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帝王切開は楽なのか

帝王切開以前に、楽か楽ではないかで分娩を比較するのをやめてほしい。
無痛分娩だろうと自然分娩だろうと帝王切開だろうと
その人にしかわからない大変さがあるし
それ以上にその人にしかわからない喜びがある。

本人がついつい比べてしまうのはわかる。
全く関係のない第三者が語るなと思う。

私は帝王切開は命の移植手術だと思っている。
帝王切開がしたくて妊娠する人はいない(と思う)。
若くて健康な女性が開腹手術を受ける。
夫の立場だと、妻とお腹の赤ちゃんが命がけの手術を受ける。
これがどんなに勇気が要る事か。
どんな状況の帝王切開であれ、尊い決断にリスペクトしかない。

私たちは、帝王切開で生まれてくる赤ちゃんを拍手と歓喜の声で迎える。
予定された帝王切開であっても
緊急の帝王切開であっても
ふたりの命を医療者に預けてくれた勇気を讃えたい。

麻酔の不安
切開された子宮が収縮する痛み
お腹に残った傷痕
術後の経過
傷を抱えての授乳

帝王切開は楽なのか
自然分娩は楽なのか
無痛分娩は楽なのか

そんなことを第三者が考える必要はない。
想像して勉強して理解して
黙れ。

ただただ、その人の勇気を讃えるだけにしてほしい。
その人の心と身体の痛みに寄り添ってほしい。
命を分け与えた母と、元気に生まれてきた子に感謝してほしい。

もし、身体にも心にも傷が残ってしまった人がいたなら、
自分が賞賛されるべき仕事をやり遂げたと自覚してほしい。
自分にしかわからない出産の喜びを、たくさん人に語ってもらいたい。
私も聴きたい。

私は自分の臓器で夫や自分の子どもの命が助かるのならば、喜んで手術室に入る。
その時は、これまで帝王切開を受けた人たちのことを思い出して
「怖いけど私も頑張ります!」という気持ちで、スキップで行こうと思う。
その時は応援よろしくお願いします。

帝王切開は、命の移植手術。
大事なことは、二回言う。


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