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スウェーデン留学記#57 シェアハウスのお別れ料理パーティー

ルンドでの交換留学の終わりが近づいてきた5月下旬頃、シェアハウスで過ごす生活も終わりを迎えようとしていた。ハウスメイトの中には5月末には帰国する子もいた。

そこで、名残惜しいお別れに向けてみんなでパーティーを開くことにした。各自が適当に料理を作って持ち寄る。人が料理をしているのを見るのも食べるのも好きなので、私としては二重に楽しみである。

パーティーは夕方にかけて開かれることになった。ハウスメイト達は少しずつ時間をずらしながら台所で各自料理をした。
ベジタリアンのマリはサラダを2種類作ってくれた。クスクス、ドライトマト、キュウリ、ミニトマトを混ぜて、オリーブオイルと塩コショウで味付けしたサラダと、トマトと紫玉ねぎをオリーブオイルと酢のドレッシングで味付けしたサラダも作ってくれた。
リーナはパンを買ってきてくれて、付け合わせのディップも作ってくれた。ディップはヨーグルト、サワークリーム、ニンニク、キュウリを混ぜて塩コショウで味付けしてある。

アレクシーもパンを買い、葉野菜のサラダを作ってくれた。葉野菜をオリーブオイルと粉チーズと混ぜたシンプルサラダだ。

ヴィエラは冷凍パイシートでベーコンと玉ねぎを包んで輪切りにした渦巻きパイを作ってくれた。

お料理上手のアメリが作ってくれたのは本格的なキッシュだ。小麦粉から作った生地で型を作り、そこにアスパラガス、玉ねぎを混ぜた卵液を流し込んで、オーブンで焼き上げた。

シモーネはバナナのパウンドケーキを焼いてくれた。

私が用意したのは以前の記事でも紹介したレモンメレンゲパイだ。

こうしてみなで作った料理を並べて、お食事会の開始だ。

皆、帰国後の進路のことやつい先日終わったばかりの試験のことなどあれこれ話しながら美味しい料理を味わった。クスクスサラダはドライトマトが味の決め手で、その塩気と旨味がアクセントとなり、プチプチしたクスクスの食感が楽しい。ヨーグルトディップは爽やかな味で、素朴なライ麦パンとよく合う。渦巻パイはパリパリの生地からベーコンの油と旨味がじゅわっとしみだしてきて美味しい。キッシュは生地もサクサクで美味しいし、アスパラガスと玉ねぎの旨味が滑らかな卵に包まれていて一切れでは足りないくらいの美味しさだ。バナナケーキはバナナの甘さと生地のしっとりさが程よいし、レモンメレンゲパイは軽やかなほんのり甘いメレンゲと甘酸っぱいレモンクリームがサクサクの生地と調和している。

最初の頃は掃除の方針の違いで喧嘩することもあったハウスメイトだが、1年も一緒に暮らしているうちに特別な時間をたくさん共有した。ホームシックで寂しい夜は、リビングで温かい紅茶を飲みながら慰め合ったりゲームをして気を紛らわした。授業や試験で疲れた時は、一緒におやつを食べたりコーヒーを飲みながら愚痴を聞きあったりもしたし、散歩に出かけることもあった。お互いの誕生日を祝い合ったり、一緒に買い物に行ったり、料理をしたり、お菓子を焼いて分け合ったり、料理を教え合うこともあった。誰かの部屋に侵入した虫を協力しながら撃退したのも、今となってはいい思い出である。

始めルンドへの留学が決まった時、学生寮の抽選から落ちて、その後も住む部屋が全く決まらなかったときは絶望したものだが、今思えばそうしてご縁でこのシェアハウスに住むことになり本当に良かったと思う。
そんなことを思いながらしみじみと長閑な時間を過ごした夜だった。

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