旦那さんに後ろから撃たれる

昨日きいた育児愚痴。小学生二人お子さんのいる40代主婦の方。いま小学生には、登校前に、熱・のどの痛み・咳・だるさ・息苦しさなど、確認して報告しなければならない多数の健康チェック項目がありまして「そのうち一つでも該当する場合は学校を休ませてください」とあってですね、でもほら「のどの痛み」なんて「あるか・ないか」で聞けば、口呼吸してる子供の寝起きなんてだいたい喉は痛いわけですよ。ここで育児勘のある人間は、子供が訴えたときに「ははーん、ズル休みだな?」という直感が働くそうです。私もです。小学生のホントに痛いかどうかの演技なんか見抜けるわけですよ。子供にちゃんと向き合っていたら。毎日話を聞いて、長い時間つきあっていたらね。もちろん本当に病気の場合もありますから、過去に何度か学校をお休みして、もちろん仕事も各方面に連絡調整などして貴重な休日をつぶしにつぶして小児科へ連れて行くわけです。でも、なーんにも、なーんにも無い。痛いって言うから頓服、喉の腫れもほとんどないですねえ、でも一応、抗生物質。今日は学校おやすみ、と分かった途端に元気爆発ですよ。ついでに「健康チェックカードにひっかかった家族の兄弟も全員、学校から家に帰す」って決まりがあるので、図工の授業を楽しみにしていたイヤダイヤダ学校にいたいという長男も家に連れ戻されます。なので、うかつに子供のズル休みを許すわけにはいかんのですよ。実際、学期の始まりはクラスの10人が欠席とかありました。でもみなさん学習するんですよ。「いまの親はチョロい、こりゃちょっと不調を訴えれば学校いかなくてすむな、ボーナスタイムだぜ」って子供が思っていることを。9月後半から、クラスの欠席児童数激減しましたね。みなさん、子供を見抜くリソースをかなり投入しています。いま多くても学級で休みは2人。このシステム自体は、学校がコミュニティを守るために、要求できることを全部要求しているもので、こちらのさじ加減に責任が求められているわけです。でもね「のどが痛いって言ってるんだから学校やすませなきゃいかんだろ」とか言って休ませちゃう旦那さんがいるですよ。その人の旦那なんですけど。原理原則にのっとって、ですね。コロナの危険性がありますからね。で、子供を休ませて、奥さんにだけ仕事を休ませて、兄弟を学校まで迎えに行かせて、家でオンライン授業の段取りして、で「いかんだろ」とか抜かした旦那はのうのうと仕事に行くわけですよ。てめえ自分の子供がズル休みかどうかも見抜けないような節穴のボンクラが。こうなるともうパワーバランスを子供はよく見てるので、この分かってねえチョロいパパンに、しかもパパンが出勤するまでの時間だけ演技をやり通せば、コロナ様が一日分のズル休みをプレゼントしてくれるってくれるわけですよ。この場合の奥さんは二正面作戦です。目の前で「実際にコロナかもしれない」という暗器(隠し武器)を持った、でもどうみてもズル休みで家族の時間を根こそぎ奪っていく子供を、ほめてなだめて学校へ行かせようとしているのに、後ろからバンバン撃たれるわけですよ。旦那さんに。このときの奥さんは「本当にコロナだったら大変だ」という危惧を抱えているので、子供のことを慎重に慎重に観察しているわけです。そこに「決まりなんだろ、休ませろよ」と旦那さんが背中を撃ってくるわけです。確実に敵認定されます。愛しているのにね。子供を休ませれば奥さんの予定は全部吹っ飛び、旦那さんは後から学校や小児科での報告をうけて「ああ、そう」だけ。子供がコロナだったのに登校させた場合は、この奥さんだけがボロクソに叩かれる。(でもコロナかどうかなんてわかるわけないじゃん。少なくとも、喉が乾燥して痛い、っていいつつ大声でゲラゲラ笑っている子供の中がコロナに罹っているかなんて、だれが見抜ける)なんてしんどい戦いをしているんだあんたは。わかる、わかるよ。しかも、この攻防を朝7:30にやってるんでしょ。戦争みたいな状況で、混みあう洗面所、空かなくてキレるトイレ前、全員が歯磨きする場所がないから、洗面所や風呂場でも歯磨きしないと間に合わないとか、そんな、ああ、そのへんは大丈夫ですか。で、今日はどうでしたか。ああ、子供が、玄関で大泣き。なるほど、旦那さんが後ろから撃ってくるから、子供を突き放さざるを得ないと、子供にやさしくすると、旦那さんが勘違いして「休ませような」って言ってくるから。そっちを牽制しながらだと、子供に強くあたるしか、無いと。ああー。結果的に、子供も傷つくわけですな。喉が痛いだけなのに。親から鬼のように疑われて。わかる。わかるわー。失踪したくなるよね。失踪しないだけあなたは立派。立派だ。旦那さんのことを愛してるんですね。え? いや、そこは頑張って肯定、いや、いやいいですよ、今日は考えないで。何も考えないでぐったりしましょう。

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