントロール

亜種に白単コン、ジェスカイコン。
打ち消しや除去でひたすら相手の妨害を行います。相手が疲弊してからPWを起点にじっくりと反撃開始。主な勝利方法はテフェリー奥義、サメ台風、副陽の接近。

1~5ターンは相手の妨害を行うターン

打ち消し側の内情は火の車とも言われます。
その割には神聖な粛清や至高の評決を食らわなければ勝ちという盤面でラスが飛んでくる気がしますが気のせいでしょう。

全除去の俗称がラスなのは全除去の始祖である神の怒りの英名から

欠点は呪文を呪文で妨害するので土地からトークンが出るのに弱いです。

呪文が妨害されるほど損失になるのならクリーチャー呪文に頼らず勝てばいい理論

使われる側の推察にすぎませんがアゾコン側は現実の断片化や一時の猶予を4積みし神聖な粛清も採用している筈なので4ターン以内に相手を詰ませるデッキは非常に不利。
打ち消されない魂の洞窟や緑単エルフがどれだけ対抗できるでしょうか。

4キルデッキが止まる主な原因
これからに期待

セレズニアエンチャントレス

ダメージを受ける場合それを軽減しこのカードにカウンターを置き、9貯まったら敗北する九つの命とカウンターを置く事が出来なくなる厳粛を組み合わせ理論上無敵になるデッキ。
ライフを失うは貫通するので黙示録シェオルドレッドに弱い、軽減なので砕骨の巨人にも弱い色々粗のある無敵だったのですがWOTでファイレクシアの非生を獲得して欠点を克服。

出せばだいたい勝ち

九つの命が場を離れた時コントローラーは敗北するのでエンチャント全破壊ぐらいにしか倒される要素がなくなりました。
その欠点もテフェリーの防御でカバー可能。

フェイズ・アウトなら守れる

ここまでガチガチにされると普通のデッキでは勝てません。
ライフが21億あってもLOしたら負けです。
エンチャントレス側のLO対策は高貴なる行いの書+変わり谷で防いでおけばLO負けもしません。
厳粛でカウンターは置けないのでこれは間違いです。
ガバガバ執筆している私が悪いので戒めとして残してあります。

弱点は例によって打ち消しとウィニーの大群。また、九つの命は呪禁を持っていますが厳粛やファイレクシアの非生には呪禁がないのでこれを破壊出来ればチャンスがあります。
エンチャントレス側もそれは承知なので2ターン目に真の木立ちが置いてある所までお約束。

被覆は呪禁のような効果

グルールランデス

1ターン目にラノワールのエルフを出して2ターン目のマナを確保、2ターン目以降に石の雨や浄化の野火を使い相手の土地を壊します。
4キルデッキも妨害デッキも土地がなければ何もできません。
ヒストリックで広がりゆく海が禁止されているのは土地破壊デッキとの遭遇時の不快感軽減の為でしょう。

派手さはNo.1

対戦相手がマナフラする人でもないとこの戦法は面白いように決まります。
こういうデッキを使う時に限って対戦相手は何もなければマナフラしていたり才能の試験で打ち消されたり1マナあれば十分なハンマータイムだったりするんですがこれも気のせいでしょう。

片っ端から除去して相手を機能停止させるデッキ

文字通り除去し続けて相手の盤面を更地に近づけます。
その後は自分側のクリーチャーや置物等で盤面をより有利にします。
他のデッキは黒単、ラクドスミッドレンジ等。

イゼットウィザード

ヒストリック王者と言われるデッキ。
攻撃速度が非常に早く1~2ターン目から仕掛けてきます。
対称の賢者はアルケミー上方修正のおかげでいまだに最強の1マナクリーチャーに君臨しています。
クリーチャーを出せば火力で焼かれ、出さなければプレイヤーを焼かれるので一瞬も油断できません。
4キル妨害側なのに3~4キルも可能というトンデモデッキです。

ヒストリックの1マナは重要なので王者になるべくしてなったとも

欠点はタフネス4生物連打に弱い事。
アノールの焔でもないと除去できません。

地味にハンマータイム対策も兼ねている

セレズニアカンパニーあたりが優位に立ちやすいでしょうか。
例によって神聖の力線、墓地利用要素もあるので虚空の力線にも弱いです。
アゾコンとの相性は……プレイヤーの練度次第でしょうか。
勝ったと油断した相手がテフェリーを唱え打ち消しできないところをプレイヤー火力で勝利したことはあります。

オーニソプター

飛行機械(Thopter)クリーチャーを生け贄にしタップするだけで4/4トークンに変換する改良式鋳造所の実装以降ヒストリックで地味に勢力を築いています。

ハンマータイムはチャンプブロックに弱かった

アゾリウス型とボロス型があり、
アゾリウス型のほうが多く採用されているでしょうか。
アゾリウス型はポータブル・ホールや金属の𠮟責で要所要所を妨害、
ボロス型は絞殺やヨーティアの宣戦布告で根こそぎ除去するタイプ。

即席を雑に言うとアーティファクトをタップすると無色1マナ出るようにする能力
ひたすら序盤の相手クリーチャーを除去する

ボロス型は夢の巣のルールス+ヨーティアの宣戦布告で毎ターン除去可能、
アゾリウス型はドロー促進カードが採用されているのでそれぞれの強みがあります。
マナフラに強いのが見逃せないポイントで、改良式鋳造所を放置すると酷い目にあいます。増えたアーティファクトはイラクサ嚢胞や魅知子の真理の支配で無駄なく利用してきます。

0/2だからと放置していると羽ばたき飛行機械が急に凶悪に

欠点はノンクリーチャーデッキに弱い事。
クリーチャーを除去して盤面を有利にするカードが手札で無駄札に変わります。
その問題を見越してアゾリウス型が採用されやすいのでしょう。

青だけで2枚引かれることも

ジャンドコントロール

1~2マナの軽量カードを暗黒時代の後継、ジャーシルで再利用しながらウィニークリーチャーを除去しつつ盤面を有利に。トドメは除去して墓地に行ったクリーチャーを追放してサイズアップした漁る軟泥で行います。
イゼットウィザードでも苦戦~普通に負けるのでなるべく相手したくないデッキ。

不要な土地はクルシアスで処分
タルモゴイフが使われない理由の大半が漁る軟泥

欠点はボロス型オーニソプターと同じ。ノンクリ相手には除去が役立たないので時間稼ぎ策が無駄になりやすいです。

聖トラフトの霊について

何故トラフトシュートが流行るのか

ここからが本題。
聖トラフトの霊はヒストリックの常識をいかに変えたのかを見ていきます。

トラフトシュートは4キルデッキです。
ヒストリックは4ターン目にはほぼデュエルの結論が出ているのでこのゲームレンジは普通
問題視されているのは呪禁クリーチャーが1ターン目に出る点。
呪禁持ちには布告やラスしか除去が当たりません。このあたりが嫌いな人は嫌いな理由と言えるでしょう。

3ターン目に出るならまだしも1ターン目は中々凶悪

……行きつくところまで行きついたのは全て現実の断片化が原因。
剣を鍬にの亜種が弱い筈がなく、あれだけ騒がれたのに今は見る影もないハンマータイムを容易く無力化する最強の1マナ除去として今もヒストリックに君臨しています。

とりあえずクリーチャーに撃っておけば色々止まる

どんなクリーチャーデッキもハピ現実の断片化(と領事の権限)で止まりますが様々な4キルデッキを1年以上使った私の結論ですが、なら呪禁クリーチャーで戦えばいいんじゃね?と考えるプレイヤーが出るのも当然と言えるでしょう。
呪禁とブロックされないを持つ理想的なクリーチャー、不可視の忍び寄りもいますがそれを強化するカードを現実の断片化で追放すればいいだけです。
追放ではなく破壊なら再鍛造を使えばいいとなったのですが……

流行りそうで流行らない

話が横に逸れましたが現実の断片化を対策するのに最適なデッキは現実の断片化を使用する事で成立します。現実の断片化はトークンには当てられないので聖トラフトの霊は現実の断片化への最適解なのです。

奇しくも現実の断片化への完全耐性を持っていた
オーラエンチャントを追放されることで思わぬ返り討ちパターンは一応ある

トラフトシュートの具体的な手順

トラフトシュートの理想手順を見ていきます。

  1.  白マナの出る土地1枚、現実の断片化、~の力線が全て1枚以上ある手札をキープ

  2.  現実の断片化を自分の場の力線に使い1ターン目に聖トラフトの霊がタップ状態で戦場に出る

  3.  2ターン目にパワーを上げる飛行エンチャントをつけて攻撃

  4.  相手プレイヤーに4/4トークンと一緒に3回攻撃(3+4)×3=21ダメージ与えて勝利

1ターン目はタップしているので4ターンキル。大事なことなので2回言いますがキルターンとしては普通です。
使う側の視点でいくつか補足。

・土地が1枚でいい
土地事故に苦しまなかったプレイヤーはいないでしょうがこのデッキは1マナあればそれで完結します。真に不平等感があるのはここかもしれません。

・先行を取れたら即座にシュートする
たまに先行を取っても現実の断片化を即座に使わずターン終了する人がいますが、そんな事をしてしまうと相手の呪文貫きで逆にこっちが1キルされます。

(この試合は私が先行でしたが)呪文貫きがあったので即シュートせず現実の断片化を打ち消し

・生け贄に捧げられるトークンはとんずらで生存させる事が出来る
覚えておくと差がつくテクニック。フル操作モードにしないといけませんが
トラフトの生け贄に捧げる効果にスタックしたり攻撃ダメージを与えた直後にとんずらでフェイズ・アウトさせることで生け贄に捧げるタイミングに存在しない扱いになり次ターンから5/5飛行トークンが毎ターン殴っていけます。

負けたくないのでお互いに相手トークンにとんずらをぶつけあう地獄絵図

・力線を出されただけで詰むデッキがいくつかある
虚空の力線はドレッジやドラゴンストームを、神聖の力線はベルチャーやドラゴンストームを0ターンキルします。
最近のセレズニアエンチャントレスは神聖の力線や安らかなる眠りを普通に採用しているのでこれはトラフトシュート固有の問題ではない印象。

いかに負けないかを基準にデッキを作るのが常識に?

・布告に弱い
呪禁も生け贄に捧げるには無力。
1マナの布告はアリーナにもあるのでこれを4積みするのが新しい常識になるかもしれません。
シェオルドレッドの勅令にも相手の呪禁貫通、トークンを身代わりにして除去されないを無視できる要素の両方があるので対処札としてはほぼ完璧。黒コントロールならこれら2種を入れない理由はないでしょう。

ラスと同じく布告の俗称も同系統カードの始祖から(アリーナ未実装)
ここまでされると勝てません

・ラスに弱い?
呪禁ではラスに対処できません。
つまりラスが有効という事になります。

……ヒストリックプレイヤーがスピリット相手にラスを投げて一度たりとも打ち消されなかったことはない筈です。
そう、トラフト側は呪文貫きやとんずらを使用してきます。
神聖な粛清は呪文貫きで対処し至高の評決はとんずらで回避。
1マナ妨害の数が勝負を決めるでしょう。

領事の権限+神聖な粛清×2を呪文貫きととんずらで力技で突破する図

トラフトシュートから見るメタ波及

トラフトシュートが流行った事によりヒストリックのメタは確実に変化しました。
変化メタ内容は私の主観でありそれが主流になったという統計がある訳ではありません。

対戦相手に使われたものだけを挙げているので一応出鱈目ではないです。

全般的な傾向としては除去されなければ強いデッキがより強くなりました。
どういう事かというと、トラフト側は現実の断片化しか除去がないので相手の反撃はライフで受けるしかありません。
セレズニア/アゾリウスオーラのようなクリーチャーワントップデッキに弱いです。

青単探訪のような特化型にも弱いです。
イゼットウィザードあたりに駆逐された印象でしたが環境に返り咲けるでしょうか。

執着的探訪を3枚も付けられると逆にすがすがしい

虚空の力線を毎回余分に置けるとは限りません。
早いターンからの大量展開と言えばドレッジ。
防御はナルコメーバに任せて残りの面子で殴っていれば手も足も出ないでしょう。

這い寄る恐怖4枚は無理

飛行クリーチャーデッキといえばセレズニアエンジェル。
引き運がないトラフト相手にはクリーチャーの質で容易く無力化できます。
4ターン目には8カンパニーのいずれかを唱えられるでしょう。
そうできなくてもライフゲインでキルターンを大幅にズラす事ができます。

ヒストリックに限った事ではありませんが、MTGは相手のゲームレンジに付き合わない事が重要です。
トラフトが4ターンキルしてくるなら20ダメージ与えれば勝ちというゴール自体をライフゲインで動かしてしまえばいいのです。
トラフト側も弱点は承知なのでいずれは天上の鎧+無鉄砲のような白緑型が流行るかもしれませんね。

今はアゾリウス型が主流だが……?

ここからは面白いと思った対トラフトデッキの紹介。
トラフトシュートでトラフトではなく朽ちゆくレギサウルスを出してトランプルで相手を殴り倒すレギサウルスシュート。
チャンプブロックを考えると除去されなければ強さはトラフト以上と言えます。

モックス・アンバーと速攻付与で力技で攻撃を通して圧をかけていくラヒルダ赤単。ヒストリックでラガバンは禁止ですが似た様な効果でうまくアドを取っていきます。

画像が半端な戦局ですが負けました

イゼットウィザードもやられっぱなしで黙っていません。
1マナ4点ダメージの無謀な怒りでトークンを除去してきます。
損魂魔道士のダメージを-1カウンターで与える効果も厄介です。
また、果敢修整でトラフトを受け止める事も可能。
イゼットウィザードが本気を出せばワンショットは簡単なので損魂魔道士の練度がトラフトシュートのいなし方に直結するでしょう。

呪文貫きも誘発には無力

新勢力の無限探検ワンショット。
新カード、アマリア・べナヴィデス・アギーレの効果でゲインするたび探検しゲインすればダイナで相手にライフロス。隣に探検するたびゲインする野茂み歩きがいればループ完成。この状態で別カードでゲインするか探検クリーチャーを出せば相手のライフが減り続けます。
アマリアがパワー20になるとラス効果が発動してしまいますがその前にライフを0にできるでしょう。

偶然こっちが1手早かっただけで負けもありえた

緑単信心のサイドボードに使われる程度だったクロールの銛撃ちがメインから採用されるように。トラフトと相打ちになれば役割は終えているので完璧な対策カードです。

4キル失敗したらだいたいこうなります

トラフト側が天上の鎧しか引けなかった場合の地上チャンプ生物を確保しつつ確実に差をつけていく整列ロープの係員召集。
貯まったクリーチャーはイーオスの遍歴の騎士で有効活用。

このようにトラフトシュート前には見かけなかったデッキが使われるようになり、確実にヒストリック環境を変化させています。
そのほかにも今までとは違ったタイプの赤単スペルが現れたりとトラフトシュートが流行った結果必要悪としてヒストリックの多様性を生みました。

オチ

現実の断片化が禁止されるよう最後にそれっぽい事を言って〆としたかったのですが、これを読んでいる人の大半はオチを最初から知っているでしょう。

……地質鑑定士のほうがヤバいのでは?

ネオストームと違ってほぼ1枚コンボなのが問題のようだ

ネオストームは墓掘りの檻にも弱かったのですが発見は追放領域から唱えているので墓掘りの檻では防ぐことが出来ません。
追記:玻璃池のミミックは止まりませんが異界の進化は防げるようです。速攻ワンショットは防げますね。
それを見越しているのか太陽の寵児、パントラザを採用したタイプも見かけます。

……ただし、クリーチャーワンショットは領事の権限に弱いという致命的な欠点は変わらないです。地質鑑定士が一過性の流行となるかは不明。とりあえず下記カードのいずれかが増える原因にはなるでしょう。

発見を妨害しましょうセット

……クリーチャー単体を止めるなら結局現実の断片化が最適な対処カードなのです。
という事でワンショットデッキ抑止力になる現実の断片化が禁止される事はないのでした。禁止されてほしいからこの記事を書いていたんですけどね

24/3/6追記 当時はあえて書いていませんでしたが対戦相手のカードしか対象に取れなくするだけでトラフトシュートが成立しなくなるのは執筆段階で認識していました。
タイムレスでも余裕で勝てるデッキなので残当。
現実の断片化が禁止される日は永久に来ないでしょう。


おまけ:トラフトシュートは霧の呼び手で先行1キルできます。というかされました。

発見には対応していないのが残念
追記:これも異界の進化を止められます


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