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僕は音楽家としてプライベート音楽を楽しむ

どうも!音楽を作ったり、MIXエンジニアをしたり、グラフィックデザインをしたり、デジタルアート作品を作ったりしているタスケン(TASKEN|a.t.d.a.)です。

長い間音楽制作というものに携わってきたのですが(途中ドロップアウトしましたw)、音楽を作る意味というのを長年考え続けてきた気がします。

仕事として音楽を作るというのは、もちろんそうなんですが、なんで自分は音楽を作り続けてきたんだろう?と自問することがあります。

前置き

古い記憶を辿っていくと、最初はコンプレックスの解消目的だった気がします。
僕は小さい頃は、とても自己肯定感が低くコンプレックスの塊みたいな子供だったんです。勉強もあまりできず、引っ越しも多かった為か、近所に同年代で仲良しの友達とかもいませんでした。母親からはしょっちゅう怒られてて、親父は酒乱。そんな家庭で育ったんですが、とある映画の音楽に心を奪われて、それ以来音楽というものにズブズブとのめり込んでいって、気がついたらお年玉でギターとアンプを買っていました。ギターとアンプのセットで1〜2万円ぐらいの超初心者向けのものだったのですが、すごく興奮したのを今でも鮮明に覚えています。中学1年生ぐらいの時ですね。

しばらくはロックバンドのコピーとかをずっと続けていたんですが、ギターの腕が上達するにつれ、いつかプロのミュージシャンになってやると妄想するようになりました。それからは寝る間も惜しんでギターの練習をしていましたね。徹夜で一晩中ギターを弾いてて、寝ずに学校に行ったりとかしょっちゅうでしたw。

オリジナル曲を作り始めたのは高校生ぐらいになってからでしょうか。当時はただ単にギターリフを作って、それをバンドのメンバー合わせて演奏してもらうという作曲と呼ぶには随分と乱暴なものでした。その後、色んな音楽を聴くようになって自分の知見も広がっていくのですが、作曲というものを真剣に意識し出したのは、自分で自宅録音を始めるようになってからです。

坂本龍一氏の「戦場のメリークリスマス」を聴いて衝撃が走り、自分もこんな音楽を作りたい!という強い衝動に駆られ、シンセやリズムマシン、4Trのマルチトラックレコーダー(カセットのやつ)を購入して没入していきました。

本題

と、前置きが長いですねw
ここからが本題です。

僕が音楽を作る動機は、お察しの通り「感動」です。
「感動」が原動力となって、何か新しい感動を得られるものを自分で作り出したい、創造したいというのが僕の音楽を作る上での土台となっています。

あくまでも、自分で感動体験を得たいというのが本命で、自分が感動したものを人に聴いてもらいたい、聴いて感動してもらいたいと外に目が向くようになっていったという感じでしょうか。でも自分の作った曲の最初のリスナーは自分であり、そのリスナーである自分がどう感じるか?を一番重要視してるんだと思います。

他の作曲家の方々は、そういうところをどう考えているのかなと気になることがありますね。

商業向けの音楽を作っている方々は、そんな悠長な事考えてられるか!と怒られるかもしれません。僕も商業向けの音楽を作っていた時期がありますからわかります。日本の場合、音楽はマス向けに作らないと飯を食っていけません。どれだけ多くのヒットを飛ばせるか、どれだけ多くの人にアルバムを買ってもらうか、といったことが重要視されてくる世界です。

しかし、そういう世界の中にいると、なまじっか色んな音楽を聴いてきた作曲家には、物足りなさを感じてしまう事は否めません。あのヒット曲のこの部分は、あの海外アーティストの今更の丸パクリだとか、その歌唱力で作品として出しちゃうの?といった事や様々です。

まあ、外から眺めている分にはどうでもいいんですが、中の人間としてはかなり辛いものがありました。知り合いでも、音楽業界から離れていった人もいます。

そんな中で、僕は自分で楽しむだけの音楽というのを作るようにしてきました。自分に向けた処方箋みたいなものですね。

売れる売れないとかは関係なく、自分が聴いて感動できるもの。それを自分だけの為に作っていく。これがやってみるととても楽しくて、仕事として音楽をやりたくなくなるぐらいだったりしますw

自分の為だけに作った音楽なんで、セオリーなんか全く無視してもいいし、楽曲の長さも自由。流通に乗せることなんか考えないから、全部が全部全く自由に作ってもいいんです。

お気に入りのプライベート音楽

最近のお気に入りのプライベート音楽はこの「Summer paradise tokyo」というタイトルをつけた楽曲。

音楽の中に、全くの静寂をうまく取り入れられないかなと思って作った曲です。それと僕の尊敬する池田亮司さんにもろに影響を受けた曲でもあります。

自分で作った曲を思い出した時に流しながら家事をしたりしています。
それが自分にとって、とても幸せだったりします。

全く音楽のセオリーを考えないで、自由に音楽を作るようになってから、あまりにも多くのセオリーに縛られていんだなと考えるようになりました。それからは、作る楽曲も変化してきたように感じます。
僕みたいな極端な例は置いておいて、一旦セオリーから離れてみるのもいいんじゃないでしょうか。

おまけ

最後に池田亮司さんのCDのリンクも貼っておきます。

めちゃくちゃストイックでこれを超えるものは自分にはできないなと。とてつもなく大きな壁ですw


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TAKEO SUZUKI|電子音楽家
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