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雑記

うちにメゾン・マルジェラのバッグがある.私のものではなく,彼の置き土産だ.革製品で,私が持つにはガッシリしているし軽くもない.
使いにくいなあと思いながら,最近使い始めている.

なぜなら,うちには

仕事用リュック×1
A4縦のショルダーバッグ×1
オケージョン用バッグ×1

これしかないからだ.夏,悲しみに暮れ,ぱさぱさと物を捨てていったらこれだけになってしまった.今後旅行に行くときどうするつもりだろうか…

ここ数年一人旅は全くしなくなっていた.旅行するときは二人で,両者恐ろしいほど物が少ないので,彼とバッグひとつでことが足りる.そのときにこのマルジェラが活躍していた.

使いにくいなあと思いながらも,物がなさすぎる私は,持ちやすいようにバンドの長さを調整したりしてなんとか工夫してみようと思った.荷物がかさむときにバッグがないことに気づいてしまったからだ…

使うにつれてマルジェラに興味がじわじわと出てきて,先日マルジェラのドキュメンタリー映画を観にいった.映画館はお客さんは5名ほど.みなさん感度の高そうなおしゃれな人々.私はその中でふつうの人だったがど真ん中で観た.

私はドキュメンタリー映画が好きでよく観るが,この映画も面白かった.無音で映像のみで語るドキュメンタリー映画も好きだが,この映画は音楽ありインタビューたくさんあり普通のストーリー性ある映画を観ているようだった.映像がおしゃれで,凝り固まった自分の思考が揺さぶられた.

それからというもの,ファッションの世界にぐっと惹かれるようになった.といっても私の場合はヲタク気質なので,ファッションの歴史,モードとはなにか,哲学,なぜ人は服を着るのか…そっちの興味.

私の服装は,保守的でありコンサバティブである.それに加え少ない服の数.ハンガーピッチが5センチ以上開くようなクローゼット.色は3色程度.
パリコレでモデルさんが着るような服を自分が着たいとは全然思わない.だがそれを現代アートを観るような気持で観ていて,思考が揺さぶられるのが心地よい.なぜこうしたのか,何を表現したかったのか,何を壊したかったのか.デザイナーの思想に興味があるのだろう.また,素材にも興味がある.絵の具が進化したおかげで画家が絵の具を外に持ち出し風景画を描けるようになったのと同様で,きっと新しい素材が生まれるたびにデザイナーを刺激していることだろう.興味は尽きない.

今日は本屋さんで「ファッション史」の本を探してみたが,華々しいファッションコーナーの一番下の段の隅っこに数冊あっただけだった.そこでしゃがんで(人の邪魔にならないように),えっと,えっとと本を探している自分が楽しかった.つくづく自分のヲタク気質をクスクスと笑ってしまった.

彼はどうしているのかな,2ヶ月連絡していない・会ってないが,この2ヶ月の間に様々な変化がこちらは起きている.ぼやっと生きているようで,実は懸命に決断をしたり,好きを見つめて生きているということに気づく.この夏はちょっと頑張ったね.よく生きたねと思う.
落ち着いたら旅に出よう.マルジェラと.





















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