ペットボトル入り緑茶のトレンドを大調査!
こんにちは!味香り戦略研究所です。
普段当たり前のように飲んでいるペットボトルのお茶。
仕事やプライベートのお供に、皆さんも購入される機会が多いのではないでしょうか?
私たちの生活に身近な緑茶飲料にもトレンドはあるのか…!?
今回は、2023年現在販売されている緑茶飲料の各商品の味わいを味覚センサで数値化。さらに過去の味データと比較して、「定番品」「濃い飲料」における味わいの変化を調査しました!
年別金額PI値から見るペットボトル入り緑茶飲料のニーズ
ペットボトル入り緑茶飲料は「定番品※1」の他に、「濃い飲料」、「特定保健用食品」、「機能性表示食品」など、さまざまな商品が展開されています。2020年からの年別金額PI値を見ると、中でも「濃い飲料」のニーズが上昇傾向にあることがわかります。
※1 濃い飲料、特定保健用食品、機能性表示食品、デカフェ以外の商品
※金額PI(Purchase Index)…金額 ÷ 販売店来店客数×1000で計算される、店全体の来店客1000 人当たりの買い上げ金額を表す。
味データから読み解く緑茶飲料の味トレンド
2023年に販売されているペットボトル入り緑茶飲料18商品の味わいを味覚センサで測定し、二次元マップにまとめました。
「濃い飲料」はマップ右上の方に分布していて、全体的に渋みとボディ感が強い濃厚な味であることが示されています。「定番品」と「機能性表示食品」は、図の中心に位置する傾向がみられ、バランスの取れた味わいであることがわかりました。
ここで、金額PI値の高かった「濃い飲料」に注目してみます。
金額PI値からそのニーズの高さが予測できる「濃い飲料」、その味わいはどのように変化しているのでしょうか。
2006年、2018年、2023年に販売された「濃い飲料」の味わいの変遷をレーダーチャートにまとめました!
2006年…「濃い飲料」が登場し始めた頃。
2018年…「濃い飲料」が機能性表示食品になる前。
2023年…「濃い飲料」が機能性表示食品に移行した後。
雑味を除いて、「濃い飲料」の方が全体的に強い味わいになっています。「濃い飲料」は年を経るごとに渋味が強まる傾向にあり、世の中の濃い味に対する需要に応えた面もありますが、「機能性表示食品」に移行する際には抹茶が増量されたこともあり、成分の変化も味わいに影響がありそうです。
"渋味の強い味"を好む購買層とは?
では、いったいどういった方々が渋味の強い味を好むのでしょうか?
性別・年代別の「濃い飲料」の金額PI値と嗜好性※2を比較してみましょう!
※2嗜好性は、味香り戦略研究所が全国7,500人以上を対象に実施した味の嗜好に関するアンケート調査を使い、12万アイテムを超える食品の味データベースを基に開発した独自の嗜好性診断ロジックによって得られた、性別・年代・地域別の好まれる味のデータを使用した。
2022年の性年代別金額PI値を見てみると、お~いお茶濃い茶と伊右衛門濃い味では、70代を除いた男性の金額PI値が高い結果となりました。また、全体的に女性よりも男性の方が「濃い飲料」の金額PI値が高いこともわかります。
合わせて、男性の年代別の嗜好性を見ると、70代だけではなくどの年代でも異なる特徴を示しており、全体的に苦味や濃い味への嗜好性が強く表れています。女性よりも男性の方が「濃い飲料」の金額PI値が高いという結果は、性別ごとの嗜好性が影響しているのではないでしょうか。
ちなみに嗜好性については、「コレスキ」で手軽に判定することができます。15の質問に答えるだけで舌タイプを診断できるので、ぜひお試しください!
まとめ
「濃い飲料」の金額PI値が上昇しているのは、味もさることながら、背景には健康への意識の高まりも影響しているのかもしれません。近年の「濃い飲料」は、体脂肪を減らす効果の「機能性表示食品」として販売されていることが多く、健康意識を持った人々の購入品として選ばれる機会が多いことも金額PI値の上昇に影響していると思われます!
コロナ禍での変化として、さまざまな食品や飲料において濃い味付けの商品が展開されるようになりました。緑茶飲料では、渋味を強くした商品のニーズが高まったと考えられます。多くの新商品が開発され続けているペットボトル入り緑茶飲料、いつものお茶選びにトレンドを取り入れてみてはいかがでしょうか。