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小学校教員のコーヒーにまつわる話


 元公立小学校教員で私立小学校教員です。今回は、いつも以上にどうでもいいようなお話をお伝えします。
 皆さんはコーヒーが好きですか?
 僕は三度の飯より好きです。気がつくと1日3杯以上は飲んでいるようなコーヒー好きです。特に、子ども達が下校後に職員室で飲むコーヒーは格別です。
 そんな僕もコーヒーだけに苦い思いをしたお話をお伝えします。登場人物の名前は架空の名前かもしれません。

1.新任小学校教員のお仕事はコーヒー当番

 今から10年以上前になりますが、僕も新任教員でした。僕の勤務した小学校では、朝のコーヒー当番という仕事がありました。
 朝に職員朝会をするのですが、全員分のコーヒーを淹れて配る仕事です。
 
すごく昭和な雰囲気を感じていただいたと思うのですが、当時は当然という空気でした。
 僕は、最もベテランで主任のムカイさんという方に指示を受けました。
 「毎日8時15分に職員室に来て、みんなにコーヒーを淹れなさい。」
 朝の超貴重な時間をコーヒー淹れろって・・・
 人によって紅茶、緑茶など覚えなくてはいけません。マイカップも覚えなくてはいけません。
 さらに、教室の子どもとの時間を割いて行わなければいけないのです。本末転倒ってこれ。今では考えられないクソ仕事だったと思います。

2.コーヒー当番から学んだこと

 クソ仕事でしたが、当時はしなくてはいけない仕事だったので、僕は毎日取り組みました。幸い、新任教員は僕とミオさんという先生2人だったので、協力して行いました。お互いに、時間がない時は交代で行うようになりました。
 そして、準備や片付けを考えたり動線を意識したり次第に効率を上げることに集中していたのです。
 コーヒー当番があるので朝の不在の時間は隣のクラスの先生に声をかけて職員室に戻ります。コミュ力が上がるのです。多分。
 子ども達にも分かるように黒板に指示を書いていました。その中でも効率を考えて宿題の提出方法を工夫することにしたのです。日直も育てました。
 このようにコーヒー当番というクソ仕事をきっかけに自分の行動をパワーアップすることができました。

3.コーヒー当番が廃止

 コーヒー当番の廃止は突然やってきました。私が2年目の4月です。新しく赴任された先生がコーヒー当番を問題視して職員会議で廃止を提案したのです。
 昨年度までいたムカイ先生をはじめとした実力派ベテラン教員が退いたばかりだったので案件はすんなり通りました。あっけな~。
 コーヒー当番はなくなりました。僕はコーヒーを淹れ続けましたが、誰からも淹れてもらえることはなかったのです。

4.新型コーヒー当番

 月日は流れ、5校目の学校でもコーヒー当番が存在しました。ただシステムが違います。コーヒーを淹れるのではなく、コーヒー当番がコーヒー代金を徴収して、コーヒーを買うというお仕事です。
 職員室後方にはコーヒーメーカーはなかったのですが、インスタントのコーヒー広場が存在していたのです。
 コーヒー広場の維持管理はコーヒー当番の仕事です。ブラックからカフェラテ、紅茶まで様々なラインナップが揃っていました。時々誰かからのお菓子も置いています。
 放課後の一服ができる憩いの場でありました。僕は当番ではなかったのでたっぷりと恩恵を受けたのです。もちろんお金は払っています。

5.またまたコーヒー当番の廃止は突然に

 コーヒー当番の廃止の訴えが年度末にありました。提案者はコーヒー当番をしていたホリエ先生だったのです。
 彼女は毎月の集金と購入。日々の維持管理にうんざりされて辞めたいとのことでした。
 そもそもコーヒー当番は女性の先生の伝統だったとか。これは今の時代に切り込まれる悪しき文化。
 理由としては女子更衣室がコーヒー在庫の置き場だったからという意味不明な理由。
 ただ、今回の廃止案は、すんなりいかず、議論が勃発しました。
 互いに譲らなかったのですが、来年度やってくれる人が出てこなかったので、廃止になりました。
 存続派もコーヒー当番をするのは嫌だったようです。なんじゃそりゃ~。

6.奇妙な共通点があった

 コーヒー当番のあった学校には奇妙な共通点がありました。
 それは・・・
 コーヒー当番が廃止後に学校崩壊!!
 
初任学校では、翌年に学級担任が複数病気休暇に陥りました。そして、子どもは荒れてしまい、不名誉なことに生徒指導困難校に認定されました。
 さらに職員の横領事件があり、ニュースに取り上げられる羽目になったのです。オワリ。
 5校目の学校では、複数の担任が家庭の事情で休むことになったのに代わりの教員が見つかりませんでした。
 さらに生徒指導上の問題が勃発し、弁護士が出てくる大問題事件が起きたのです。気がつくと地域では有名な困難校になってしまいました。オワリ。

7.おわりに

 コーヒー当番なんて無駄なクソ仕事ですが、これらの事例から学ぶことがあるのかもしれません。無いと思うけど。
 それは、コーヒーが単なる趣向品ではなく、人と人と繋いでいたものなのかもしれないということなのです。無理やりです。なんのエビデンスもない。
 しかし、コーヒー当番の弊害は大きく、現代では考えられない悪しき風習なので、廃止になって良かったと思いたいものです。昭和感。
 皆さんの学校にはコーヒー当番ありますか?
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

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