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ひいおじいちゃんから伝えられてきた我が家の家訓

我が家には家訓が2つある。

これはひいおじいちゃんが考えて、ひいおじいちゃんがおじいちゃんに、おじいちゃんがお父さんに、そしてお父さんが私に教えてくれたものだ。

一つ目は「夜に考え事をするな」だ。

夜に考え事をするとどうしても暗い方へ偏ってしまう。同じことを朝考えると不思議と前向きになる。だから、夜に考えることは不毛だ。考え事をするならさっさと寝て朝考えろ、と小さい頃からお父さんに口酸っぱく言われてきた。

最近私はこの家訓を守れていない。大人になると、朝も昼も忙しくて考え事をしている余裕がない。どうしても夜布団に入った時に悩みだったり心配事だったりが頭に浮かんできて、寝れなくなることもある。そのまま延々と考えることもある。けど、この家訓は次の日の朝に役に立つ。昨日の夜悩んだり、不安に思ったことは全部不毛なことなのだ、と自分に言い聞かせるのだ。別に悩みが解決するわけではないけど、延々と考えた暗い思考がすべて無意味なものと分かっていることで、私は安心する。

二つ目の家訓は「辛かったら逃げろ」だ。

これはひいおじいちゃんのエピソードが元になっている。ひいおじいちゃんは小さい頃、丁稚奉公に出されたそうだ。奉公先では毎日毎日たくさん働かされた。ひいおじいちゃんはこのまま真面目に働いていたら死んでしまうと思った。だから、うまく隙を縫って、ちゃんと休んだ。おかげで死なずに済んだ。

真面目に働くのは大事なことだ。自分が大丈夫な時はちゃんと働けばいい。でも、自分自身が危ないと感じたら、何よりも自分を優先して逃げていい、とお父さんは教えてくれた。

幸い私は、今まで危ないと感じるまで追い詰められたことはない。でも、頑張っても頑張っても報われなくて疲れた時、しんどい時にこの家訓を思い出す。そして「逃げてもいい」という選択肢があることにほっとする。大丈夫。私はいつでも逃げていい。いつでも逃げれるけど、今はまだ大丈夫。そう自分に言い聞かせると、また頑張れる気持ちが湧いてくるのだ。

いつか自分にも子供ができたら、ひいおじいちゃんから脈々と継がれてきた、親から子への愛がこもったこの言葉を伝えてあげたいと思う。

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