味香り戦略研究所の食分析を支える分析機器たち
味香り戦略研究所は、食品の「おいしさ」の構成要素を数値化する手法を用いて、創業以来積み重ねてきた分析データを基に構築した味覚データベースを基軸に食にまつわるコンテンツ、マーケティング並びにコンサルティングサービスを提供する会社です。
noteでは「食分析レポート」というマガジンにて、味、におい、食感などの分析結果をレポートにまとめて更新しています。ここではレポートでも活躍している、当社の食分析を支える分析機器たちをご紹介します!
味覚分析
「味を測る機械」味覚センサを用いて食品の味を分析し、その味わいを見える化します。味覚センサは人の舌をモデル化しており、「おいしさ」の重要な構成要素となる基本的な味覚(旨味、苦味、塩味、酸味、甘味、渋味)を数値化します。人が感じる味覚を分析して、客観的に表現することが可能です。
味認識装置 TS-5000Z
メーカー:インテリジェントセンサーテクノロジー
人間の舌をモデル化した測定原理
人間の舌に近い味覚数値を得ることが可能。嚥下したあとの「後味」も測定できる。
成分分析では検知できない部分を測定
化合物に含まれる呈味物質の質量比から味覚を推定するのではなく、呈味物質が示す味覚をダイレクトに測定。
理解しやすいアプリケーション
生データをそのまま表示するのではなく、視覚的に理解しやすい2つの表現方法を採用(レーダーチャート、二次元散布図など)
におい分析
味香り戦略研究所では、2種類の分析機器を使ってにおいの分析を行っています。
GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)
GC:Thermo scientific TRACE1310
MS:Thermo scientific ISQ QD
SPMEファイバー:SUPELCO 50/30µm DVB/CAR/PDMS
サンプルの前処理として、HS-SPME(ヘッドスペース固相マイクロ抽出)を用いて気相中の揮発性香気成分を捕集する。
食品の中にどのような揮発性香気成分が含まれているのか、においの特徴を明らかにする定性分析です。サンプルの揮発性香気成分(特徴香気成分)をピックアップし、においのバランスや質から特徴を明らかにします。
味分析のみではうまく特徴が捉えられない場合は、GCMS分析を実施するとより特徴を明確にできることがあります。
におい識別装置
におい識別装置 FF-2020
メーカー:島津製作所
においの「強さ」や「質」を数値化し、人の官能に近い、においの全体感を評価します。においの強さを調べることで、香り立ちの良さなどを表現することが可能です。においの強さのほか、においの系統毎のにおいの強さを比較したり、においの質の差を比較するグラフを作成できます。
基準ガスに対する類似度
「どのような系統のにおいが含まれているか」を探ります。代表的な9種類の基準ガスと比較し、それとの類似度を算出します。
臭気寄与
各においの系統がどの程度、においに影響を及ぼしているかを調べます。
臭気指数相当値
各においの「総合した時のにおいの強さ」を人間の感覚量で示します。
食感分析
食感測定器「テンシプレッサー」を使用。測定対象とプランジャーが接触した際、プランジャーにかかる圧縮 ・引張りの力(抵抗)を電気的に検出し、そのデータを解析することで食品の物性を測定する機器です。物性データからサンプルの食感の特徴を明らかにすることができます。
食感測定器(テンシプレッサー)型番名:TTP-50BX2
メーカー:有限会社タケトモ電機
プランジャーはコンピュータ制御によって移動。サンプルにプランジャーを差し込み、得られたデータを解析し、食感(硬さ、粘り、もろさ等)を測定する。
測定の種類
・破断測定…硬さやザクザク感を知りたい場合
・押しつぶし測定…硬さ以外に、粘りやコシを知りたい場合
・咀嚼性測定…硬さ以外に、噛み応えや脆さを知りたい場合
食分析レポートはマガジンにまとめています
各機器の分析からどのようなレポートが出来上がるのか、ぜひご覧ください。