#13 順調に進行しています
入院します
アルコール依存症の専門治療をしている病院へ受診・入院治療すると決めてくれた。
これはS自らが病院を予約してくれた。
進歩!
しかし、日時が分からなくなっているSに2週間という日数は長かった。
酩酊状態で翌日が受診と思い込み、何度も私に確認する。
訂正しても、信じない。
病院にも電話を掛けて確認する。
しばらく時間が経って携帯電話を見るS。
自分で発信した履歴なのに、着信と思いまた発信する。
もちろん電話相手は何のことか分からない。
私は心の中で、相手してくださった方々に、ありがとうございますと、ごめんなさいを繰り返していた。
受診前日まで、それは続いた。
土壇場で拒否
受診当日。
私はSの車を廃車にしたので、抹消登録をする必要があった。
受診前にその手続きを済ませてしまおうと思い、早朝から起きてSと身支度。
病院には余裕を持って到着したかったから、早めに出ようと伝えたら、
S「病院行かないから」
は?
私が別居することを嫌がってのストライキだった。
いや、離婚してるんだし、貴方といたらイライラするし、別居が妥当でしょ。
思っている事をグッ!とこらえ、とりあえず仮契約してるアパートはキャンセルするからとなだめ、受診。
医師は説得しない
何とか診察まで何事もなく進んだ。と思ったのも束の間!
医師からは通院の方法もあると説明を受けるS。
飲酒欲求を抑える薬を内服し、お酒を飲んでも悪酔いなどはないが、普段の半分の量で、もう飲めない状態になる薬らしい。
それで飲酒量を減らして徐々に止めるという方法。
Sはすぐに食い付いた。
「いきなりゼロには出来ないから、徐々に減らすのが良いですね」と。
ここまできて通院?片道1時間はかかるんですけど。
ていうか、入院前提で受診に来たんですよね??
そんな考えが私の口を開かせた。
硬膜下血腫とアルコール依存症の症状が似ているから、先ずは物理的にアルコールを抜いて精査してはどうかと思うんですが。
Sはすかさず、「減らして徐々に止めたら酒抜けるじゃん」と反論。
いやいやいや
それが出来なくて今に至るんですよね?
命に関わる状況ですよね?さっさと入院して精査してくださいよ。
頭の中では上記を語気強めで言っていたが、この時ばかりはなるべく優しい口調で説得。
ようやくSは入院に応じた。
しかし入院は即日ではない。
感染症がまん延しているご時世。検査を受けて陰性であれば、3日後に再受診し、アルコール反応が出なければ入院とのこと。
以前の記事にも記載したが、アルコール依存症の治療は、本人が応じないと始まらない。
任意入院という形態で入院する。
任意入院なので、医師からは説得することは殆どない。
だから、診察場面で同席する家族や支援者が説得する。
被害的
もう飲めなくなるから
そう理由をつけて病院からの帰り、スーパーへ寄るよう指示するS。
呆れる私。
飲み納めするほどの覚悟してんのか?
そう思ったけど、入院する気持ちを何とか保ってほしくて、黙る。
翌日、私は新事業の準備で、夜まで帰らないとSへ伝えて外出。
Sに何時に帰宅するのか?と聞かれたので、19時前後と返答。
四六時中お酒が入っているSに、日時もマナーもない。
仕事中でも容赦なく電話が鳴る。
「帰りに買い物してきて」
「病院明日だよね」
「荷物まとめといたから」
「飲んでるんでしょ?」(外は暗いのに帰宅しなかったからと思われる。)
電話に出なかったら、「無視した」「何で電話でない?」と言ってくる。
買い物は徒歩圏内なので、歩いて買いに行けるし、
病院は3日後だし、
仕事って言っているのに飲めるわけないじゃん!
自宅にいても、外に出ていてもイライラしてしまう。
こうやって私はSに対する気持ちが詰まれていく。