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会社の収益化の主要な部分を一人に丸投げしてたら修羅場になったというお話

どうも、プロミュージシャンからサラリーマン~うつ病でニートに。
復活後はバイト生活をしながらネット上で音楽活動をしているオジさんです。

プロミュージシャンを辞めた後、サラリーマンとして働いていた時期があったのですが、その時に体験したお話をちょっと。

サラリーマンとしては、国内外の大手メーカーの広告制作代理店としてのデザイン会社と医療業界にいた経験があります。
今回は医療業界のお話。
今回のお話は医療業界だけでなく、他の業態の会社でもありがちなお話だと思います。

病院の事務長だった父が65歳で他界

僕の父は、親族経営の町の病院の事務長を長年勤めていました。
その病院は結構繁盛していて、外来患者の人数が一時期は4〜500人という
町の病院とは思えないほど繁盛していたのですが、その病院の診療報酬の計算を
父は一人でやってました。

医療事務スタッフは何人かいて、父の弟子的なおばさんが二人ほど。
でも診療報酬の肝の部分は父が一人でやっていたようなんです。

ちなみに、診療報酬というのは、病院のメインの収入源。
平たく言うと、健康保険での自己負担分以外の金額が病院に入ってくるわけです。
医師が書き込んだカルテと睨めっこして、どういった報酬が取れるか算定し、
レセプトというものに書き換えて毎月提出して報酬を得ています。

そして、父はそのレセプトをほぼ一人で作成していたようなんですが、働きすぎだったのか、癌で65歳という若さで他界してしまいました。

癌の闘病中。自分の働いている病院で治療を受けながら仕事もしていたようです。
他にわかる人がいないからという理由で。

なぜか医療業界に入社した僕

父が他界した時、僕はデザイン会社をリストラにあい求職中でした。
病院は親族経営だったので、僕も小さい頃からよく出入りしていて、スタッフとも面識があり、求職中ということだったので、その病院に就職することになったのですが、なぜか父の後釜として事務の方を取り仕切って欲しいというような空気に・・・。

診療報酬のことなんか全然わからない人間に何を無茶なことを考えるんだと思いましたよ。
ただ、当時ちょうど電子カルテを導入した時期で、僕は電子カルテのシステム管理兼事務長代行みたいな仕事をするようになってしまいました。(パソコンが得意だったが為に)
電子カルテで、は紙でのカルテで診療報酬を算定するよりも遥かにわかりやすく楽ではあった(楽という言葉を使いたく無いほど大変ではあったけど)ので、なんとか凌いではいましたが、診療報酬の算定は超絶複雑な世界。
レセプトに記入する際に、必ず病名をつけなければいけないのですが、その病名に対してそぐわない処置や処方をしていた場合、すぐさま返戻されてしまうのです。

紙カルテの時代では、多少アバウトでも通っていたようなんですが、電子カルテになってからは、病名、処置、処置した部位、処方、その他もろもろ細かいところまでコード化されていて、少しでも整合性がない記述があるレセプトだと返戻される始末。(再提出はできるのですが、場合によっては報酬額が減ることも)

そのレセプトの深い知識の部分を理解していたのが、どうやら父だけだったようで、弟子のおばさんにまでは伝授していなかったようなんです。

経営者が理解していない恐ろしさ

診療報酬に関して、国家資格を持つ医師は完全に理解しているかというと、そんなことはなく、実は事務員に頼りっきりだったりします。

その病院の院長は医師としてはとても勉強家だったのですが、事務的なことは丸投げ。
それでも父がいた頃はなんとかまわっていたのですが、父が他界してからはだんだんと怪しい雰囲気に。
どういうことかというと、診療報酬に関しては、定期的に厚労省から改定があり、どういう計算方法をとるかで報酬額が大きく変わってくるのです。
しかし、事務に丸投げの院長と深い部分で理解していないおばさん事務、そしてど素人の僕という状況。
だんだんと取れる報酬額が減るようになり、経営も厳しくなってきた時に突然の院長の他界(心臓麻痺でした)。

院長の息子が大学病院で働いていたので、急遽後を注いで2代目院長になったのですが、その息子も医師としての腕はいいのに事務的な事は丸投げ体質。

そんな中、診療報酬の算定のミスが連発し、2代目院長は怒り狂う日々。
父が他界してからは、弟子とも言えるおばさん事務がメインで算定をしていたのですが、父ほど深く診療報酬について理解していたわけでなく、また新しい知識を持ち合わせていなかった事と、電子カルテの理解不足により、色んなミスが連発してしまい、2代目院長は怒鳴り散らす始末(もろパワハラ)。
結果、そのおばさんは辞めてしまいました。

2代目院長が言うには、病院の収益化の根幹をなす診療報酬を扱う事務員がなぜ専門的な知識がないのか!
と言う言い分なのですが、まぁ、確かにそうではあるのですが、問題はその重要なポジションをなぜ一人の人間に丸投げしたまま放置していたのか?という事だと思うのです。

ちなみに、さらに恐ろしい話として、院長、副院長やその他常勤の医師数名と非常勤の医師数名は診療報酬の算定に関する知識は事務員以下でした・・・。
その病院では診療報酬に対する完璧な知識がある医師はいなかったのです・・・。
でも、これって他の病院でもある事なんじゃないかと僕は思ってます。

組織を形成する場合、それぞれに専門の役割があり、全ての知識を所有することは難しい事だとは思います。
ただ、組織といっても人員不足による機能不全を起こしがち。
できる人が少ないと言う理由で丸投げにしているケースとかはよくあるのかもしれません。

かといって人を増やせばいいかというと、今度は人件費の問題が出てきて、利益を圧迫しかねない。

人を増やせない小さい企業などは、こういった問題を解決できないケースが多いのではないでしょうか。

結局、僕はそんな仕事場でのストレスにより鬱病になり、辞めてしまったわけで、その後病院がどうなったかはわかりません。
僕自身、いろんな仕事を押し付けられ、しまいには2代目院長が思いつきで建てた老人ホームの施設長まで兼任でやらされて、どんどんと精神的に追い込まれてしまったわけです。

これ以上は愚痴になりそうなんで、この辺にしときますw

今回は医療業界でのお話でしたが、他の中小企業でもある話ではないでしょうか。

そのうち、当時のデザイン会社でのお話も書いてみようと思っております。
では、また!


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