Amazonレビュー施策のVINEプログラムは不要説
Amazonでの販売成功のカギとなるのが、商品のレビュー数です。特に販売初期でのレビューが1件あるのか、0件なのか。この差は、注文率や商品ページの露出量に大きな影響を与えます。
初期レビュー施策として注目されるのが、Amazon公式が提供する「VINEプログラム」。今では当たり前のように使って当然という風潮がありますが、このプログラムは本当に必要なのでしょうか?
本記事では、VINEプログラムの概要やそのメリット・デメリット、さらには他のレビュー施策との比較を踏まえ、セラーにとって最適な選択肢を解説します。
VINEプログラムとは?
VINEプログラムは、Amazonが提供する有料のレビュープログラムです。
セラーが提供する商品をAmazon選定の「VINEメンバー」に配布し、レビューを投稿してもらう仕組みになっています。
VINEプログラムの概要
利用条件:
大口出品者:月額4,900円(税抜)のAmazon大口出品者に登録している必要があります。
ブランド登録が必要:Amazonブランド登録を完了している商品が対象です。
商品在庫:MAX30点のVINE出荷用在庫がFBAに納品している必要があります。
商品ページ:商品説明踏まえてページがある程度作成済みであること。
レビュー数:VINE申請時点でレビュー数が30件未満であるであること。
商品コンディション:新品のみが対象。
商品内容:アダルト、デジタル商品(Kindleなど)、大型すぎる商品(定義未定)は対象外。
登録費用:
登録費用はプランごとに異なり、申請点数に応じて最大22,000円(税抜)です。
※後からプラン変更することは不可
その他費用:
商品の原価や配送コストも必要。
例:原価10,000円、出荷費用514円の商品を30点申請する場合、約34万円の費用が発生。
これらの費用が発生する点を見落とさないようにしましょう。
VINEプログラムのメリット
初期レビューを短期間で獲得:
新商品にレビューが集まりやすくなり、注文率が向上します。SEO対策効果の向上:
レビュー数が増えることで検索順位が改善し、露出量が増加します。購入率(CVR)の最適化:
レビューがあることで消費者の信頼が高まり、購入意欲を促進します。
VINEプログラムのデメリット
費用対効果が不明確:
レビュー1件あたりのコストが割高になる場合があります。レビュー内容のコントロール不可:
レビューはレビュワーの判断に任されるため、否定的なレビューが付くリスクも。全申請数のレビュー獲得は保証されない:
30点申請しても、全てのレビュワーがレビューを投稿するわけではありません。レビュー掲載のタイミングが不明:
いつレビューが付くか確定しないため、計画的な効果測定が難しい場合も。
VINEプログラムを利用するべきか?3つの視点から考察
1. 商品カテゴリーによる必要性
競争が激しいカテゴリー: 家電やガジェット、化粧品などではレビュー数が購入率を大きく左右します。この場合、VINEプログラムは有効。
ニッチカテゴリー: 少数のレビューで十分信頼が得られる場合、費用対効果が低い可能性があります。
2. 商品の市場規模
市場規模が大きい商品: 利益率が高いため、初期コストの回収が早く、VINEプログラムの利用価値が高い。
市場規模が小さい商品: 利益率が低い場合、初期コストの回収に時間がかかるため慎重な判断が必要です。
3. ブランドの成長フェーズ
新規ブランド: 知名度が低い場合、初期レビューを獲得することで商品ページの信頼性を高め、顧客を引きつける効果が期待できます。
既存ブランド: 認知度が高いブランドは、SNSフォロワーや顧客リストを活用してレビューを自然に集める方法が適しています。
VINE以外のレビュー施策との比較
1. 認知獲得
SNSやLINE、メールマガジンを活用し、ファンを形成することが最も効果的です。
既存のファンを活用することで、ポジティブなレビューを短期間で集めることが可能です。
2. インフルエンサー施策
インフルエンサーに商品をギフティングし、レビューや宣伝を促進します。
SNSやブログを通じた自然な流入とレビュー獲得が期待できます。
3. Amazonのレビューリクエスト機能
セラーセントラルの「レビュー依頼」ボタンを活用することで、購入者に自動でレビューを依頼できます。
また、tool4sellerを使えば、レビューリクエストを自動化することも可能です。
まとめ:VINEプログラムは必要か?
VINEプログラムは、商品の初期レビュー獲得に有効ですが、全ての商品に適しているわけではありません。商品をリリースしたら当たり前に申請するという常識は間違っていると個人的には考えます。
VINEプログラムを利用すべきケース:
競争が激しいカテゴリーで、レビューが注文率に大きく影響する場合。
利益率が高く、初期コストの回収が見込める商品。
新規ブランドで、初動の信頼構築が重要な場合。
VINEプログラムを避けるべきケース:
利益率が低い商品や、レビュー数が少なくても十分競争力がある場合。
既存ブランドで、SNSや顧客リストを活用できる場合。
VINEプログラムの利用は、他の施策との組み合わせや商品特性を考慮し、戦略的に判断することが重要です。自社の状況に応じた最適なレビュー施策を選び、Amazon販売を成功に導きましょう!
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