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スウェーデン留学記#16 キノコのパスタ、タラコのパスタ

スウェーデンでは秋になると、スーパーに黄色のキノコが出回り始める。普通のキノコよりもちょっとお高いそのキノコは、スウェーデン人が大好きなKantarell(アンズタケ)だ。スウェーデン人の友人もキノコ狩りに行くと言っては、Kantarellを探しに行っていた。

私は小さい頃からキノコが苦手だ。特にシイタケは匂いも食感も得意ではなく、昔ほど嫌いではなくなったものの今も自分から好んでは食べない。だから、いくらスウェーデン名物とはいえ、自分とKantarellは無縁だと思っていた。ところが、「期間限定」というパワーワードは人を盲目にする。最初の頃は買い物に行くたびに、嬉々としてKantarellをカゴに入れるスウェーデン人たちを横目に通り過ぎていたのが、いよいよ旬も終わりという頃、だんだんKantarellが美味しそうに見えてきて「今食べなきゃ、もう一生食べる機会ないじゃん!」と、とうとう自分もカゴに入れてしまった。

買ってしまったら食べるしかない。家でレシピを散々調べて、最初はKantarellのチーズオムレツを作った。シイタケみたいなキノコ臭はほとんどないし、コリコリしていて意外と美味しい!その後、オープンサンドや、ベーコンとKantarellのパスタを作った。ベーコンの塩気とKantarellの風味がよく合い、結構いける。私はもとがキノコ嫌いだけど、美味しいと思ったのでキノコ好きには絶品なんだろうな。

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パスタといえば、私は時々タラコスパゲッティを無性に食べたくなる時がある。でも、スウェーデンのスーパーでは日本みたいにタラコなんて売ってない。どうしたもんかなと思案していた頃、ある名案が閃いた。そうだ、スウェーデンにはKalles Kaviarがあるじゃないか!Kalles Kaviarとは、魚卵ペーストが、絵の具のチューブみたいな容器に入っている製品のことである。スウェーデン人はよくゆで卵やパンなんかに乗っけて食べるらしい。これが一番タラコペーストに近そう!

早速スーパーで購入し、タラコスパゲッティを作った。ワクワクして、一口食べてみる。うーん…期待していたのタラコスパゲッティとはちょっと違うけど…まあ美味しいかな。Kalles Kaviarは完全にペーストされちゃっているので、タラコみたいな粒々感は全くない。それに、青じそや小葱なんかはもちろん入手できなかったので、それら薬味とタラコのハーモニーは味わえない。けど、要は塩味なので、美味しいといえば美味しい。タラコスパゲッティらしきものを食べた気にはなれた(ちなみに写真左に写ってるのはVarma Koppenという製品名のインスタントのカープスープ。色んな味があるし、どれも美味しくておすすめ!料理するの面倒な時はこのカップスープとトースト食べて凌いでた。)

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Kalles Kaviarのチューブは一回タラコスパゲッティに使用したくらいでは全く減らなかったので、その後トーストやジャガイモに塗ったり、何回かタラコスパゲッティの再現に利用した。そもそも、留学に来ている時点で美味しい日本食を食べれないことぐらい、覚悟してきている。日本の味を完全に再現しようというのが、間違いだろう。それらしきものを食べれただけでも満足ではないか。

「まあいっか」

という、妥協の精神が留学には重要だ。

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