マガジンのカバー画像

仰月集(詩)

5
月を仰ぎ見ていると心が落ち着きます。 そんな時にふと浮かんだ詩を書き残したいと思います。
運営しているクリエイター

#詩

夜道のおしゃべり

夜道のおしゃべり

例えば夜の道で、出会い頭の車がフッとライトを消す。
「お先にどうぞ。」

道を譲られた車は、点けていたライトを消して、またすぐに点ける。
「どうもありがとう。」

夜だからお互いの顔は見えないけれど
見えないはずなんだけれど
でもきっと、そんなときのお互いは、悪い顔はしていないはずだ。

声に出す言葉があるからこそ伝わるものもあれば
必ずしも声に・言葉に出さなくても伝わるものもある。

そのどちら

もっとみる

雨を楽しめますように

酔客となってとぼとぼと歩いて帰る道、顔に冷たいものを感じた。
気のせいかな、と思いきや、やはり雨が降っている。

いつの頃からか、雨は「忌み嫌うもの」となった。
濡れながら移動しないといけないし、気圧が下がって気分も塞ぎ込む。

ほんの少し前までは、「雨は風情を感じて良い」などと言っていた気がする。雨に濡れることさえ、ある種の詩情を覚えていたかもしれない。

願わくば、再び雨を楽しめる日が来ますよ

もっとみる
好きに生きます

好きに生きます

「普通」に生きようとしてきました

「普通」に勉強して
「普通」に大学に入り
「普通」に働いて
普通に 普通に 普通に・・・

でも いつの頃からか気づいていたんです
どうしても「普通」になりきれないことに
「普通」って難しいですね
「普通」って大変ですね

もう辞めます 「普通」を装うことは
好きに生きます 「普通」を気にせずに
なんだか呼吸も軽くなったような気がします
さて 明日はどこへ行って

もっとみる