本好きのタイプもいろいろ

先日の投稿「知のアパートメント」の最後に、下北沢の「BOOKSHOP TRAVELLER」さんで行われる「本でつながるシェアハウス」の井田さんのイベントのことを書いた。

今日がそのイベント当日。そんなわけで、珍しく下北沢に足を運んだ。

イベントレポートを…とも思ったのだが、今日はせっかくなので感じたままを書き記しておきたい。

※ ※ ※

イベントが終わって帰宅する道すがら、頭の中でイベントのことを振り返っていた。今日のお話を聞いて考えたことは、「本好きのタイプもいろいろ」ということ。、
本を読む時、たしかに人は独りである。その意味で、「読書とは孤独な営みである」という表現は正しい。ただ、読んだ後の行動いかんによって、「本好き」のタイプも分かれるのでは、と思ったのだ。

①自分の世界のさらに奥深くに潜り、思索に深める
②読んだ本について誰かと話し、考えを広げる

今日考えついた範囲では、この2つのタイプ。

以前の私は、①のタイプだった。独りで読んで、独りで考える。それが性に合っていると思っていた。
ところが最近、②のタイプに変わりつつあることを実感している。それは、誇張でもなんでもなく、このnoteを通じてお知り合いになった方々とこれまで読んできた本についてお話しさせていただくようになってからだ。

要するに私の場合、それまで周りにいた人たちとは読む本のジャンルがあまり合致せず、独りで読むしかなかったのだ。それが、ほんの数ヶ月前に皆さんに出会い、初めて自分が読んできた本について語り、そしてまた皆さんが読んできた本についてお聞きすることで、一気に世界が広がった気がした。

①と②、どちらが良い悪いということではまったくない。どちらが性に合っているか、ということに尽きるのだと思う。

私が「知のアパートメント」構想で思い描くのは、②の人の集まりかもしれない。「本が好き」であることは大前提でありながら、(こう言っては語弊があるかもしれないが)本はあくまで「きっかけ」の一つ。「本でつながるシェアハウス」さんのお名前を拝借するならば、「本をきっかけにつながるシェアハウス」とでもなろうか。
ハウスの真ん中にある本棚の周りに自然と人が集い、なんとなく最近気になっていることなどについて話をする。「議論」なんてする必要はなくて、誰かの話をじっくりと聞くだけでも良い。単純化すれば、「『本』というものに何かしらの魅力を感じる人たちが、穏やかに伸び伸びと過ごせるための居場所」くらいのイメージだろうか。それは、サロン的でもある。
※居場所なら、本屋さんやブックカフェを作ればよいのであって、シェアハウスである必要なないと思われるかもしれないが、そこはどうしても私の頭の中に「トキワ荘」的なイメージがあるからだろう。「共に暮らす(=共に生きる)ことで生まれる『何か』」をつい求めてしまう。

いずれにせよ、こんなふうに本を一種の「コミュニケーション・ツール」として捉えてしまっては、読書家の皆さんにお叱りを受けてしまうかもしれない。でも、今の私にとっては、本をきっかけにして様々な方たちに出会えることと、そうすることで自分の世界が広がっていくことが何よりの楽しみなのだ。

そのことに改めて気づかせてくれたこと一つとっただけでも、今日のイベントは大変有意義だった。今日の段階で考えついたことはここまでなのだが、肝心のトークの内容や「BOOKSHOP TRAVELLER」さんのことなどについては後日まとめたい。

それでは。

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秋本 佑(Tasuku Akimoto)
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